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255.悪党の最後 (九条・兄・斎藤・夢主)
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「いい・・手が汚れる。」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」
再度武尊は止血しようと手を伸ばすがまた市彦に払われてしまう。
「っ・・。」
武尊が唇を噛みながら涙をポロポロ零すのを見て市彦はため息を大きくついた。
「済まんな・・最後の最後にまた迷惑をかける。」
「迷惑だなんて・・。」
武尊は言葉が続かず拳をぎゅっと握りしめて俯いた。
「武尊・・。」
武尊は市彦に名前を呼ばれて顔を上げた。
「俺が死んだらこのままにしてくれ、そしてこの場所の事は忘れてくれ・・。」
市彦はそう言って目を閉じた。
「兄様?・・兄様!」
武尊は市彦の体を強く揺さぶると市彦の口が微かに動き、
「やっと蘭子とここに・眠・・・れ・る。」
と言うと動かなくなった。
「兄・・様・・。」
再会したのも束の間殆ど何も話す事なく死んだ市彦に武尊はペタンと座り込んだままその亡骸を呆然と見つめた。
斎藤は感傷に浸るまでもなく九条に向き直った。
峰打ちの痛みをこらえてそろそろ動き出す頃を見計らったかのようだった。
カツカツと靴音を立てて斎藤は九条に近づいた。
「言い残す事があれば一応聞いてやるが。」
そう言った後斎藤はゆっくりと切っ先を九条に向けた。
土の壁を背にしながら九条は目を血走らせながら噛み付くように言った。
「ええいっ、控えよ!私を誰だと思っている!」
斎藤は怪訝そうな顔をしながらも口角を上げた。
「悪党に華族も平民も関係ないだろう、この阿呆が。」
「黙れ!我こそが先の天皇の忘れ形見、、。」
刹那空気の切れる音がした後、九条の言葉が続くことはなかった。
「お前が誰であろうと我欲を満たす悪党の為に犠牲者が出るのを俺が見逃すわけがないだろうが。」
血振りされた刀がカチンと納まる音がした。
「それに話も少しは聞いてやったしな。」
斎藤は足元に飛んだ九条の首にそう言うと武尊の方を振り返った。
2017.11.21
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」
再度武尊は止血しようと手を伸ばすがまた市彦に払われてしまう。
「っ・・。」
武尊が唇を噛みながら涙をポロポロ零すのを見て市彦はため息を大きくついた。
「済まんな・・最後の最後にまた迷惑をかける。」
「迷惑だなんて・・。」
武尊は言葉が続かず拳をぎゅっと握りしめて俯いた。
「武尊・・。」
武尊は市彦に名前を呼ばれて顔を上げた。
「俺が死んだらこのままにしてくれ、そしてこの場所の事は忘れてくれ・・。」
市彦はそう言って目を閉じた。
「兄様?・・兄様!」
武尊は市彦の体を強く揺さぶると市彦の口が微かに動き、
「やっと蘭子とここに・眠・・・れ・る。」
と言うと動かなくなった。
「兄・・様・・。」
再会したのも束の間殆ど何も話す事なく死んだ市彦に武尊はペタンと座り込んだままその亡骸を呆然と見つめた。
斎藤は感傷に浸るまでもなく九条に向き直った。
峰打ちの痛みをこらえてそろそろ動き出す頃を見計らったかのようだった。
カツカツと靴音を立てて斎藤は九条に近づいた。
「言い残す事があれば一応聞いてやるが。」
そう言った後斎藤はゆっくりと切っ先を九条に向けた。
土の壁を背にしながら九条は目を血走らせながら噛み付くように言った。
「ええいっ、控えよ!私を誰だと思っている!」
斎藤は怪訝そうな顔をしながらも口角を上げた。
「悪党に華族も平民も関係ないだろう、この阿呆が。」
「黙れ!我こそが先の天皇の忘れ形見、、。」
刹那空気の切れる音がした後、九条の言葉が続くことはなかった。
「お前が誰であろうと我欲を満たす悪党の為に犠牲者が出るのを俺が見逃すわけがないだろうが。」
血振りされた刀がカチンと納まる音がした。
「それに話も少しは聞いてやったしな。」
斎藤は足元に飛んだ九条の首にそう言うと武尊の方を振り返った。
2017.11.21