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277.生きている幸せ
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此処はあの世とこの世の境。
三途の川の上空で武尊と十六夜丸がいた。
あの世までもう少し、と思うも十六夜丸も粘ってじわじわと武尊から抜け出てきている。
(だめだ!逃げられる・・。もう少しなのに!折角ここまできたのに!)
そう武尊が歯を食いしばって踏ん張っている時、目の前が突然眩しく光った。
「「うっ。」」
武尊も十六夜丸もあまりの眩しさに思わず目を目を瞑った。
白金のように輝くその光は周囲を瞬く間に照らしてゆく。
そしてその光の中心から、
「十六夜雷大神・・もう良いでしょう。」
と、低い音色だがとても穏やかな優しい声が響いた。
十六夜丸は自分を呼んだその声に心当りがあったのか、眩しすぎて凝視出来ない光を目を細めて注視した。
武尊も謎の光からの声に思わず気をとられた。
光の塊は徐々に眩しさを落とし、そして、光の中に人影が浮かび上がってきた。
すると十六夜丸の眼が驚きで大きく見開かれた。
武尊も見覚えのあるその姿に驚きを隠せない。
「厩戸・・。」
十六夜丸は光の中の人に向かって掠れた声で小さく呟いた。
そう、その姿の人とは遥か古に亡くなった厩戸皇子だった。
武尊も以前に十六夜丸に連れていかれた過去旅で見たのでそれが誰だか分かったのだ。
しかし十六夜丸はハッと我に返ると、
「見るな!俺を見るなーっ!」
と叫んだ。
十六夜丸は厩戸皇子から顔を背けて逃げようとするが一部が武尊と繋がっているために逃げられない。
焦った十六夜丸と武尊はまた逃げる逃がさないの攻防が始まった。