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246.共鳴・愛の絆 (蒼紫・斎藤・夢主・十六夜丸)
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リ・・・ン・・
最初は途切れるほど微かな金属製の音が直にチリーン、チリーンと何度か斎藤の聴覚に響いた。
何処から音がするのかと斎藤が視覚に意識を向けたところ、あろうべきはずもない現実に斎藤は目を見張った。
辺り一面暗闇に包まれた世界。
今居たはずの御堂どころかすべてが消えている。
時折聞こえる間隔を置いた鈴の音以外には音もない
一体何が起きたのか一瞬斎藤には理解出来なかったがすぐにある考えが浮かんだ。
有り得ない現実。
人が信じようが信じまいがこんなことが起こる原因に心当たりは一つしかない。
「十六夜丸め・・何を企んでいる。」
斎藤はじっとしているのも何だととりあえず何もない闇を進むことにした。
一寸先どころか何も見えない真の暗闇。
歩いていても本当に歩いているのかもだんだん分からなくなる。
そんな時斎藤は前方に何かがある気配を感じた。
気配は数歩近づくとはっきりと視覚として認識出来た。
「武尊。」
斎藤は自分の前を歩く武尊に呼びかけた。
武尊はゆっくりと振り返った。
その姿は幕末に着ていた時と同じ格好に美しく装飾された太刀を持っていた。
刀には何かとうるさい斎藤はそれが古き時代の物でかなり高価なものだとちょっと気がそれたたがすぐに武尊に視線を戻した。
そしてハッと警戒した。
眼が・・緋色なのだ。
「武尊・・か?。」
斎藤の呼びかけに武尊は黙っていた。
即座に斎藤の手が刀に掛かった。
沈黙
時間の感覚が分からない。
すぐだったのか暫くだったのか。
動いたのは武尊の方だった。
無表情で斎藤を見つめていた顔がニヤリと動いたのだ。
「狼・・しばらくぶりだな。この間は武尊の肉体があんな状態で話す間もなかったからな。」
ここは武尊に取り付いている十六夜丸の精神世界。
その世界に自分と武尊以外の者が入って来ることなど有り得ないこと。
それ故十六夜丸は焦って武尊の相手など放りなげて斎藤の方へ向かったのだ。
これも先ほど武尊が自分を掴んだことと何か関係があるのかと十六夜丸は考えながら斎藤の前に姿を現したのだった。
相手はただの人間。
されど斎藤が変に勘の良い人間だという事は十六夜丸も知っている。
十六夜丸は出来るだけ冷静さを取り繕って斎藤に対峙した。
斎藤も相手が十六夜丸だと分かると眼に殺気が自然と帯びる。
「生憎だな。俺はお前と話したいなどとはこれっぽっちも思ってないんだがな。」
出たか十六夜丸とばかりに腹に力を入れて十六夜丸と対面した。
十六夜丸とはこの間会ったばかりだが武尊が瀕死の状況で確かに話している場合ではなかったと斎藤はその時の状況を思い出していた。
「それは此方も同じだ。勝手に俺の中へ入って来やがって。」
「この底なしの闇がお前だと?お前の腹黒さと同じじゃないか。」
腹黒いと言われ十六夜丸はムッとしたようだった。
「たかが人間のお前に何が分かる・・だが、そうだな。折角こうして会えたんだ。俺達も幕末の決着をつけるか?抜刀斉には振られたようだからな。」
十六夜丸はそう言うとククククと笑った。
「何故その事を知っている。」
斎藤は疑念を持って十六夜丸に問うた。
「・・馬鹿だねお前は。いや、何も知らないお前には分かるはずもないか。幾分俺の事を知ったようだが所詮その程度。」
十六夜丸は鼻で笑うように斎藤に答えた。
斎藤はずっと十六夜丸を注視していたが十六夜丸に起こって来たある変化に目が釘付けになった。
十六夜丸の髪の色が変化し、長さも長くなってきたのだ。
「お前・・その髪・・。」
思わず斎藤がつぶやいたその言葉に十六夜丸が軽笑した。
「おっと、ついお前を本気で殺そうと思ってしまったから幻術が少し解けてしまったようだ・・クク・・待ってな血反吐を吐かせて殺してあげるよ。」
生臭い十六夜丸の言葉を聞きながらも斎藤の脳裏を一瞬かすめたのは十六夜丸の髪の色がある色に似ていたこと。
(月・・先ほどの月の光の色だ・・)
十六夜丸の髪の色は何度も見て来た闇夜を照らす優しく淡い月の光・・。
何故そんなことを思ってしまったのか斎藤自身も分からない。
そこに十六夜丸が上から目線で言った。
「冥土の土産に先ほどの質問に答えてやろう。何故お前が抜刀斉との決着に失敗したかを知っているかという事だが俺はこうしていつも武尊と共に居る。武尊が見たもの聞いたものは全部俺の見たもの聞いたものだ。むろんお前が武尊にした獣じみた厭らしい行いもすべてな!」
「・・・。」
なるほど、そういうことかと思いつつ斎藤は十六夜丸の言葉の最後に十六夜丸のある感情が混じっていることに気が付いた。
それは斎藤に対する軽蔑でも避難でもなく・・
もっとその感情を分析したかった斎藤だが今はそんな時間がないことを悟った。
十六夜丸が刀を抜き始めたからだ。
「狼・・少しは楽しませてくれるんだろうな。俺の世界で消えそうな影のようなお前の刀で果たして俺がやれるのか?・・ハハッ、心配すんな、少しは遊んでやるよ武尊の身体を玩具にしてくれた礼ぐらいはしないとな!」
「玩具だと?フッ、お前が人ではない事ぐらいは分かっていたが俺の武尊への愛が玩具だという程度なら偉そうな御託を並べたとしても所詮お前は餓鬼以下にすぎん。」
斎藤はそう言うと迷いなく牙突の構えをとった。
最初は途切れるほど微かな金属製の音が直にチリーン、チリーンと何度か斎藤の聴覚に響いた。
何処から音がするのかと斎藤が視覚に意識を向けたところ、あろうべきはずもない現実に斎藤は目を見張った。
辺り一面暗闇に包まれた世界。
今居たはずの御堂どころかすべてが消えている。
時折聞こえる間隔を置いた鈴の音以外には音もない
一体何が起きたのか一瞬斎藤には理解出来なかったがすぐにある考えが浮かんだ。
有り得ない現実。
人が信じようが信じまいがこんなことが起こる原因に心当たりは一つしかない。
「十六夜丸め・・何を企んでいる。」
斎藤はじっとしているのも何だととりあえず何もない闇を進むことにした。
一寸先どころか何も見えない真の暗闇。
歩いていても本当に歩いているのかもだんだん分からなくなる。
そんな時斎藤は前方に何かがある気配を感じた。
気配は数歩近づくとはっきりと視覚として認識出来た。
「武尊。」
斎藤は自分の前を歩く武尊に呼びかけた。
武尊はゆっくりと振り返った。
その姿は幕末に着ていた時と同じ格好に美しく装飾された太刀を持っていた。
刀には何かとうるさい斎藤はそれが古き時代の物でかなり高価なものだとちょっと気がそれたたがすぐに武尊に視線を戻した。
そしてハッと警戒した。
眼が・・緋色なのだ。
「武尊・・か?。」
斎藤の呼びかけに武尊は黙っていた。
即座に斎藤の手が刀に掛かった。
沈黙
時間の感覚が分からない。
すぐだったのか暫くだったのか。
動いたのは武尊の方だった。
無表情で斎藤を見つめていた顔がニヤリと動いたのだ。
「狼・・しばらくぶりだな。この間は武尊の肉体があんな状態で話す間もなかったからな。」
ここは武尊に取り付いている十六夜丸の精神世界。
その世界に自分と武尊以外の者が入って来ることなど有り得ないこと。
それ故十六夜丸は焦って武尊の相手など放りなげて斎藤の方へ向かったのだ。
これも先ほど武尊が自分を掴んだことと何か関係があるのかと十六夜丸は考えながら斎藤の前に姿を現したのだった。
相手はただの人間。
されど斎藤が変に勘の良い人間だという事は十六夜丸も知っている。
十六夜丸は出来るだけ冷静さを取り繕って斎藤に対峙した。
斎藤も相手が十六夜丸だと分かると眼に殺気が自然と帯びる。
「生憎だな。俺はお前と話したいなどとはこれっぽっちも思ってないんだがな。」
出たか十六夜丸とばかりに腹に力を入れて十六夜丸と対面した。
十六夜丸とはこの間会ったばかりだが武尊が瀕死の状況で確かに話している場合ではなかったと斎藤はその時の状況を思い出していた。
「それは此方も同じだ。勝手に俺の中へ入って来やがって。」
「この底なしの闇がお前だと?お前の腹黒さと同じじゃないか。」
腹黒いと言われ十六夜丸はムッとしたようだった。
「たかが人間のお前に何が分かる・・だが、そうだな。折角こうして会えたんだ。俺達も幕末の決着をつけるか?抜刀斉には振られたようだからな。」
十六夜丸はそう言うとククククと笑った。
「何故その事を知っている。」
斎藤は疑念を持って十六夜丸に問うた。
「・・馬鹿だねお前は。いや、何も知らないお前には分かるはずもないか。幾分俺の事を知ったようだが所詮その程度。」
十六夜丸は鼻で笑うように斎藤に答えた。
斎藤はずっと十六夜丸を注視していたが十六夜丸に起こって来たある変化に目が釘付けになった。
十六夜丸の髪の色が変化し、長さも長くなってきたのだ。
「お前・・その髪・・。」
思わず斎藤がつぶやいたその言葉に十六夜丸が軽笑した。
「おっと、ついお前を本気で殺そうと思ってしまったから幻術が少し解けてしまったようだ・・クク・・待ってな血反吐を吐かせて殺してあげるよ。」
生臭い十六夜丸の言葉を聞きながらも斎藤の脳裏を一瞬かすめたのは十六夜丸の髪の色がある色に似ていたこと。
(月・・先ほどの月の光の色だ・・)
十六夜丸の髪の色は何度も見て来た闇夜を照らす優しく淡い月の光・・。
何故そんなことを思ってしまったのか斎藤自身も分からない。
そこに十六夜丸が上から目線で言った。
「冥土の土産に先ほどの質問に答えてやろう。何故お前が抜刀斉との決着に失敗したかを知っているかという事だが俺はこうしていつも武尊と共に居る。武尊が見たもの聞いたものは全部俺の見たもの聞いたものだ。むろんお前が武尊にした獣じみた厭らしい行いもすべてな!」
「・・・。」
なるほど、そういうことかと思いつつ斎藤は十六夜丸の言葉の最後に十六夜丸のある感情が混じっていることに気が付いた。
それは斎藤に対する軽蔑でも避難でもなく・・
もっとその感情を分析したかった斎藤だが今はそんな時間がないことを悟った。
十六夜丸が刀を抜き始めたからだ。
「狼・・少しは楽しませてくれるんだろうな。俺の世界で消えそうな影のようなお前の刀で果たして俺がやれるのか?・・ハハッ、心配すんな、少しは遊んでやるよ武尊の身体を玩具にしてくれた礼ぐらいはしないとな!」
「玩具だと?フッ、お前が人ではない事ぐらいは分かっていたが俺の武尊への愛が玩具だという程度なら偉そうな御託を並べたとしても所詮お前は餓鬼以下にすぎん。」
斎藤はそう言うと迷いなく牙突の構えをとった。