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246.共鳴・愛の絆 (蒼紫・斎藤・夢主・十六夜丸)
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「何とか使えそうなものを持ってきた。」
と、蒼紫は布団を一組抱えながら戻って来た。
蒼紫が淡々と布団を敷くと斎藤はそこに武尊を寝かせた。
斎藤は武尊の顔を見つめたまま、
「武尊が目を覚ますのは明日の酉の刻(夕方六時)だったな。」
と、蒼紫に言った。
「嗚呼・・。」
蒼紫の返事の後に暫く沈黙が流れた。
武尊がこの状態でどうすればいいのかを各々が考えていた。
斎藤は逃げた観柳の部下を捕らえる為に部下に指示をしなければならないし、蒼紫も葵屋へ戻り武尊の為の食糧や翁と話をしなければいけないと思っていた。
だが武尊を一人残していくわけにはいかぬと思うのは斎藤も蒼紫も同じ。
「斎藤、俺は一旦葵屋へ戻り武尊の食事を持ってくる。それまで武尊に付いてやってもらってもいいか。」
本当であればずっと自分が傍に居てやりたいがそうもいかないことぐらい冷静になれば分かる事だと蒼紫は自分に言い聞かせた。
願ってもない蒼紫の言葉に斎藤は、
「今俺は武尊に構っているほど暇ではないがお前がそういうなら多少は武尊の傍に居てやるさ。」
と言った。
斎藤だって本当でばずっと武尊の傍にいてやりたい。
だが何の為にここまで九条を追って来たのかを思えばそうもいかない。
影宮が九条である事が判明した以上、新政府を脅かす可能性がある九条はここで潰さなければ取返しがつかない事になると斎藤は危惧した。
影宮が十六夜丸の存在を知っており武尊を手に入れようとしていることが蒼紫の話により明らかになったのなら尚更のことだと斎藤は思った。
抜刀斉もなかなか融通が利かない嫌な剣客だったが十六夜丸も相手にすると同じくらい面倒くさいと斎藤は十六夜丸を思い出す。
そして更に思い出したのが母成峠から若松城へ引き上げる時の十六夜丸の力。
新政府軍の部隊を狙ったように落ちた雷。
あの日は雷が鳴るような天気ではなかったのに自分達を援護するかのように敵の進撃を食い止めた雷が斎藤は十六夜丸がやったような気がしてならないのだ。
もし、武尊が九条に操られ十六夜丸になった時にあんな力を使われたらこちらは手も足も出ない、被害は甚大だと斎藤は武尊の顔を見つめた。
(分かってくれるな、武尊。)
武尊な武尊の寝顔。
愛おしくてたまらない。
ずっと傍にいてやりたいとも思う。
(お前を置いていくのは張の時と同じだな。だが心配するな、俺が九条を殺る。)
斎藤と武尊をずっと見ていた蒼紫はスッと顔を二人から背けた。
あの斎藤が、と、武尊に対しそんな目で見つめることが蒼紫をやるせない気持ちでいっぱいにさせた。
蒼紫は胸をチクチクと刺されているような気持ちを抑え、
「・・なるべく早く戻るつもりだ。」
と振り絞るような声を出すとその場から消えた。
と、蒼紫は布団を一組抱えながら戻って来た。
蒼紫が淡々と布団を敷くと斎藤はそこに武尊を寝かせた。
斎藤は武尊の顔を見つめたまま、
「武尊が目を覚ますのは明日の酉の刻(夕方六時)だったな。」
と、蒼紫に言った。
「嗚呼・・。」
蒼紫の返事の後に暫く沈黙が流れた。
武尊がこの状態でどうすればいいのかを各々が考えていた。
斎藤は逃げた観柳の部下を捕らえる為に部下に指示をしなければならないし、蒼紫も葵屋へ戻り武尊の為の食糧や翁と話をしなければいけないと思っていた。
だが武尊を一人残していくわけにはいかぬと思うのは斎藤も蒼紫も同じ。
「斎藤、俺は一旦葵屋へ戻り武尊の食事を持ってくる。それまで武尊に付いてやってもらってもいいか。」
本当であればずっと自分が傍に居てやりたいがそうもいかないことぐらい冷静になれば分かる事だと蒼紫は自分に言い聞かせた。
願ってもない蒼紫の言葉に斎藤は、
「今俺は武尊に構っているほど暇ではないがお前がそういうなら多少は武尊の傍に居てやるさ。」
と言った。
斎藤だって本当でばずっと武尊の傍にいてやりたい。
だが何の為にここまで九条を追って来たのかを思えばそうもいかない。
影宮が九条である事が判明した以上、新政府を脅かす可能性がある九条はここで潰さなければ取返しがつかない事になると斎藤は危惧した。
影宮が十六夜丸の存在を知っており武尊を手に入れようとしていることが蒼紫の話により明らかになったのなら尚更のことだと斎藤は思った。
抜刀斉もなかなか融通が利かない嫌な剣客だったが十六夜丸も相手にすると同じくらい面倒くさいと斎藤は十六夜丸を思い出す。
そして更に思い出したのが母成峠から若松城へ引き上げる時の十六夜丸の力。
新政府軍の部隊を狙ったように落ちた雷。
あの日は雷が鳴るような天気ではなかったのに自分達を援護するかのように敵の進撃を食い止めた雷が斎藤は十六夜丸がやったような気がしてならないのだ。
もし、武尊が九条に操られ十六夜丸になった時にあんな力を使われたらこちらは手も足も出ない、被害は甚大だと斎藤は武尊の顔を見つめた。
(分かってくれるな、武尊。)
武尊な武尊の寝顔。
愛おしくてたまらない。
ずっと傍にいてやりたいとも思う。
(お前を置いていくのは張の時と同じだな。だが心配するな、俺が九条を殺る。)
斎藤と武尊をずっと見ていた蒼紫はスッと顔を二人から背けた。
あの斎藤が、と、武尊に対しそんな目で見つめることが蒼紫をやるせない気持ちでいっぱいにさせた。
蒼紫は胸をチクチクと刺されているような気持ちを抑え、
「・・なるべく早く戻るつもりだ。」
と振り絞るような声を出すとその場から消えた。