時をかける少女/千昭オチ【完】
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翌日
『間宮君、おはよう。』
なつはギリギリで来た千昭にそう言い大量のノートを千昭の机に置いた。
真琴「おっはよー!あれ、それなに?」
『ん?今まで習った所のまとめだよ。間宮君前の学校でどこまで習ったか分かんないし、帰国子女って噂もあるでしょ?』
真琴「えっ、いいなー!私も欲しい!」
功介「真琴、お前は去年習っただろ。自分で勉強しろよ。」
真琴「えーー!」
真琴は功介にそう言われ、席に着いた。
千昭「…いらねー。」
『そう言わずに!持って帰って勉強しなよ。なんだったら私も教えるしさ!』
千昭「いらねーつってんだろ」
千昭はそう言いながらもノートを自分のカバンに入れた。
…ほら、悪態ついててもちゃんと優しいじゃん…
なつは感心しながら次の授業の範囲をノートに予習していた。
.
放課後
真琴「なつー!今日野球しない?!」
『今日もでしょー?でもごめん、今日は部活があるんだー。』
真琴「ええーじゃあ功介!」
功介「悪ぃ、俺も今日は部活。」
二人が断ると真琴は項垂れながら帰って行った。
『じゃあね功介。』
功介「ああ。また明日。」
なつが美術部へ向かっていると、喧嘩の場面に遭遇してしまった。
その相手は同じクラスのやんちゃなグループと千昭。
千昭は1人に対し、相手は三人もいるのに千昭がその3人に勝っていた。
『何してるの!?』
千昭「あぁ!?こいつ等が喧嘩売って来たんだろうが。」
「月下さん…!助けてくれ!こいつが、間宮が…!」
『…1人に対して大勢でかかるなんて最低!恥ってもんを知ったらどうなの!?』
なつがそう言うと、間宮は呆気にとられて力が緩み、その間にやんちゃなグループは逃げて行った。
『ほんと、男のくせに恥ってもんを知るべきよ…!』
千昭「何あんた…俺は別に怪我してないし、止められなくても良かったんだけど。」
『そうだね、はいはい。分かったよ。間宮君も相当頑固だね。余計な事してごめんね、じゃーね。』
なつはさっきの三人に腹を立てていたので八つ当たりのように千昭にも言い放った。
部活が終わり、教室に戻ると大きな物音が聞こえた。
『!!』
「へっ!さっきの仕返しだ馬鹿野郎!」
そこには、さっきの三人と先輩と6人で千昭に殴りかかっている所だった。
千昭「…」
なつが心配して千昭に近寄ろうとするも心配は無く、千昭はそいつら6人をボコボコにし返り討ちにしていた。
千昭「まだやるか?」
「わ、わぁ…こいつやべぇ!」
そして6人が逃げた後、なつは至る所から血を出してる千昭に走って寄って行った。
『間宮君!大丈夫!?』
千昭「またお前かよ…大丈夫だからほっといて。」
『バカ!ほっとける訳無いでしょ!?こんな怪我してるのに。とりあえず応急処置だけして病院に行かなくちゃ…』
なつは慣れた手つきで千昭の傷口を消毒していた。
千昭「おい『大丈夫。普段無茶ばっかりする人と幼馴染だから応急処置には慣れてるし。良いドクター知ってるから安心してよ。』
なつがそう言うと、千昭はなつの手を掴み止めた。
千昭「そうじゃ無くて。俺と関わってたら月下さんまで悪い噂されるかもよ。」
『…へ?』
千昭「俺、不良だの前の学校で退学させられただの噂たってただろ?」
『…』
千昭「聞いてる?」
千昭のまさかの言葉になつは空いた口が塞がらなくなり、笑った。
『あははっ!!大丈夫だってそんなの唯の噂でしょ?それであんなに冷たくされてたの私?』
千昭「…」
『昨日の朝、笑いかけてくれたじゃん。それに今だって私のこと心配してくれてたんでしょ?そんな人が悪い人なわけないじゃん!』
千昭「…」
なつは笑いを抑えると、今度は落ち着いて千昭の目を見て微笑んだ。
『大丈夫。私は自分で見たものを信じるから。間宮君は優しくていい人だよ。』
千昭「!!」
『ほら、つべこべ言わずに病院行くよー?あ、間宮君自転車通学?なら場所言うから乗せてよ!』
千昭「ったく…津田といい月下といい…知らねえぞ。」
そういえば、功介もしつこく話しかけてたな。なんて思いながらなつは千昭の後ろに座り、病院へ向かった。
『はい、到着ー。自転車その辺に止めて。』
千昭が自転車を止めると、なつは手を引き病院に入って行った。
『おじさーん!』
功介「おうなつ。どうしたんだよ怪我でもしたのか?」
『ああ、功介。違うよ、怪我人はこっち。』
功介「間宮?ちょっとまってて、今親父来るから。」
『大丈夫。功介のお父さん、腕は確かだから。』
なつが言うと、千昭は困ったように首に手をやった。
千昭「…ありがとうな。」
『!!』
功介「!!」
千昭が言うと、なつと功介は一瞬驚いた表情をし、二人して笑い出した。
千昭「何だよ…」
『あははっ!!いいってことよ!』
功介「俺たち友達だろ?そんな事で礼なんていらねーよ。」
『だいたい、おじさんも怪我は見慣れてるしねー。真琴とかしょっ中何かに突っ込んでは怪我してたし!』
功介「違いねぇな。」
その後、怪我を治療してなつは千昭に送ってもらっていた。
『ありがとね。送ってくれて。』
千昭「いや、俺もこっち方面だったから…つーか家、隣だったし。」
『えっ、うそ!偶然ー!じゃあこれからもよろしく!』
なつが送ってくれと聞こえるように言うと、千昭はフと笑い、なつはとても嬉しそうに笑った。
『えへへー。』
千昭「何だよバカ。気持ちわりー。」
『酷ーい!間宮君が笑ったから私も嬉しくてさ!間宮君、素材は良いんだから笑った方がいいって!笑顔が一番!』
千昭「そうだな。」
『…え、何?顔がいいって言ったことは否定しないんだ…わぁ、、ナルシスト~…ぷっ』
千昭「ははは!うっせーバカ!」
二人は思う存分笑うとアドレスを交換し、なつは家に入って行った。
千昭「完成するまでまだ時間あるから…それまで楽しんでもいいよな…」
千昭は虚しくつぶやき家に帰った。