※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
252.秘密の洞窟 (夢主・操・九条・斎藤)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
浅い睡眠に薄っすらと明るい障子越しの光・・
武尊が目を覚ましてまず思ったことは、
(あれ・・ここは・・)
寝すぎて寝ぼけたのかとボーっと周囲を見回すとどこかで見たような部屋。
自作のナップサックを見て武尊はようやくここが葵屋の間借りしている部屋だと気が付いた。
(なんで私はここに・・)
と、記憶を辿るとともに自分がちゃんと和服の寝間着を着ていることに『あ!』っと思ったり。
「ああ・・そうか・・。」
武尊は一旦上半身を起こしたものの、身に覚えがある【だるさ】と部屋の寒さにもう一度布団に入った。
(腰・・痛い・・だるい・・)
まさに十六夜丸になった後と同じ症状に思い出した蒼紫の青姦に思わずため息をつくと武尊は布団の中で丸くなった。
今なら分かる。何故十六夜丸になる薬を飲んだ後に腰が痛くて気だるくなる理由。
まさか十六夜丸に薬を飲むたび辱めを受けていたとは。
今更思い出したくもないそんなことより今日このだるさは十六夜丸でなく蒼紫によるもの。
(蒼紫の前であんなに喘いで・・)
思い出すだけで恥ずかしい自分の姿にもう穴があったら入りたいくらいだと思った。
今ここに蒼紫がいないのがせめてもの救いだ。
今日はどんな顔をして蒼紫を見ろというのだろう、と自己突っ込みをしながら武尊はまたため息をついた。
会津では事情が事情だったのであの情事を記憶に封印することで何とか蒼紫に対し普通を装うことが出来たのに今回はどんなリアクションをすればいいのだろう。
(蒼紫の気持ちも分からないではないけど・・ってもう外すっかり明るいじゃん!また御寝坊コースか・・あーあ。)
居候状態で寝坊とはいい身分だなと言われてそうで武尊は少しブルーになったが疲労と腰の痛さは半端でなかった。
(それにしても蒼紫に後ろから責められた後の記憶がない・・私が気を失っている間に蒼紫がここ(葵屋)に連れ戻したのだろう。)
と、推測した武尊は何を思ったか、ごそごそと自分の内股を手でまさぐりその手をにおってみた。
(あの独特の臭いもなければベタベタ感もない・身体までちゃんと拭かれてるみたいし・・。)
ありとあらゆることまで蒼紫がやったに違いないと思うと、武尊は更に脱力した。
(私・・もうすぐ死ぬのに何やってんだろ。)
残り時間が少ない少ないと言いながら何も出来てない自分。
せめて名付けた【蒼紫と操カップリング計画】を成功させなければ・・と思っていると廊下がドタドタと鳴った。
その足音は武尊の部屋の前で止まるとそーっと障子が開いた。
「武尊さん・・起きてる?」
「操ちゃん・・。」
武尊が返事をすると操はぶわっと涙を浮かべ、
「武尊さーん!」
と部屋へ飛び込んで来た。
「全然アジトから出てこないし・・阿片を刺された男の人見たいに中で死んじゃったかと思ってたー!」
武尊の横で正座をしてうぐぐと涙を袖で拭った。
ある意味昨夜は誰かの所為で死ぬかと思ったよ、などと突っ込みが一瞬頭をよぎった武尊だったが真面目に涙を浮かべている操の前では、
「ごめん・・心配かけたね。」
とバツが悪そうに答えた。
操は武尊のことを本当に心配していた。
そして武尊の前にお盆に乗せた土瓶と急須をズイっと出した。
「蒼紫様がね、今日一日これをちゃんと飲むようにって。」
「これは何?」
大体検討がつくものの確認の為操にに聞いてみた。
「御庭番衆秘伝の薬湯その五!」
「その五って・・。」
そうくるとは思わなかった武尊は視線を土瓶に移した。
「略して【そのご】ってよく言ってるけどまあ簡単に言えば滋養強壮剤みたいなものだって爺やが言ってるわ。爺やが夜遊びする前に時々飲んでるんだけどね。元気になるって爺やが言ってたから武尊さんも早く元気になってね。」
操はそう言って立ち上がった。
「後でお増さんが何か食べるものを持ってきてくれると思うわ。じゃ、私はこれで。」
どことなく操の様子がウキウキしているような感じがしたので武尊は、
「これからどこか出かけるの?」
と聞くと、
「ううん、今蒼紫様と皆で千枚漬けの作業をしてるところ。その合間を見て蒼紫様が『そろそろ武尊さんが起きるころだから薬湯を作って持っていけ』って。じゃ、早く戻って蒼紫様の手伝いをしないと!」
と言うと操は勝手場向けてピューっと消えて行った。
「千枚漬け・・か。」
武尊は懐かし気にフッと笑って天井を向いた。
(なんだ、私が心配しなくても蒼紫はちゃんと若旦那さんやってるじゃん。昨晩の事は心配するだけ無駄だったかな。)
今頃勝手場で腕まくりして千枚漬けを作っているのを想像するだけで思わずフフっと笑みがこぼれる。
(クールな御頭といえども蒼紫も男だもんね、昨晩手が出ちゃったのは男の性ってことだったってことで・・。このくらいは恩返しだと思って好きにさせてあげたってことでいいのかな。あれで蒼紫の気が済んだんだったらそれでよしとしないと・・。)
比古の元へ帰る前に散々斎藤と愛し合い、比古を裏切ったことを思えばそれに裏切りの罪が一つや二つ増えようが罪は罪。
比古が激怒して自分を殺しても仕方がないと覚悟は決めている。
(でも一言謝りたいからそれまで生きていたいな・・。)
武尊は目を閉じると比古の顔を思い出した。
(随分長い間、比古さんの顔を思い出してなかった気がする・・。ごめんね、比古さん・・もうすぐ戻るね・・。くっ!)
痛い、痛い、痛い!!
新型阿片の禁断症状が予告なしでぶり返して来た。
操が運んでくれた薬湯をひっくり返さないように部屋の隅まで転がって耐えていると、
「武尊さん、お食事ですよ。食べられそうですか。」
とお増の声。
(開けないで・・)
と武尊が願うも操から起きていると聞いたのに返事がないのでお増は少しだけ障子を開けた。
そこで部屋の隅で固まっている武尊を見つけ駆け寄った。
「武尊さん!大丈夫ですか!?」
「だいじょうぶ・・」
何とか声を出してお増に訴えた。
「早く蒼紫様に!」
と立ち上がるお増の裾を掴み、
「すぐに治まる、今は蒼紫を呼ばないで・・」
と訴えた。
お増も今蒼紫が何をしているのか見ていたので武尊の言いたいことが分かっていた。
「でも・・」
お増も蒼紫や操劇場(蒼紫と武尊がいない間にアジトで武尊が助けに来たところから蒼紫が助けに来るまでの一人劇を夕餉の時にみんなの前で披露していた)で武尊が身代わりで新型阿片を打たれたことは聞いた。そして阿片には禁断症状があるという事も蒼紫から皆に知らせがあった。
目の前でその禁断症状に苦しむ武尊を見て、何がそこまで武尊をそうさせたのかは分からなかったが武尊の気持ちは理解した。
「では他の誰かに見られないように廊下で見張っています。」
と廊下に出ると開けた障子をそっと閉めたのだった。
武尊が目を覚ましてまず思ったことは、
(あれ・・ここは・・)
寝すぎて寝ぼけたのかとボーっと周囲を見回すとどこかで見たような部屋。
自作のナップサックを見て武尊はようやくここが葵屋の間借りしている部屋だと気が付いた。
(なんで私はここに・・)
と、記憶を辿るとともに自分がちゃんと和服の寝間着を着ていることに『あ!』っと思ったり。
「ああ・・そうか・・。」
武尊は一旦上半身を起こしたものの、身に覚えがある【だるさ】と部屋の寒さにもう一度布団に入った。
(腰・・痛い・・だるい・・)
まさに十六夜丸になった後と同じ症状に思い出した蒼紫の青姦に思わずため息をつくと武尊は布団の中で丸くなった。
今なら分かる。何故十六夜丸になる薬を飲んだ後に腰が痛くて気だるくなる理由。
まさか十六夜丸に薬を飲むたび辱めを受けていたとは。
今更思い出したくもないそんなことより今日このだるさは十六夜丸でなく蒼紫によるもの。
(蒼紫の前であんなに喘いで・・)
思い出すだけで恥ずかしい自分の姿にもう穴があったら入りたいくらいだと思った。
今ここに蒼紫がいないのがせめてもの救いだ。
今日はどんな顔をして蒼紫を見ろというのだろう、と自己突っ込みをしながら武尊はまたため息をついた。
会津では事情が事情だったのであの情事を記憶に封印することで何とか蒼紫に対し普通を装うことが出来たのに今回はどんなリアクションをすればいいのだろう。
(蒼紫の気持ちも分からないではないけど・・ってもう外すっかり明るいじゃん!また御寝坊コースか・・あーあ。)
居候状態で寝坊とはいい身分だなと言われてそうで武尊は少しブルーになったが疲労と腰の痛さは半端でなかった。
(それにしても蒼紫に後ろから責められた後の記憶がない・・私が気を失っている間に蒼紫がここ(葵屋)に連れ戻したのだろう。)
と、推測した武尊は何を思ったか、ごそごそと自分の内股を手でまさぐりその手をにおってみた。
(あの独特の臭いもなければベタベタ感もない・身体までちゃんと拭かれてるみたいし・・。)
ありとあらゆることまで蒼紫がやったに違いないと思うと、武尊は更に脱力した。
(私・・もうすぐ死ぬのに何やってんだろ。)
残り時間が少ない少ないと言いながら何も出来てない自分。
せめて名付けた【蒼紫と操カップリング計画】を成功させなければ・・と思っていると廊下がドタドタと鳴った。
その足音は武尊の部屋の前で止まるとそーっと障子が開いた。
「武尊さん・・起きてる?」
「操ちゃん・・。」
武尊が返事をすると操はぶわっと涙を浮かべ、
「武尊さーん!」
と部屋へ飛び込んで来た。
「全然アジトから出てこないし・・阿片を刺された男の人見たいに中で死んじゃったかと思ってたー!」
武尊の横で正座をしてうぐぐと涙を袖で拭った。
ある意味昨夜は誰かの所為で死ぬかと思ったよ、などと突っ込みが一瞬頭をよぎった武尊だったが真面目に涙を浮かべている操の前では、
「ごめん・・心配かけたね。」
とバツが悪そうに答えた。
操は武尊のことを本当に心配していた。
そして武尊の前にお盆に乗せた土瓶と急須をズイっと出した。
「蒼紫様がね、今日一日これをちゃんと飲むようにって。」
「これは何?」
大体検討がつくものの確認の為操にに聞いてみた。
「御庭番衆秘伝の薬湯その五!」
「その五って・・。」
そうくるとは思わなかった武尊は視線を土瓶に移した。
「略して【そのご】ってよく言ってるけどまあ簡単に言えば滋養強壮剤みたいなものだって爺やが言ってるわ。爺やが夜遊びする前に時々飲んでるんだけどね。元気になるって爺やが言ってたから武尊さんも早く元気になってね。」
操はそう言って立ち上がった。
「後でお増さんが何か食べるものを持ってきてくれると思うわ。じゃ、私はこれで。」
どことなく操の様子がウキウキしているような感じがしたので武尊は、
「これからどこか出かけるの?」
と聞くと、
「ううん、今蒼紫様と皆で千枚漬けの作業をしてるところ。その合間を見て蒼紫様が『そろそろ武尊さんが起きるころだから薬湯を作って持っていけ』って。じゃ、早く戻って蒼紫様の手伝いをしないと!」
と言うと操は勝手場向けてピューっと消えて行った。
「千枚漬け・・か。」
武尊は懐かし気にフッと笑って天井を向いた。
(なんだ、私が心配しなくても蒼紫はちゃんと若旦那さんやってるじゃん。昨晩の事は心配するだけ無駄だったかな。)
今頃勝手場で腕まくりして千枚漬けを作っているのを想像するだけで思わずフフっと笑みがこぼれる。
(クールな御頭といえども蒼紫も男だもんね、昨晩手が出ちゃったのは男の性ってことだったってことで・・。このくらいは恩返しだと思って好きにさせてあげたってことでいいのかな。あれで蒼紫の気が済んだんだったらそれでよしとしないと・・。)
比古の元へ帰る前に散々斎藤と愛し合い、比古を裏切ったことを思えばそれに裏切りの罪が一つや二つ増えようが罪は罪。
比古が激怒して自分を殺しても仕方がないと覚悟は決めている。
(でも一言謝りたいからそれまで生きていたいな・・。)
武尊は目を閉じると比古の顔を思い出した。
(随分長い間、比古さんの顔を思い出してなかった気がする・・。ごめんね、比古さん・・もうすぐ戻るね・・。くっ!)
痛い、痛い、痛い!!
新型阿片の禁断症状が予告なしでぶり返して来た。
操が運んでくれた薬湯をひっくり返さないように部屋の隅まで転がって耐えていると、
「武尊さん、お食事ですよ。食べられそうですか。」
とお増の声。
(開けないで・・)
と武尊が願うも操から起きていると聞いたのに返事がないのでお増は少しだけ障子を開けた。
そこで部屋の隅で固まっている武尊を見つけ駆け寄った。
「武尊さん!大丈夫ですか!?」
「だいじょうぶ・・」
何とか声を出してお増に訴えた。
「早く蒼紫様に!」
と立ち上がるお増の裾を掴み、
「すぐに治まる、今は蒼紫を呼ばないで・・」
と訴えた。
お増も今蒼紫が何をしているのか見ていたので武尊の言いたいことが分かっていた。
「でも・・」
お増も蒼紫や操劇場(蒼紫と武尊がいない間にアジトで武尊が助けに来たところから蒼紫が助けに来るまでの一人劇を夕餉の時にみんなの前で披露していた)で武尊が身代わりで新型阿片を打たれたことは聞いた。そして阿片には禁断症状があるという事も蒼紫から皆に知らせがあった。
目の前でその禁断症状に苦しむ武尊を見て、何がそこまで武尊をそうさせたのかは分からなかったが武尊の気持ちは理解した。
「では他の誰かに見られないように廊下で見張っています。」
と廊下に出ると開けた障子をそっと閉めたのだった。