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253.幕末よりの再会 (九条・夢主の兄と名乗った男・夢主・斎藤・蒼紫)
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真っ暗な洞窟の湿気た岩肌を伝い、九条は手探りで洞窟の奥へと進んだ。
やがて道は分岐点にたどり着く。
片方は今は廃寺となった境内の枯れ井戸へ。
もう片方は・・
と、九条はその奥の闇を見てゴクリとつばを呑んだ。
誰もいるはずのないその奥から異様な気配が滲み出てきているような気がし、九条は振り返らないように枯れ井戸へ続く方へ進んだ。
久しぶりに感じる恐怖という感情に走り出したい気持ちを何とか抑え歩くこと数分、九条は枯れ井戸に差し込む一筋の外の光にホッと救われた気分になった。
「日が落ちる前に逃げ切れたようだ・・くそっ、四乃森蒼紫めっ、忌々しい!」
九条は蒼紫の姿を思い出し悪態をつくと枯れ井戸を登り始めた。
この井戸はもともと逃走用目的に作られた枯れ井戸なので積んである石に手掛かりがある。
それを岩登りをするときの様に使い登ったり降りたりするのだ。
そしてここを出れば知り合いの寺院で数日滞在し、替え玉が東京に戻る頃を見計らい自分も東京へ戻ればいいと考えていた。
「もうちょっとだ・・。」
日頃肉体を使わない生活をしているので腕が痛くなってきた九条だがもう少し頑張れば・・と、遂に井戸の淵に手がかかったその時、九条の頭上に黒い影が差した。
何だと思い顔をあげた九条は、
「ひいぃぃ!」
と叫び声をあげた。
(まさかと思ったがやはりこいつだったのか・・っ!)
もしかしたらいるかもしれないと予測はしていたものの、あまりにも突然だったために九条は驚いて両手を井戸から離してしまった。
井戸の底には大きな尖った岩だ。
落ちれば無事ではすまない。
九条の体が宙に浮き、
(落ちる・・っ!)
と思った刹那、九条は時間が止まるように感じつつ反射的に助けを求め手を伸ばした。
やがて道は分岐点にたどり着く。
片方は今は廃寺となった境内の枯れ井戸へ。
もう片方は・・
と、九条はその奥の闇を見てゴクリとつばを呑んだ。
誰もいるはずのないその奥から異様な気配が滲み出てきているような気がし、九条は振り返らないように枯れ井戸へ続く方へ進んだ。
久しぶりに感じる恐怖という感情に走り出したい気持ちを何とか抑え歩くこと数分、九条は枯れ井戸に差し込む一筋の外の光にホッと救われた気分になった。
「日が落ちる前に逃げ切れたようだ・・くそっ、四乃森蒼紫めっ、忌々しい!」
九条は蒼紫の姿を思い出し悪態をつくと枯れ井戸を登り始めた。
この井戸はもともと逃走用目的に作られた枯れ井戸なので積んである石に手掛かりがある。
それを岩登りをするときの様に使い登ったり降りたりするのだ。
そしてここを出れば知り合いの寺院で数日滞在し、替え玉が東京に戻る頃を見計らい自分も東京へ戻ればいいと考えていた。
「もうちょっとだ・・。」
日頃肉体を使わない生活をしているので腕が痛くなってきた九条だがもう少し頑張れば・・と、遂に井戸の淵に手がかかったその時、九条の頭上に黒い影が差した。
何だと思い顔をあげた九条は、
「ひいぃぃ!」
と叫び声をあげた。
(まさかと思ったがやはりこいつだったのか・・っ!)
もしかしたらいるかもしれないと予測はしていたものの、あまりにも突然だったために九条は驚いて両手を井戸から離してしまった。
井戸の底には大きな尖った岩だ。
落ちれば無事ではすまない。
九条の体が宙に浮き、
(落ちる・・っ!)
と思った刹那、九条は時間が止まるように感じつつ反射的に助けを求め手を伸ばした。