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256.タイムパラドックス (斎藤・夢主)
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認めたくない事実。
自分がこの世に生まれた意味、存在が全否定される。
自分は誰かのただのコピーに過ぎない。
クローンである自分に、いや、同じく作られた沢山の自分に人権はなかった。
明日は実験体として身体をバラバラにされたのは自分かもしれなかった。
突然元の細胞からクローンが作れなくなったことでその代用に自分から子宮も取られた。
人として生きる意味が、生まれた意味が見えない。
そしてこのままもうじき死ぬ虚しさ。
自分の存在自体が罪であり無であるという真っ黒な思いが武尊の内側を埋め尽くす。
外せない最後の枷が武尊に重く圧し掛かった。
「武尊!」
斎藤は武尊の肩を揺さぶった。
肩越しに振り返って視界に入る斎藤の姿に武尊はぼんやりと思う。
(私は本当なら存在しない物・・一だって本当だったらこんな面倒な事に関わらなくて済んだはずなんだし時尾さんに迷惑を掛けることもなく二人仲良く末永く暮らしていくはずだったのに・・。)
【私の存在は許されない】という強い言葉が頭に響く。
悲しくて悲しくて、苦しくて苦しくて。
血を吐いて胸がつぶれそうだと武尊はふらふらと立ち上がると壺に近づいた。
そして・・
武尊は次々に五つの壺を次々に蹴飛ばし始めた。
全てが一瞬の事で斎藤は止める間もなかった。
カシャーン、カシャーンと壺が壁にぶつかって割れた瞬間異臭が立ち込める。
「くっ。」
斎藤は思わず顔をしかめて鼻を覆った。
地面には黒い液体と固形物が飛び散った。
ロケットペンダントが掛けてあった壺は蹴った時、奇しくも九条が死んだ後ろの壁に当たり中から二つの目玉や歯、髪の毛、それに脳の一部だと思われる塊が黒い液体と共に九条の顔に飛び散った。
武尊はその目玉と視線が合った気がすると。
「うわあああ!」
武尊は大きな奇声をあげた。
「武尊!」
斎藤が突然狂ったような行動をする武尊を押さえた。
「武尊!」
「くっ・・」
武尊は斎藤の腕の中で暴れ歯ぎしりと嗚咽と漏らし目玉に向かって手を伸ばした。
未来へこの壺を残してはいけない、再生される細胞を残してはいけない。
すべてを土に還さないと・・
こうでもしなければ未来で自分が作られてしまう・・
(私は・・私は・・嗚呼っ・・!)
呪っている、私は私自身の存在を呪っているんだ・・。
だから枷が外せない。
どうしてもそれを打ち砕くことが出来ない。
愛しい人の腕の中で抱きしめられていても嬉しい思い出や楽しかったことより自分を呪う気持ちの方に天秤が傾くのだ。
自分がこの世に生まれた意味、存在が全否定される。
自分は誰かのただのコピーに過ぎない。
クローンである自分に、いや、同じく作られた沢山の自分に人権はなかった。
明日は実験体として身体をバラバラにされたのは自分かもしれなかった。
突然元の細胞からクローンが作れなくなったことでその代用に自分から子宮も取られた。
人として生きる意味が、生まれた意味が見えない。
そしてこのままもうじき死ぬ虚しさ。
自分の存在自体が罪であり無であるという真っ黒な思いが武尊の内側を埋め尽くす。
外せない最後の枷が武尊に重く圧し掛かった。
「武尊!」
斎藤は武尊の肩を揺さぶった。
肩越しに振り返って視界に入る斎藤の姿に武尊はぼんやりと思う。
(私は本当なら存在しない物・・一だって本当だったらこんな面倒な事に関わらなくて済んだはずなんだし時尾さんに迷惑を掛けることもなく二人仲良く末永く暮らしていくはずだったのに・・。)
【私の存在は許されない】という強い言葉が頭に響く。
悲しくて悲しくて、苦しくて苦しくて。
血を吐いて胸がつぶれそうだと武尊はふらふらと立ち上がると壺に近づいた。
そして・・
武尊は次々に五つの壺を次々に蹴飛ばし始めた。
全てが一瞬の事で斎藤は止める間もなかった。
カシャーン、カシャーンと壺が壁にぶつかって割れた瞬間異臭が立ち込める。
「くっ。」
斎藤は思わず顔をしかめて鼻を覆った。
地面には黒い液体と固形物が飛び散った。
ロケットペンダントが掛けてあった壺は蹴った時、奇しくも九条が死んだ後ろの壁に当たり中から二つの目玉や歯、髪の毛、それに脳の一部だと思われる塊が黒い液体と共に九条の顔に飛び散った。
武尊はその目玉と視線が合った気がすると。
「うわあああ!」
武尊は大きな奇声をあげた。
「武尊!」
斎藤が突然狂ったような行動をする武尊を押さえた。
「武尊!」
「くっ・・」
武尊は斎藤の腕の中で暴れ歯ぎしりと嗚咽と漏らし目玉に向かって手を伸ばした。
未来へこの壺を残してはいけない、再生される細胞を残してはいけない。
すべてを土に還さないと・・
こうでもしなければ未来で自分が作られてしまう・・
(私は・・私は・・嗚呼っ・・!)
呪っている、私は私自身の存在を呪っているんだ・・。
だから枷が外せない。
どうしてもそれを打ち砕くことが出来ない。
愛しい人の腕の中で抱きしめられていても嬉しい思い出や楽しかったことより自分を呪う気持ちの方に天秤が傾くのだ。