ONEPIECE/サボ オチ予定

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第二話



ある日のフーシャ村では大きな叫び声が聞こえた。

『ええ!!?ルフィと別々に暮らさなくちゃ駄目なの!?どうして!?やだ!!』
ガープ「ルフィは最強の海兵になるために修行しに行くんじゃ!」
ルフィ「いてぇよ!じいちゃん!!おれは海兵になんかならねェ!海賊王になるんだ!!」
ガープ「なにが海賊王じゃあ!!」
『えっ、じゃあもう…ルフィに会えないの?』

なつが泣きそうな顔をすると、ガープはなつを高い高いした。

ガープ「山に行くのは駄目じゃ!だが、会えなくなることは無いから安心せェ。」
『うんっ!』
ルフィ「じいちゃん何でいつもなつには甘いのにおれには厳しいんだよ!!」
ガープ「当たり前じゃ!なつは女の子でルフィ、お前は男じゃ!!なつはワシの思う通りの強くて人情深い愛嬌のある娘に育ってきとるわい!それに比べてお前は…」

ガープはルフィの頬をつねりながら山へと歩いて行った。

『…おじいちゃん達行っちゃったね…』
マキノ「さみしい?」
『ううん!!だってまた会えるもん!』

なつはそう言うと、マキノの手伝いをした。

そして三ヶ月が過ぎた頃───

『マキノー!コルボ山にキノコ狩りに行ってくる!!』
マキノ「もう、そんな事言って、ルフィに会いたいんでしょ?」
『えへへ、ばれちゃった。でもね大丈夫だよ!私もルフィもおじいちゃんに、小さい時から山に投げ飛ばされたりしてたから!』
マキノ「あまり遅くなっちゃだめよ?」
『はーい!』

なつはオシャレをしてコルボ山に向かった。

ダダン「ルフィ!帰ってきた…ん?誰だいあんた。」
『こんにちは!わたし、ルフィのお姉ちゃんのなつ!!ルフィに会いに来たの!』
ダダン「ルフィはまだ帰って来てないんだ!あんたも帰んな!」

ダダンはなつを追い出そうとした。

『…外に居るの?探してくる!!』
ダダン「なに言ってんだい!じきに暗くなる!早くフーシャ村へ帰んな!死んでも知らないよ!」
『大丈夫!昔おじいちゃんに山に投げられたことあるし!目もいいから!ありがとう!!』

なつは手を振ってダダンの家を出た。

「あの子、女の子だよな…」
ダダン「ガープの孫は女でもあんななのかい!?」

ダダンの嘆きが聞こえなくなった頃、なつは山道を歩いていた。

『ねぇ、リスさん。ルフィ知らない?…あっち?そっか、ありがとう!』

ルフィ「おれは誰よりも強くなるんだよ!!すげェ海賊になるってシャンクスと約束したんだ!!」

『!!ルフィの声だ!』

なつはルフィの声を聞き、嬉しくなってそちらに走るとルフィの他に二人男の子がいた。

「命を狙われることになりそうだろ…?ん?誰だお前!」
『わわっ!!』

誰かがそう言うと、なつに鉄パイプを向けた。

ルフィ「なつ!」
『ルフィ!その怪我、どうしたの!?』
ルフィ「海賊にやられたんだ!でもエース達が助けてくれたから大丈夫だ!!」

ルフィがそう言うと、なつは二人を交互にみた。

エース「…なんだよ。」
『弟を助けてくれて、ありがとう!!』
エース「っ…///」
サボ「!///」
『ほら、ルフィ。じっとしててね!』

赤くなるサボとエースを横目になつはルフィの頬に手を当て、小さく呟くとなつの手から水の塊が出てきた。

ルフィ「わっ、水だ!…ってスゲェ!傷が治った!」
『えっへん!ホーリーウォームって言うんだ!わたしの能力だって!あなた達もすぐに治すからね!』
エース「いらねーよ。誰だよお前。」
サボ「おれも。自力で治せる。」

二人がそう言うと、なつは少し考えて笑顔になった。

『わたし、ルフィの姉のなつです!!9歳!よろしくね!』
サボ「…?」
エース「…」
『ほら、わたしは自己紹介したんだから!!次は二人の番!お名前は?』

なつが言うと、サボは笑い出した。

サボ「あはは!打たれ強はさルフィと似てるな!おれはサボ!10歳だ!で、こいつはエース。おれと同じ10歳だ。よろしくな!」
『サボとエースね!よろしく!』

なつはそう言うと、サボの頬に手を当てまた傷を癒した。

サボ「ほんとに治った…サンキュー!」
『うん!ほら、エース!』
エース「馴れ馴れしく呼ぶな。」
『…じゃあ、エース君?』
エース「そういう意味じゃねェ!!!」

エースが言うとなつは首を傾げ、笑顔で握手をし、ホーリーウォームと唱え傷を癒した。

エース「なっ!なにすんだ!」
『誰も頬に触らないと駄目なんて言ってないよー!』

なつはクスクスわらって舌をだした。

ルフィ「なつ、どうして山に来たんだ?」
『ルフィに会いに来たの!寂しくなっちゃって!』
エース「とにかくダダンの家に帰るぞ。まだ海賊が彷徨いてるかもしれねェ。」
サボ「そうだな。」
ルフィ「それにしても、なつの能力すげェな!」
『えへへ!でしょ!使ったら疲れちゃうんだけどね、わたしも強くなるために頑張ってるんだ……』

なつは立ちながら寝てしまった。

ルフィ「なつ!どうしようエース、サボ!なつが寝ちまった!」
エース「ほっとけよ!」
サボ「いや、流石にそうはいかねェだろ。よし!おれが負ぶっていく!」

そしてサボはなつをおんぶし、ダダンの家へと歩いて行った。

『んっ…ふぁ~。あれ?ここは…?あ、そっか。昨日寝ちゃったんだ。』

なつは起きるとダダンの所に向かった。

『おはようございます!』
ダダン「なんであんた帰ってなかったのかい!?」
『うん!それでね、昨日の夜のお礼!』

なつの持っていた大きな復路の中には様々な山菜が入っていた。

『また来るね!ルフィのこと、よろしくお願いします!』

ぺこりと頭を下げるとなつは帰って行った。

ダダン「たくましいだけの子かと思えば…ルフィと違って礼儀正しいじゃないか。」

ダダンはなつの袋の中を見ながらつぶやいた。




また暫く経った頃。なつはまた内緒でルフィ達の所に来ていた。

『みんなー!』
エース「なんだ、また来たのか。」
『うん!だってみんなと居るほうが楽しいもん!』
サボ「おれもなつが来てくれると嬉しいぜ!」
『えへへ!』

エース「サボ!甘やかすな!またなつが来るだろう!」
『ベー。サボはエースと違って優しいもんねー!』

なつはサボに隠れながらエースにあっかんべーをしていた。

ルフィ「“ゴムゴムの~~銃”!!」

ルフィは何度も失敗し、挙げ句の果てに自分を殴っていた。

エース「だからおめェは何がしてェんだよ!」
サボ「一本だ!エースの勝ち!」
エース「お前、その能力…意味あんのか?」
ルフィ「くっそーうまくいかねェ!おれの考える通りになればお前らなんかケチョンケチョンだからな!!もっかいだー!」
エース「ダメだ。1人1日百戦まで。また明日な。」

なつはサボが書いている勝敗をみながら微笑んでいた。

『ルフィは今日もエースとサボに50敗ずつだね。』

サボ「おれとエースは24対26…くっそ~!」
ルフィ「お前ら!おれが10歳になったらブッ倒してやるからな!」
エース「そん時ゃおれ達13だ。夕飯の調達に行くぞ。」
『もうそんな時間なんだ!じゃあ、私帰るね!』
サボ「送るぜ!」
『ありがとう!』
エース「サボ、おれ達は先に行ってるぜ。今日はワニだ。」
サボ「おう!」

こうしてサボとなつは二人から離れた。

『サボは優しいね!』
サボ「おれはなつが大好きだからな!」
『えへへ!わたしも大好き!』
サボ「ああ!」
『じゃあまたね!』

なつはサボに手ふると、フーシャ村に戻った。



そしてまた暫く経ったある日。

ルフィ「おれ達、兄弟になったんだ!兄弟の杯をしたんだ!」
『なんで私も呼んでくれなかったの!!?』
エース「何でなつを呼ばねェといけないんだ。」
『…!!もういいよ!バカ!』

なつは走って海の見える丘まで来た。

『うっ…ひっく…』
サボ「なつ!よかった、ここに居たのか!」

泣いていると、サボが息を切らして走って来た。

『サボ…』
サボ「いつもならあんな位で怒らないのに…どうしたんだ?」
『だって三人はダダンさんの所で一緒に住んで…私は三人みたいに強くないから遊びに行けないんだもん。…でも私もみんなと家族になりたかった…』

拗ねて言うと、サボはにっこりと笑った。

サボ「まあ、俺たちは強いからな!」
『私ももっと強くなりたい…』
サボ「なつはそのままでいいって!」
『どうして?』

なつはきょとんとしている。

サボ「俺はなつの優しい所とか、その笑顔とかが…好き、だから…さ!」
『えへへ、私もサボの事だーい好きだよ!すっごく強いし優しいし!太陽みたいな笑顔も大好き!』
サボ「だから俺はなつとは兄妹にならなくて良かったって思ってんだ。兄妹になったら、その……結婚…できないだろ?」
『そっか!!なんだかよく分かんないけどサボがそう思ってるならそうなんだねっ!!』

なつは嬉しそうにサボに抱きついた。

サボ「それになつは海賊にならないだろ?ここで平和に暮らしてたら力を使うこともねーよ!」
『でも、それは…。だってサボ海賊になっちゃうんでしょ…?私も強くなって…サボ達と一緒に旅したいよ…』

なつが納得のない風に返事をすると、サボは太陽のような笑みをしていた。

サボ「なつの心は強いじゃねーか!」
『…』
サボ「あとさ……俺が…俺たちがなつの事ずっと護るから!どこに居ても絶対に助けに来る!杯はかわさなくても、なつは大切な存在だ!」
『本当?…ほんとうに、助けてくれる?』
サボ「ああ!約束だ!」
『うん!約束!!』

なつは元気を取り戻し、二人で笑いあっていた。

エース「なつ!探したぞ!!」
『エース…』
エース「…悪かった…さっきはきつく言い過ぎた…」
ルフィ「ごめんなつ。」
『!!うん!もう気にしてないよ!いこっ!』

なつは笑顔で言うとフーシャ村に帰って行った。

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