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278.その後(蒼紫の場合:前編)
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「操ちゃん・・やっと見つけた。」
薫は梯子をかけて道場の屋根の上へ登った。
そこには膝を抱えシュンと落ち込んでいる操がいた。
「私・・武尊さんのことをすごく嫌いになってた。私の気持ちを知ってたのに蒼紫様を奪ったって・・。」
うんうんと頷きながら薫は操の隣に座って操の背中をさすった。
「でも本当は武尊さんはいつも私の蒼紫様への気持ちを応援してくれていたの。私知ってたの・・なのに・・武尊さんを勝手に恨んで・・こんな嫌な私を蒼紫様は嫌いになったかも。」
グスンと涙ぐむ操に薫は優しく言った。
「そんなことはないわ、もし嫌いなら蒼紫さんは迎えになんて来ないわ。そうでしょ?それに誰にでも嫉妬はあるわ、操ちゃん・・私だって・・。」
「え?薫さんも?」
操は顔を上げて薫を見た。
「ええ。剣心の奥さん、巴さんと剣心のお互いの想いは誰も立ち入ることは出来ない。私は外からそれを見てるだけ・・。」
「でも」と、薫は区切りをおいて、
「私は剣心を支えたいの。あの人の隣で優しすぎる心を私の出来ることで支えたい。剣心の心の中に巴さんがいなくなることはなくても私は剣心の隣にいたいの。」
薫は目と閉じて剣心への想いを胸に強く描きながら言った。
そして操に話を続けた。
「そうしたらこの間巴さんの墓前で剣心は巴さんに『さようなら』って言ったのよ。巴さんが剣心の心から消えることはこれからもきっとない・・でも少し嬉しかった。色々あったとおもうけど剣心は十年経って気持ちを整理することが出来たと思うの。蒼紫さんだって武尊さんのことを今は忘れることが出来なくてもいつかは・・」
「いつかって十年?そしたら私二十六だよ、ババアだよ~。薫さんは今十七だからいいけどさ~~。」
と操はため息をついた。
蒼紫を追いかけて旅を続け、これから更に追い続けるというのは精神的にしんどい。
今は葵屋にいるけどもしかしたらまた何処かへ行ってしまうのではないか、他の女と突然くっついてしまうのではないか。
あれもこれもと心配事ばかりが浮かんでくる。
「ハアアアアアアアア~~~~。」
と更に大きいため息をついた操に薫は微笑んで肩をポンと叩いた。
「操ちゃん、もっと自信持って。蒼紫さんのことを誰よりも知ってるのって操ちゃんでしょ。武尊さんはもう蒼紫さんの心に住んでしまったけど易々と他の人にも蒼紫さんを奪われるつもり?それに操ちゃんは蒼紫さんにとって大切な人の一人には間違いないわ、望みはあるわよ。諦めちゃだめ!」