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245.契約違反 (斎藤・蒼紫・夢主・十六夜丸)
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強い揺れ。
足元が浮くぐらいに地面がうねり、斎藤も蒼紫も危うく足をすくわれそうだった。
その時衝撃に耐えられなかった小屋がバキバキと音をたて倒壊した。
「「武尊!」」
斎藤と蒼紫が同時に武尊の身を案じ叫んだ。
揺れはすぐに収まり、二人は小屋へ駆け寄り武尊を救け出そうと萱や柱を取り除き続けた。
小屋の中心部で武尊は倒れた柱の隙間に気を失って倒れており奇跡的にも無傷だった。
「とりあえず無事だったか。」
と、冷汗を拭きながら斎藤は言った。
蒼紫も同感だった。
だが疑問はある。
「今のは十六夜丸がやったということか?命令しなければ十六夜丸は何も出来ないのではないのか・・一体どうなっている。」
蒼紫も斎藤も今までとは違うセオリーに戸惑った。
「阿片の所為かもな。」
そう言った斎藤の言葉に一理あると思ったが今はそれより武尊を休ませる場所の確保だった。
もし今のが十六夜丸の力の暴走によるものならば次はもっと大きい揺れが起こる可能性がある。
尚更街中には連れていけぬと思った蒼紫はしかたなく此処から一番近い別の場所へと武尊を連れて行くことにした。
あまり気が進まなかった蒼紫だったが仕方がなく、
「・・もう一つ俺達(御庭番衆)が使っていた場所がある。少し遠いがそちらへ行こう。此処より暖が取れる。」
と言った。
着いた場所は塀に囲まれた小さな廃寺だった。
「昔一部の者が修行に使っていた所だ。」
そう言って蒼紫が斎藤と武尊を連れて行ったのは中央に護摩を焚いていたと思われる御堂だった。
蒼紫はまるで何処に何があるのか知っているかのように迷うことなく薪が置いてある場所に向かいそれを数本取ると火を付けた。
暗がりに室内の様子が浮かび上がる。
「これが修行とは悪趣味だな。」
蒼紫は斎藤の一言がまるで耳に入らなかったかのように、
「・・宿坊の方に布団があったはずだ。使える代物か分からんがみてこよう。」
と言った。
「宿坊があるならそっちの方がいいんじゃないか。」
「この寺は古すぎてな、向こうは天井が腐って空が見えるうえに床は抜け落ちている、ここの方がましだ。」
蒼紫は斎藤の切り替えしにそう答えると御堂を出て行った。
斎藤は再度首をぐるりと動かし御堂の内部を様々と見るとフンと鼻を鳴らした。
「『昔使っていた』・・か。よく言うな。」
斎藤がぐるっと見回した天井の梁には人がつりさげられてもびくともしないような鈎や鎖、滑車が取り付けられている。
そして所々どす黒く汚れた壁には幾つもの縄が輪が掛けられていた。
だがもっと斎藤の目を引いたのは隅に置かれた三角木馬だった。
斎藤は此処が何に使われていた所なのか即座に察知した。
新選組でも拷問などの汚れ役は時には命ぜられてやっていた斎藤だがそれはそれとわきまえていた。
斎藤は拷問のバリエーションは増やせばいいというものではないと思いつつ板の間に上がると武尊を抱くように胡坐をかき、指が何度も乱れた武尊の髪を整えながら、
「何故そこまでする・・こんなことで死なせる為に自由にさせたわけじゃないぞ、この大阿呆が・・。」
と呟いた。
足元が浮くぐらいに地面がうねり、斎藤も蒼紫も危うく足をすくわれそうだった。
その時衝撃に耐えられなかった小屋がバキバキと音をたて倒壊した。
「「武尊!」」
斎藤と蒼紫が同時に武尊の身を案じ叫んだ。
揺れはすぐに収まり、二人は小屋へ駆け寄り武尊を救け出そうと萱や柱を取り除き続けた。
小屋の中心部で武尊は倒れた柱の隙間に気を失って倒れており奇跡的にも無傷だった。
「とりあえず無事だったか。」
と、冷汗を拭きながら斎藤は言った。
蒼紫も同感だった。
だが疑問はある。
「今のは十六夜丸がやったということか?命令しなければ十六夜丸は何も出来ないのではないのか・・一体どうなっている。」
蒼紫も斎藤も今までとは違うセオリーに戸惑った。
「阿片の所為かもな。」
そう言った斎藤の言葉に一理あると思ったが今はそれより武尊を休ませる場所の確保だった。
もし今のが十六夜丸の力の暴走によるものならば次はもっと大きい揺れが起こる可能性がある。
尚更街中には連れていけぬと思った蒼紫はしかたなく此処から一番近い別の場所へと武尊を連れて行くことにした。
あまり気が進まなかった蒼紫だったが仕方がなく、
「・・もう一つ俺達(御庭番衆)が使っていた場所がある。少し遠いがそちらへ行こう。此処より暖が取れる。」
と言った。
着いた場所は塀に囲まれた小さな廃寺だった。
「昔一部の者が修行に使っていた所だ。」
そう言って蒼紫が斎藤と武尊を連れて行ったのは中央に護摩を焚いていたと思われる御堂だった。
蒼紫はまるで何処に何があるのか知っているかのように迷うことなく薪が置いてある場所に向かいそれを数本取ると火を付けた。
暗がりに室内の様子が浮かび上がる。
「これが修行とは悪趣味だな。」
蒼紫は斎藤の一言がまるで耳に入らなかったかのように、
「・・宿坊の方に布団があったはずだ。使える代物か分からんがみてこよう。」
と言った。
「宿坊があるならそっちの方がいいんじゃないか。」
「この寺は古すぎてな、向こうは天井が腐って空が見えるうえに床は抜け落ちている、ここの方がましだ。」
蒼紫は斎藤の切り替えしにそう答えると御堂を出て行った。
斎藤は再度首をぐるりと動かし御堂の内部を様々と見るとフンと鼻を鳴らした。
「『昔使っていた』・・か。よく言うな。」
斎藤がぐるっと見回した天井の梁には人がつりさげられてもびくともしないような鈎や鎖、滑車が取り付けられている。
そして所々どす黒く汚れた壁には幾つもの縄が輪が掛けられていた。
だがもっと斎藤の目を引いたのは隅に置かれた三角木馬だった。
斎藤は此処が何に使われていた所なのか即座に察知した。
新選組でも拷問などの汚れ役は時には命ぜられてやっていた斎藤だがそれはそれとわきまえていた。
斎藤は拷問のバリエーションは増やせばいいというものではないと思いつつ板の間に上がると武尊を抱くように胡坐をかき、指が何度も乱れた武尊の髪を整えながら、
「何故そこまでする・・こんなことで死なせる為に自由にさせたわけじゃないぞ、この大阿呆が・・。」
と呟いた。