時をかける少女/千昭オチ【完】
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『おはよう功介。今日も早いね。』
功介「まあな。」
真琴「おはよう!」
『おはよ、今日は早いね。』
真琴「まぁね~、ねぇなつ、ここ教えてくんない?」
『いいよ。』
なつは真琴に数学を教えていた。
段々と人が増えて行き、チャイムがなると同時に千昭が走って入って来た。
『おはよう、』
功介「またギリギリかよ。遅刻した方がいっそ清々しいなぁ。」
千昭「はえーよ功介!ちゃんとオナって来たのか…」
真琴「くだらないこと言ってないで、ちゃんと早く起きなよね?」
千昭「あれ?なんではえーの今日!?」
千昭はものすごく驚いていた。
「ハイ先生が遅れた理由は何かなー」
先生は手に紙を持ち、ヒラヒラさせながら言った。
早川「小テスト!?」
「はい!早川正解ぃ!」
先生がそう言うと、皆のブーイングがおこった。
千昭「マジかよー!なつと功介は余裕だな。」
功介「普段からしてねえつけが回ったんだよ。」
『そうそ。私と功介はいつも勉強してるからね。そういう間宮君も数学得意じゃない。』
テストが始まって20分。
真琴「できたぁーっ!ふふふふ」
珍しく真琴が早く終わったようで伸びていた。
…てゆかこの問題、何処かで見たことあるような…気のせいかな?
そのあとも、気にせずいたら私と同じ班だった高瀬くんと代わっていた。
そして高瀬君はやんちゃなグループに消火器をかけてしまい動揺していた。
早川「ねぇ千昭君ってさー、」
真琴「私今それどころじゃないんだよね」
『真琴なんか今日変じゃない?』
真琴「えー?なにがー?」
『なにが?じゃなくて…なんか今日おかしいんだよね~…昨日と同じ事が起きてるっていうか…』
早川「なつなに言ってんの?」
早川が笑いながら聞いているとなつは腕を掴まれた。
竜崎「月下さん、ちょっと良いか?」
『えっと…』
早川「竜崎先輩だよ!サッカー部のエースの!」
『あの、何でしょうか…?』
竜崎「二人だけで話したいことがあるんだ。」
竜崎が言うと、真琴と早川はニヤニヤとして手を上げた。
早川「行ってきなよ!」
真琴「ほんとに…モテる女は辛いねぇ!」
『そんなんじゃないって!』
そう言い、なつは竜崎の後を追って歩いて行った。
…やっぱり気のせいかな?…
竜崎「俺、実は去年からずっと月下さんの事が好きだったんだ。」
校舎裏に着くと、突然告白された。
『えっ?えっと…』
竜崎「覚えてる?月下さんが入学してすぐ、その時は俺レギュラーになれなくて公園で一人で自主練してたんだ。その時、月下さんに励まされて。」
『あっ、あの時の…!』
竜崎「その言葉を支えにずっと頑張ってさ、今ではエースになれて…すっげー感謝してる。」
『そうなんですか…よかった。』
竜崎「俺、その時からずっと月下さんの事が好きだったんだ。だから…」
『私、その…』
竜崎「彼氏とかいたりする?いつも津田と間宮とつるんでるけど…どっちかが彼氏なわけ?」
竜崎がそう聞くと、なつの腕は誰かに引き寄せられていた。
千昭「すんません先輩。こいつ、俺の彼女なんで。」
竜崎「そっか…やっぱりな。じゃあ月下さん。また…」
『あのっ!好きになってくれて…ありがとうございました!』
なつは帰っていく竜崎にお辞儀をした。
『…』
千昭「俺、邪魔だった?」
『どうして?』
千昭「いや、あの人すげーモテるだろ?そんな人から告られたのに俺の彼女だとか嘘着いたし。」
『ううん、助かったよ。私もどう断っていいか分かんなかったし。』
なつがそう言うと千昭はそのスッキリとした横顔を見ていた。
そして放課後。
早川「なつ、真琴、理系か文系か決めた?」
真琴「私留学にしよっかなー!」
早川「えっ!?なにそれ」
『なにバカなこと言ってるの?』
真琴「ほら、交換留学制度とかさ」
早川「あんたなにいってんの?英検3球落ちてたじゃん。」
真琴「やーねぇ、たいむうぇいつふぉーのーわんよー」
『何~?ほんと気持ち悪いよー?』
ニヤニヤしてる真琴をなつが呆れたように笑っていると、外から千昭の声が聞こえて来た。
千昭「おいなつー!真琴ー!」
真琴「おーっす!」
掃除を終わらせ、なつ達は功介達のところに向かった。
真琴「そういえばさー竜崎先輩、なんだったの?」
『んー?告白された。』
真琴「うっそー!やるじゃーん!で?それでそれで?」
『え?』
真琴「答えは?」
千昭「俺が彼氏だって言った。」
歩きながら話しており、千昭がそう言うと真琴と功介は驚いて二人を見た。
真琴「とうとう付き合ったの!?」
功介「まさかあのなつがな~。」
『ちょっと待ってよー。間宮君は庇ってくれただけだって。ねぇ?』
千昭「ん?んぁー。まあな。」
『それより今日どこ行くー?』
なつがそう言うと、功介は哀れんだ目で千昭を見ていた。
─────
千昭「なんで野球じゃなくてカラオケなんだよ」
『いいじゃんたまには!』
なつは功介の隣でドリンクメニューを見ていた。
そして真琴はドアから出て来たり、コーラを頼んだと思ったらジンジャエールを飲んだりとおかしなことが続いた。
また別の日も、千昭のボールだけ打ったり受けたりしていた。
千昭「なんで俺のだけとれんだよ!」
真琴「私に読めない球はないのよー!」
『あはは、初めはからぶってたくせによく言うよねー!』
真琴「え?」
『え?』
功介「何言ってんだ。今日真琴は百発百中だぜ。」
『あっ、そうだっけ?』
…確かにからぶってたんだけどな…
なつは不思議に思いながらも三人の絵を書いていた。
真琴「なつ今日は参加しないんだ。」
『うん、まあね。』
真琴「すっごーい!上手!」
『ほんと?ありがと。』
千昭「けどここなつ映ってねーじゃん。ほら、ここにかけよ。」
『やだよ自画像なんて。』
なつは苦笑いをしていた。
そして別の日の放課後
堀尾「あのさ、俺月下さんのこと好きだったんだよね。」
『ありがとう。でもごめんなさい。』
なつは告白され、急ぎ足で功介多々のところに走って行った。
『おまたせー!』
千昭「おせーよ!」
『ごめんごめん。あっ功介ー、分からない問題あるんだけど、後で教えてくんない?』
功介「ああ。いいぜ。」
なつと功介が話していると一年生の三人組が走って来た。
「せんぱーい!」
千昭「オレ?」
「違います」
嘉穂「あの…その…」
「かほ!」
嘉穂「うん。」
嘉穂と呼ばれたその子は功介を見て顔を赤くしている。
なつと真琴はそれを見て二人顔を合わせ、千昭を引っ張って歩いて行った。
真琴「いってるよー!」
功介「ああ!」
千昭「なんだあいつ?」
『いいから。ほらいくよ。』
なつは功介に手を振ると千昭の腕を引っ張った。
暫く三人でキャッチボールをしてると功介が来た。
真琴「あ。」
功介「よっ」
千昭「おせーぞ!」
功介「わり、」
『えーっと』
意味ありげになつは功介をニヤニヤと見ていた。
功介「さっきのやつ?後輩、ボランティア部の。」
千昭「ふーん、なんだって?」
功介「いやぁ、月下先輩と付き合ってんのかって。」
『え!?私達付き合ってんの!?』
真琴「付き合ってたの?」
功介「付き合ってねーよ。」
『だよね~。』
功介「そう言っといた。」
なつが笑いながら言うと真琴は目を輝かせていた。
真琴「それでっねっそれでっ」
功介「よくんかんないけど…こくられたっ!」
真琴「やったー!」
千昭「まじかよ!」
『それでなんて?』
功介「付き合えない。」
真琴「えーっひどーい!」
『生で告ってんのに?!可哀想~』
功介「まてまて」
千昭「なんで断ってんだよ。俺だったら絶対付き合う」
千昭がそう言うと真琴はまた、ニヤニヤしだした。
真琴「つーかさぁ、だってあの子中学の時のなつに似てない?功介中学の時なつの事好きだったじゃん!」
功介「うぇっ!似てねーよ!」
『えっ、功介私のこと好きだったの!?』
千昭「マジかよ!!」
功介は動揺してファールしていた。
千昭「後でやっぱ付き合っときゃ良かったって泣いてもおせーぞ。」
功介「もういいよ、その話は。」
千昭「じゃあな。」
『またねー。』
功介「おう!」
真琴と功介が分かれ道で帰って行き、なつは千昭の後ろに乗っていた。
『本当に興味ないのかなー?』
千昭「功介がねーって言う時はねーよ」
『ちょっとホッとした。』
千昭「なんで?」
『彼女で来たら大事にするよね。』
千昭「そういうやつだ」
『そしたら四人で野球できなくなるでしょ?私体力ないし滅多に参加しないからさ、真琴と二人でする事になるよ?』
千昭「キャッチボールだけじゃ野球とは言えねえよな。」
千昭がそう言うと、なつは千昭の背中に頭を預けた。
『ずっと四人で居られる気がしてたんだよね。分からない問題を功介に教えてもらって、真琴に毎朝元気もらって、こうして間宮君に毎日家まで送ってもらって…私、間宮君の背中好きだよ。安心するし…』
なつが言うと千昭は急に黙り出した。
千昭「なつ。」
『んー?』
千昭「俺と…付き合えば?」
『え…何それ…』
千昭「付き合おう。」
『どっからその話になったの…』
千昭「功介に彼女ができたらって話…俺、そんなに顔もわるくないだろ?」
…そんな軽いノリで告白して来たの…?
『まじ…?』
千昭「マジ。」
『…』
…本当なんだ…私、間宮君のこと好きだから嬉しいけど…なんて言えばいいんだろ…
なつが考えていると、千昭は笑い出した。
千昭「あはは!嘘だよ!冗談だって!」
『!!……ごめん私今日功介に勉強教えてもらうんだった。先帰ってて。』
千昭「おい、なつ!」
なつは無視して歩いて帰った。