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259.四乃森蒼紫の闇・弐 (蒼紫・夢主)
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「怖いか。」
蒼紫は温度の無い目で武尊をみつめた。
(怖くない!)
怖いのは蒼紫がしようとしている自分への仕打ちではない、そんなのは怖くない。
武尊はキッと蒼紫を睨みかえした。
けれどもすぐに俯いて視線を下げた。
泣き顔を蒼紫に見せたくなかったからだ。
込み上げる涙がぽとりぽとりと眼球の頂点から下へと滴る。
どうしていいのか、どうすれば蒼紫はやめてくれるのか。
全く考えが浮かばなくてそんな自分が悔しくて涙が溢れるのだ。
訪れようとしている最悪のシナリオを回避する手段などどうして手も足も口さえも拘束された今の状況で考えられるのか。
武尊の気持ちはほぼ絶望だった。
だけど諦めたくなかった。
(自分だけ不幸になるなら絶望してもいい、でも、蒼紫だけは救いたい!)
武尊の胸に蒼紫の聞いた過去が走馬灯のように蘇った。
(こんなに悲しい思いをした人がやっと立ち直って日の当たる場所を歩く決心をしたというのにその道を私が潰してしまう・・どうすれば、どうすればいい!?)
焦る武尊の前で蒼紫は床に広がる涙染みを見てゆっくりと屈むと武尊の顎をくいっと自分に向かせて言った。
「お前の心が手に入らぬというならこの身体が俺から離れられないようにしてやる。・・これから与える官能は会津で泣き叫んだ程度で済むと思うな。」
(え・・?そっち?)
武尊は自分の思い違いに思わずそう突っ込まずにいられなかった。
と同時に会津での出来事はそれしか手段がなかったとはいえ恥ずかしすぎて思い出したくないほどの痴態だった。
思わず目を見開いて首を振ろうとしたが顎を掴んだ力は指先だけとは思えないほど強固でほとんど動かせなかった。
その時武尊が見た蒼紫の目の奥はあまりにも闇で、それを見たら瞳から闇が流れ込んでくるような気がして、武尊はその時初めて恐怖で身体を震わせたのだった。
2018.12.19
蒼紫は温度の無い目で武尊をみつめた。
(怖くない!)
怖いのは蒼紫がしようとしている自分への仕打ちではない、そんなのは怖くない。
武尊はキッと蒼紫を睨みかえした。
けれどもすぐに俯いて視線を下げた。
泣き顔を蒼紫に見せたくなかったからだ。
込み上げる涙がぽとりぽとりと眼球の頂点から下へと滴る。
どうしていいのか、どうすれば蒼紫はやめてくれるのか。
全く考えが浮かばなくてそんな自分が悔しくて涙が溢れるのだ。
訪れようとしている最悪のシナリオを回避する手段などどうして手も足も口さえも拘束された今の状況で考えられるのか。
武尊の気持ちはほぼ絶望だった。
だけど諦めたくなかった。
(自分だけ不幸になるなら絶望してもいい、でも、蒼紫だけは救いたい!)
武尊の胸に蒼紫の聞いた過去が走馬灯のように蘇った。
(こんなに悲しい思いをした人がやっと立ち直って日の当たる場所を歩く決心をしたというのにその道を私が潰してしまう・・どうすれば、どうすればいい!?)
焦る武尊の前で蒼紫は床に広がる涙染みを見てゆっくりと屈むと武尊の顎をくいっと自分に向かせて言った。
「お前の心が手に入らぬというならこの身体が俺から離れられないようにしてやる。・・これから与える官能は会津で泣き叫んだ程度で済むと思うな。」
(え・・?そっち?)
武尊は自分の思い違いに思わずそう突っ込まずにいられなかった。
と同時に会津での出来事はそれしか手段がなかったとはいえ恥ずかしすぎて思い出したくないほどの痴態だった。
思わず目を見開いて首を振ろうとしたが顎を掴んだ力は指先だけとは思えないほど強固でほとんど動かせなかった。
その時武尊が見た蒼紫の目の奥はあまりにも闇で、それを見たら瞳から闇が流れ込んでくるような気がして、武尊はその時初めて恐怖で身体を震わせたのだった。
2018.12.19