ハァハァハァ・・




息苦しさに武尊は目を覚ました。




真っ暗な闇が続く何もない世界。


身体を起こすと目眩や冷や汗、動機が苦しく、ぐっと胸を押さえながら武尊はここがいつも来る精神世界だと自覚する。



「また何でここに・・確か自分は志々雄のアジトで・・」



と段々直近の記憶を思い出してきた。



「そうだ、一は？」



ハッと辺りを見回してしまった後、



「ここにいるわけないよね・・。」



とぼそっと呟いた。



「ああ・・でも本当、身体の調子がおかしい！」



自律神経の暴走というか何もかもが不調和な体調に武尊は気持ち悪さでいっぱいだった。



「これが新型阿片蜘蛛の巣の効果？・・だとしたらきっととんでもないことになる・・こんなものが社会に出回ってしまったら・・」



かなり薄目に希釈されていたとはいえ、かなりヤバイ薬にはまちがいない。斎藤に言って何とかしてもらわなくてはと思っていると、その後に斎藤と蒼紫を見たような気がした・・と朧気に記憶がよみがえってきた。



「何で蒼紫がいたのかな？ってことはあれは夢だったのかな？あ・・でも・・。」



今はそうでもないが確かあの時は自分のオーラが抑えきれなくて、その後の事は覚えてないと武尊は思ったのだった。


そして今この暗闇の中でオーラを出してみる。


不安定ながらも一定量を保つオーラが武尊には確認できた。



「何だろ・・全体的に量が増えてる気がする。それに・・。」



と武尊はまたオーラで銃を作り闇に向かって一発ぶっ飛ばした。



「全然平気・・今まではこんなにたくさんのオーラを放出したら速攻ぶっ倒れるはずなのに。まあ、ここが現実世界じゃないからそうなのかもしれないけど・・。」



と思いつつも、



「一は大丈夫だろうか・・早く逃げないと火の手が回る・・。」



と武尊は斎藤の身を心配した。



「それにしても私がここに居るってことは十六夜丸にも会う可能性があるってことね・・。」



と、武尊は何処までも続く暗闇を見上げた。