※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
249.記憶の洪水 (十六夜丸、夢主、過去の九条、蒼紫)
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(一体誰なんだこの人は!)
武尊は自分によく似た女を見て思った。
だが武尊に比べて痩せて血色の悪い顔。
見るからに不健康なこの女の先は短いのだと武尊にも感じられるほどだった。
女は祠の中にある御神体・・つまり十六夜丸の宿っている岩に向かって一心不乱に祈り始めた。
そして最後に声に出して願いを掛けた。
「神様、仏様、後世で私と同じ顔、同じ声を持つものが生まれたら私が死んだ後兄様に会わせてください!兄様が私を忘れないようにしてください!」
今まで岩を通してじっとこの女を見ていた十六夜丸だったがハタと思いついたように女に声をかけたのだ。
「俺は仏ではないが、そこまでのお前の願い、叶えてやれないこともない。何を貢ぐ?」
その声は何か含みごとをしている声だった。
女は十六夜丸の思惑など知ることなく、自分の望みが叶うのならと不審な声に驚くことなく声の主を祠の神様だと思った。
いや、神でなくても蛇でも鬼でも望みが叶うのなら何でもよかったのだ。
「私の命ではいかがでございましょうか?」
「もうすぐ死ぬ人間の命などいらぬ。」
十六夜丸も分かっているんだ、と変に納得しながらも武尊はこのシーンを固唾を呑んで見守った。
女は自分が持っている最良のものだと思う物を拒否され落胆したが諦める訳にはいかなかった。
思い返せば不運な人生だったと思うと人生最後の願いぐらいは叶えたい。
女は引き下がらなかった。
「では何をご所望でしょうか?」
十六夜丸はこの女がどんな女か見極めたかった。
そして自分が予感した通り人の道を外すような女であれば・・と、女を試した。
「人は自分に似ているという人間が三人はいるそうだ。若し俺がお前と似た女を見つけたならば俺はその女をお前の代わりに頂くが良いか。」
女は十六夜丸の提案に驚いて目を見開いた。
だがゆっくりと首を縦に振った。
十六夜丸は決まりだと言わんばかりに心の中で舌なめずりをした。
穢れた魂の持ち主の言霊は穢れた自分とよく響き合う。
それに十六夜丸は影に隠れている安西にも気が付いていて安西から自分の刀、すなわち大包平の気配がプンプンすることから安西のよからぬ企みにも気が付いていた。
・・きっと自分の企みは上手くいく。
十六夜丸も再びこの世に出る為の千載一遇の機会を逃すわけにはいかなかった。
「お前が似ているというだけで他人の人生を自分の都合で踏みにじれるのであれば俺はその女の生気が欲しい。俺が犯しそいつが快感に狂うその快楽の気が俺の糧となる。それでも願うか。」
「私の願いはもう申しております。」
「地獄に落ちるぞ。」
「かまいません。」
(決まった、この女は贄だ・・。)
女の返事に十六夜丸の口元が喜びで歪んだ。
渾身の力を使って自分の声を女と安西に聞かせた十六夜丸は女が喜びで浮足だって帰った後自分が聞いた声が空耳か気のせいではないかと唖然と祠に近寄ってきた安西の耳に、
「・・あの女で薬を作れ。俺が古文書にあった古き神だ。お前の欲望叶えてみよ。」
と囁いた。
武尊は自分によく似た女を見て思った。
だが武尊に比べて痩せて血色の悪い顔。
見るからに不健康なこの女の先は短いのだと武尊にも感じられるほどだった。
女は祠の中にある御神体・・つまり十六夜丸の宿っている岩に向かって一心不乱に祈り始めた。
そして最後に声に出して願いを掛けた。
「神様、仏様、後世で私と同じ顔、同じ声を持つものが生まれたら私が死んだ後兄様に会わせてください!兄様が私を忘れないようにしてください!」
今まで岩を通してじっとこの女を見ていた十六夜丸だったがハタと思いついたように女に声をかけたのだ。
「俺は仏ではないが、そこまでのお前の願い、叶えてやれないこともない。何を貢ぐ?」
その声は何か含みごとをしている声だった。
女は十六夜丸の思惑など知ることなく、自分の望みが叶うのならと不審な声に驚くことなく声の主を祠の神様だと思った。
いや、神でなくても蛇でも鬼でも望みが叶うのなら何でもよかったのだ。
「私の命ではいかがでございましょうか?」
「もうすぐ死ぬ人間の命などいらぬ。」
十六夜丸も分かっているんだ、と変に納得しながらも武尊はこのシーンを固唾を呑んで見守った。
女は自分が持っている最良のものだと思う物を拒否され落胆したが諦める訳にはいかなかった。
思い返せば不運な人生だったと思うと人生最後の願いぐらいは叶えたい。
女は引き下がらなかった。
「では何をご所望でしょうか?」
十六夜丸はこの女がどんな女か見極めたかった。
そして自分が予感した通り人の道を外すような女であれば・・と、女を試した。
「人は自分に似ているという人間が三人はいるそうだ。若し俺がお前と似た女を見つけたならば俺はその女をお前の代わりに頂くが良いか。」
女は十六夜丸の提案に驚いて目を見開いた。
だがゆっくりと首を縦に振った。
十六夜丸は決まりだと言わんばかりに心の中で舌なめずりをした。
穢れた魂の持ち主の言霊は穢れた自分とよく響き合う。
それに十六夜丸は影に隠れている安西にも気が付いていて安西から自分の刀、すなわち大包平の気配がプンプンすることから安西のよからぬ企みにも気が付いていた。
・・きっと自分の企みは上手くいく。
十六夜丸も再びこの世に出る為の千載一遇の機会を逃すわけにはいかなかった。
「お前が似ているというだけで他人の人生を自分の都合で踏みにじれるのであれば俺はその女の生気が欲しい。俺が犯しそいつが快感に狂うその快楽の気が俺の糧となる。それでも願うか。」
「私の願いはもう申しております。」
「地獄に落ちるぞ。」
「かまいません。」
(決まった、この女は贄だ・・。)
女の返事に十六夜丸の口元が喜びで歪んだ。
渾身の力を使って自分の声を女と安西に聞かせた十六夜丸は女が喜びで浮足だって帰った後自分が聞いた声が空耳か気のせいではないかと唖然と祠に近寄ってきた安西の耳に、
「・・あの女で薬を作れ。俺が古文書にあった古き神だ。お前の欲望叶えてみよ。」
と囁いた。