僕のヒーローアカデミア
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『……はぁ、最悪……』
なつは、熱を帯びた吐息を漏らしながら、ベッドの中で丸まっていた。
昨晩から急激に上がった熱は、今や38度を超えている。一人暮らしの静かな部屋で、時計の針の音だけが虚しく響く。
『……喉、乾いたな……』
重い体を動かそうとした、その時だった。
カチャリ、と玄関の鍵が開く音がして、荒々しい足音が廊下を突き進んでくる。
爆「おい、生きてんのかテメェ!」
バァン!と勢いよく寝室のドアが開いた。そこに立っていたのは、なつの恋人、爆豪だ。
『……かっちゃん? なんで……』
爆「なんでじゃねぇわ! 連絡も返さねぇで、くたばってんのかと思っただろーが!」
爆豪は手に持っていたコンビニの袋を床に放り投げると、ズカズカとベッドサイドまで歩み寄ってきた。
そして、なつの額に迷いなく自分の額をピタリと合わせる。
爆「……ッ、アツすぎんだろ、ボケが」
至近距離で見つめ合う三白眼が、怒りと、それ以上の焦燥に揺れている。
『ごめん……。ちょっと、寝込んでて……』
爆「謝る暇あんなら、とっとと寝ろ。……これ飲め」
勝己は袋から手際よくスポーツドリンクを取り出し、キャップを開けてなつの口元に運んだ。なつが少しずつ飲み込むのを、彼は黙って見つめている。
『……ねぇ、かっちゃん。忙しいのに、いいの?』
爆「あぁ? テメェがこんなフラフラで、放っておけるわけねぇだろ。……俺を誰だと思ってんだ」
勝己はぶっきらぼうに言い捨てると、なつの体を抱き起こし、手早く枕の位置を調整した。背中に回された腕の熱が、自分の体温よりも熱く感じて、胸の奥がキュッとなる。
爆「なつ」
『……ん?』
爆「……俺がいるから、黙って寝てろ。何があっても、俺が守ってやるからよ」
勝己は、なつの頬にかかった髪を、指先で愛おしそうに払った。その仕草は、普段の彼からは想像できないほど繊細で、優しい。
『……ありがとう。大好きだよ、かっちゃん』
なつが熱のせいで少し甘えた声を出すと、勝己は一瞬目を見開いた後、真っ赤になった顔を背けた。
爆「……チッ、熱に浮かされて変なこと言ってんじゃねぇ……ッ!」
そう言いながらも、彼はなつの手を力強く握りしめた。
その大きな手の温もりに包まれて、 なつ は久しぶりに深い安心感の中で目を閉じた。
爆「……おやすみ、 なつ」
微睡みの中で最後に聞こえたのは、名前を呼ぶ、震えるほど優しい声だった。
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