※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
257.壊れた心 (斎藤・夢主・蒼紫・翁・操)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いつまで呆けた顔をしてるんだ。」
「え?」
「口が半開きのままだ。返事は!」
「はい!」
返事はと強い口調で言われ、元部下だった癖で思わず『はい』と元気よく返事をしてしまい武尊は困惑した。
だが斎藤はフッと笑い、
「良し。」
と目を細めた。
(やられた・・。絶対私が『はい』っていうように仕向けたよね。)
まんまと斎藤の策略どおり返事をしてしまった事にしまったと思った武尊だが、これはこれで斎藤を機嫌よく送り出せると武尊も仕方なく笑うのだった。
その後武尊は斎藤に北海道の様子を聞いた。
楽しそうに聞く武尊に斎藤はあれこれと教えてやった。
もっともっと話を聞いていたい、そう思うのに気が付けばもう祇園だった。
そして斎藤が立ち止まった。
「すっかり日は落ちているがここなら一人で戻れるだろう・・方向音痴のお前でもな。」
「方向音痴は余計だよ!お陰様で京都は少し分かるようになったんだから。」
一瞬二人の間に幕末初めて会った記憶がよみがえった。
そしてすぐさまその記憶を今の北風がひゅうぅぅと吹き飛ばす。
斎藤は煙草の煙を吐きながら武尊をとても慈しむ目で見る。
武尊も斎藤をじっと見つめると、斎藤はため息を吐きながら、
「名残は惜しいがそろそろ戻らないとな。ぼちぼちばれ小言が入ってる頃だろうからな。」
「小言?」
何の事だか武尊は思わず首を傾げた。
まさかこの斎藤に小言など言う人間がいるなどそうそういるとは信じられないからだ。
すると斎藤は面白そうに、
「なんせ署長の許可無しに九条を追っかけたんでな。そろそろ小言の伝言と帰隊命令が来る頃か。」
「ええっ!?」
武尊は驚き呆れ目を丸くし、その顔を見て斎藤は益々笑った。
だがその笑いがふと止まり斎藤は武尊の背後に視線をやった。
「一?」
思わず武尊も斎藤の視線につられ背後を振り向くと・・
そこには厳しい顔をした蒼紫が立っていた。