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250.砂時計の砂のごとく (蒼紫・夢主)
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蒼紫は武尊を見つつ座禅を組んだ。
そして考えた。
武尊が過去誰かの意図により薬を飲んだ時、以前の診療所で見た様に十六夜丸に犯されるというのが決まりだというのなら、何故今回はそれがないのか。
自分で飲んで最強になれるのであれば何故今までそうしなかったのか。
(不自然だ・・。)
十六夜丸の存在自体が現実主義の蒼紫にとっては信じられない話だが、それを事実だと認めるにしても今回の武尊の状態は納得がいかないのだ。
(新型阿片の所為なのか?)
現実主義の蒼紫にも予感というものがある。
今はただ静かに眠る目の前の愛しい女が消えてなくなる・・。小さな予感だが胸の内がざわざわとする。
(させぬ、その元凶が九条というならば俺は九条を外法の使い手として始末する。)
そう誓う蒼紫だった。
明け方、武尊が目を覚ますと二人は葵屋へ戻ることにした。
歩きながら武尊は蒼紫に聞いた。
「どうして斎藤さんがアジトに居たんだろ?」
「それは俺が斎藤に武尊の伝言を伝えたからかもしれないな。アジトが九条絡みというのであれば早めに自分の足で確かめたかったんだろう。しかしいつから斎藤は九条に目をつけていたんだ・・。」
と、答えるも蒼紫にも斎藤の本当の目的は知らない。
(政府の役職のある人間によく取り調べの許可が下りたな・・)
と、その辺は大いに疑問をもつ蒼紫だった。
武尊は蒼紫の言葉に斎藤との船での再会を思い出していた。
(確かマル秘の任務だって言ってたような・・それが九条のことだった可能性はある。だとすればまさかのターゲットの一致ってこと!?)
斎藤がいったい何の為に九条を追っているのか、武尊にもその理由は分からない。
しかし今回アジトで九条を見つけられなかったとしても、その手下を何人か捕らえたというのであれば九条と観柳、そして阿片の関係も斎藤なら明らかに出来ると武尊は考えた。
(一ならきっと解明してくれる・・。)
武尊は九条の事は斎藤に任せ、迫りつつある自分の終末を考えた。
武尊の横で蒼紫が話を続けた。
「裏口から侵入した斎藤がまず見つけたのは武尊のコートだったという。その脇に見た事のある薬包と血の痕跡があったそうだ。阿片の毒で死ぬより十六夜丸に身を任せた方がま何とかなると思ったか・・奴には治癒能力もあるからな。」
武尊は十六夜丸の事に詳しい蒼紫に驚いた。
いったい何時どうやってその事を、と聞くと蒼紫は、
「斎藤とかなり情報交換をしたからな。だが十六夜丸の話は葵屋の誰にも聞かれぬよう気を付けなければ・・。特に操にはな。待てよ・・」
と、言ったまま黙り込んだ。