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255.悪党の最後 (九条・兄・斎藤・夢主)
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斎藤が確かめたいという場所は奇しくも武尊が気になっていたあの滝の所だった。
周囲を見回すが特に何といって変わったものはないように見えたその時武尊があっ、っと声をあげた。
「一、これもしかして・・」
武尊が指さしたその先には河原に足跡と見えないこともない痕跡があった。
そして更によく見るとあちこちに草が曲がったり踏まれたりした跡があった。
「私も藪漕ぎしてこの滝のもとまで来たけどこれって本当に最近だよね。」
と、折れた枝を見ながら武尊は言った。
「そのようだな・・。」
斎藤も細い目を更に細くして周囲をもう一度見回した。
「武尊、あれを見ろ。」
何かを発見した斎藤は武尊を呼んだ。
斎藤が示したのは滝の脇の岩の所だった。
岩に生えた苔が削り取られている、そう、まるで誰かがそこを通ったかのように。
「もしかして!滝の裏に秘密の洞窟とかがあるとか?!」
武尊はアドベンチャー映画によくあるシーンを思い出した。
「その可能性はあるな。」
可能性と言いつつも斎藤の言葉はそれで決まりだと言わんばかりの言い方だった。
滝に近づこうものなら必ず濡れないと行けそうにないのが人避けになっているのだろう。
「行くしかないな。」
斎藤は独り言のようにつぶやくので武尊は、
「私も行くからね。」
と斎藤の後に続くとすぐに革靴に水が入った。
「つ・・冷た・・!」
武尊は霜月の川の水の冷たさに足が凍りそうだと思ったが斎藤の足手まといにならないようにと滑って転ばないように苔の生えた石に注意して進んだ。
思った通り滝の裏には洞窟があった。
「地図の印はこのことだったのか。」
斎藤は納得しながら水をかぶった前髪をかき上げた。
裏側からは外の様子が水の隙間から見える。
「私、外で視線を感じたんだけどもしかしてここから見られていたかもしれない・・。」
武尊がつぶやいた一言に斎藤は真っ暗な洞窟の奥見て、
「だとすると何者かがここに居る可能性が高いな・・どの道こんな所に潜んでいるムジナの正体は明かしておかなくてはいけないな。」
獲物を追い詰めるのが楽しそうな斎藤の顔に武尊はざわっと鳥肌だった。
敵側だったら絶対恐怖だと思いつつもその表情に引き付けられる。
(どうしてだろ・・一のこういう顔が一番好きかもしれない・・。)
武尊がそう思って斎藤の顔に見入っていると、
「何を呆けている、此処からは音を立てるなよ。」
「あ、うん。分かった。」
ここは滝の音で普通の会話では聞き取りにくいほどの音だがきっと奥は音が響くに違いない。
もしかしたら九条が潜んでいるかもしれないと思うと一層気を引き締めて行かなければと武尊は思った。
だが灯りはない。
二人は怪しい気配はないか注意を最大限に払いながら奥へと進んだ。
周囲を見回すが特に何といって変わったものはないように見えたその時武尊があっ、っと声をあげた。
「一、これもしかして・・」
武尊が指さしたその先には河原に足跡と見えないこともない痕跡があった。
そして更によく見るとあちこちに草が曲がったり踏まれたりした跡があった。
「私も藪漕ぎしてこの滝のもとまで来たけどこれって本当に最近だよね。」
と、折れた枝を見ながら武尊は言った。
「そのようだな・・。」
斎藤も細い目を更に細くして周囲をもう一度見回した。
「武尊、あれを見ろ。」
何かを発見した斎藤は武尊を呼んだ。
斎藤が示したのは滝の脇の岩の所だった。
岩に生えた苔が削り取られている、そう、まるで誰かがそこを通ったかのように。
「もしかして!滝の裏に秘密の洞窟とかがあるとか?!」
武尊はアドベンチャー映画によくあるシーンを思い出した。
「その可能性はあるな。」
可能性と言いつつも斎藤の言葉はそれで決まりだと言わんばかりの言い方だった。
滝に近づこうものなら必ず濡れないと行けそうにないのが人避けになっているのだろう。
「行くしかないな。」
斎藤は独り言のようにつぶやくので武尊は、
「私も行くからね。」
と斎藤の後に続くとすぐに革靴に水が入った。
「つ・・冷た・・!」
武尊は霜月の川の水の冷たさに足が凍りそうだと思ったが斎藤の足手まといにならないようにと滑って転ばないように苔の生えた石に注意して進んだ。
思った通り滝の裏には洞窟があった。
「地図の印はこのことだったのか。」
斎藤は納得しながら水をかぶった前髪をかき上げた。
裏側からは外の様子が水の隙間から見える。
「私、外で視線を感じたんだけどもしかしてここから見られていたかもしれない・・。」
武尊がつぶやいた一言に斎藤は真っ暗な洞窟の奥見て、
「だとすると何者かがここに居る可能性が高いな・・どの道こんな所に潜んでいるムジナの正体は明かしておかなくてはいけないな。」
獲物を追い詰めるのが楽しそうな斎藤の顔に武尊はざわっと鳥肌だった。
敵側だったら絶対恐怖だと思いつつもその表情に引き付けられる。
(どうしてだろ・・一のこういう顔が一番好きかもしれない・・。)
武尊がそう思って斎藤の顔に見入っていると、
「何を呆けている、此処からは音を立てるなよ。」
「あ、うん。分かった。」
ここは滝の音で普通の会話では聞き取りにくいほどの音だがきっと奥は音が響くに違いない。
もしかしたら九条が潜んでいるかもしれないと思うと一層気を引き締めて行かなければと武尊は思った。
だが灯りはない。
二人は怪しい気配はないか注意を最大限に払いながら奥へと進んだ。