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278.その後(蒼紫の場合:前編)
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一方、神谷道場。
こちらには一足早く届いた蒼紫からの手紙を受け取った剣心は中を見て、
「おろ!」
と声をあげ文面に釘付けになった。
そこには間違いなく操を、
『迎えに行く』と書いてあった。
『迎えを寄こす』ではなく。
しかもその手紙には船が横浜に到着する日時まで書いてあった。
剣心はその事を薫にだけ、そっと見せた。
「うそ、蒼紫さんの船、明日到着なの!?でも操ちゃんにとってはちょっと微妙ね・・。だって大失恋の傷が癒えないうちにその張本人が迎えに来るなんて・・。」
ということで蒼紫が来ることは操には内緒でいることにした。
操といえば、神谷道場に着いてから2、3日は夜な夜な声を押し殺して泣いて翌日は目を腫らして起きてきたが最近は普通の顔で起きていた。
が、逆に日中、神谷道場の塀を眺めては膝を抱えてぼ~っとしていることが多かった。
そして翌日。
操は今日もあそこの塀を蒼紫様と一緒に直したんだと、その塀が目に入る度に蒼紫の姿を思い出していた。
いつも凛としてかっこいい蒼紫の姿。
蒼紫は自分達御庭番衆の自慢と誇りだった。
そんな蒼紫の近くにいることが自分の自慢で誇りで・・大好きだった。
その時の自分の気持ちを思い出すとじわっと涙がにじんでくる。
あの時は驚きのあまり思わず葵屋を飛び出したが、どうしても蒼紫の事が忘れられない操だった。
(蒼紫様を嫌いになれるはずがない。でももう蒼紫様に手が届かない・・。)
そう思うと鼻がスンと痛くなる。
「操殿。」
剣心が操のところへやって来て声をかけた。
「な、なに、緋村。」
「もう年の瀬も近いでござる。今日は薫殿と一緒に市へ行ってお正月飾りを買ってきてくれぬでござらんか。」
「緋村は行かないの?」
「拙者は鏡餅を作る準備を薫殿に任されたでござるよ。」
「そうなんだ。(もうそんな時期なんだ・・今頃みんなでお正月の準備で忙しくしてるんだろうな)」
操は翁を初め、葵屋の皆が忙しくしている姿を想像し少し寂しくなった。
が、すぐさま蒼紫と武尊が仲良く準備している姿を想像するとその姿を打ち消すように剣心に言った。
「いいよ、分かった。」
気落ちしていても薫や剣心が声をかければ普通に受け答えや行動が出来るようになっていた操はこの後薫と浅草へ出かけた。
そしてその賑わいが操に京都の年の瀬の忙しさを思い出させ、それはまた葵屋の皆を思い出させたのだった。
こちらには一足早く届いた蒼紫からの手紙を受け取った剣心は中を見て、
「おろ!」
と声をあげ文面に釘付けになった。
そこには間違いなく操を、
『迎えに行く』と書いてあった。
『迎えを寄こす』ではなく。
しかもその手紙には船が横浜に到着する日時まで書いてあった。
剣心はその事を薫にだけ、そっと見せた。
「うそ、蒼紫さんの船、明日到着なの!?でも操ちゃんにとってはちょっと微妙ね・・。だって大失恋の傷が癒えないうちにその張本人が迎えに来るなんて・・。」
ということで蒼紫が来ることは操には内緒でいることにした。
操といえば、神谷道場に着いてから2、3日は夜な夜な声を押し殺して泣いて翌日は目を腫らして起きてきたが最近は普通の顔で起きていた。
が、逆に日中、神谷道場の塀を眺めては膝を抱えてぼ~っとしていることが多かった。
そして翌日。
操は今日もあそこの塀を蒼紫様と一緒に直したんだと、その塀が目に入る度に蒼紫の姿を思い出していた。
いつも凛としてかっこいい蒼紫の姿。
蒼紫は自分達御庭番衆の自慢と誇りだった。
そんな蒼紫の近くにいることが自分の自慢で誇りで・・大好きだった。
その時の自分の気持ちを思い出すとじわっと涙がにじんでくる。
あの時は驚きのあまり思わず葵屋を飛び出したが、どうしても蒼紫の事が忘れられない操だった。
(蒼紫様を嫌いになれるはずがない。でももう蒼紫様に手が届かない・・。)
そう思うと鼻がスンと痛くなる。
「操殿。」
剣心が操のところへやって来て声をかけた。
「な、なに、緋村。」
「もう年の瀬も近いでござる。今日は薫殿と一緒に市へ行ってお正月飾りを買ってきてくれぬでござらんか。」
「緋村は行かないの?」
「拙者は鏡餅を作る準備を薫殿に任されたでござるよ。」
「そうなんだ。(もうそんな時期なんだ・・今頃みんなでお正月の準備で忙しくしてるんだろうな)」
操は翁を初め、葵屋の皆が忙しくしている姿を想像し少し寂しくなった。
が、すぐさま蒼紫と武尊が仲良く準備している姿を想像するとその姿を打ち消すように剣心に言った。
「いいよ、分かった。」
気落ちしていても薫や剣心が声をかければ普通に受け答えや行動が出来るようになっていた操はこの後薫と浅草へ出かけた。
そしてその賑わいが操に京都の年の瀬の忙しさを思い出させ、それはまた葵屋の皆を思い出させたのだった。