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276.消えた三本傷 (比古・夢主・十六夜丸)
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人は死ぬ前に走馬灯のように過去が見えるとか、今起きていることがスローモーションのように見えるとか言われているが・・武尊の場合は後者の方だった。
十六夜丸は瞬時に比古の打ち出した技の太刀筋を見切った。
己の剣よりも早く比古が抜刀し、その瞬間、十六夜丸は自分よりも比古が先に自分の間合いに入って来ることに驚愕した。
が、それよりも十六夜丸を驚かせたの九頭龍閃の正体だ。
見切ったところでその太刀筋が一度にほぼ同時の9方向連続攻撃、回避不可能。
十六夜丸は初めて自分の死を予感した。
人にこんなことが出来るのか。
始めての恐怖。
その恐怖が自分の敗北という結果を回避するため、咄嗟に剣を手放し手に印を結ぼうとした。
武尊は十六夜丸が止まった0,00001秒の不自然な間を感知した。
何だか分からない嫌な直感に反射的に全力のオーラで自分(十六夜丸)を絞めつけた。
「!!」
十六夜丸は急ブレーキの様に自分の動きを封じられ・・一瞬動きを止めた瞬間、比古の刀が十六夜丸を・・武尊の身体を貫いた。
サク。
十六夜丸が落とした刀が地面に突き刺さると同時にすぐ横の木に雷がピシャっと光り、山を震わせるほどの音が轟いた。
「貴様・・。」
闇の世界、十六夜丸が怒りに声を震わせなた。
武尊がオーラで細胞を絞めつけた時、十六夜丸は一瞬電気ショックを受けたようになり雷を比古に落とし損ねたのだった。
そして焼け付くような身体の痛みに十六夜丸は苦悶の表情を浮かべる。
それは比古が武尊を貫いた痛み。
「痛いでしょ、・・でももうすぐ終わる。」
十六夜丸の痛みは武尊の痛み。同じ痛みを武尊も感じていた。
「私の命が終わる時あなたも道連れよ、十六夜丸!」
十六夜丸はここで初めて武尊の根端を知った。
人間ごときに自分の僅かな・・砂粒ほどしかない望みかもしれないがそれさえも潰される事に十六夜丸は怒り狂った。
「ふざけた真似を・・!」
十六夜丸は武尊との同化を解き、離脱しようとした。
今度は身体から何かが絞り出ていくような感じで十六夜丸の上半身が武尊から出てきた。
見た目はまるで幽体脱離だ。
「放せ!」
「放すもんか!」
武尊もオーラ全開で十六夜丸を逃がすまいと歯を食いしばった。
しかし、力の差だろうか、徐々に十六夜丸の姿が出てくる。
(私の力じゃだめなの?もう少しなのに!)
私早く死ね!早くあの世へ・・・!
すると闇だった世界が段々薄紫色になり、見た事のある景色へと変化した。
チリーン・・
あの世へ渡る三途の川。そこに鳴り響く悲しい鈴の音。
武尊と十六夜丸はその上空に浮いていたのだった。
十六夜丸は瞬時に比古の打ち出した技の太刀筋を見切った。
己の剣よりも早く比古が抜刀し、その瞬間、十六夜丸は自分よりも比古が先に自分の間合いに入って来ることに驚愕した。
が、それよりも十六夜丸を驚かせたの九頭龍閃の正体だ。
見切ったところでその太刀筋が一度にほぼ同時の9方向連続攻撃、回避不可能。
十六夜丸は初めて自分の死を予感した。
人にこんなことが出来るのか。
始めての恐怖。
その恐怖が自分の敗北という結果を回避するため、咄嗟に剣を手放し手に印を結ぼうとした。
武尊は十六夜丸が止まった0,00001秒の不自然な間を感知した。
何だか分からない嫌な直感に反射的に全力のオーラで自分(十六夜丸)を絞めつけた。
「!!」
十六夜丸は急ブレーキの様に自分の動きを封じられ・・一瞬動きを止めた瞬間、比古の刀が十六夜丸を・・武尊の身体を貫いた。
サク。
十六夜丸が落とした刀が地面に突き刺さると同時にすぐ横の木に雷がピシャっと光り、山を震わせるほどの音が轟いた。
「貴様・・。」
闇の世界、十六夜丸が怒りに声を震わせなた。
武尊がオーラで細胞を絞めつけた時、十六夜丸は一瞬電気ショックを受けたようになり雷を比古に落とし損ねたのだった。
そして焼け付くような身体の痛みに十六夜丸は苦悶の表情を浮かべる。
それは比古が武尊を貫いた痛み。
「痛いでしょ、・・でももうすぐ終わる。」
十六夜丸の痛みは武尊の痛み。同じ痛みを武尊も感じていた。
「私の命が終わる時あなたも道連れよ、十六夜丸!」
十六夜丸はここで初めて武尊の根端を知った。
人間ごときに自分の僅かな・・砂粒ほどしかない望みかもしれないがそれさえも潰される事に十六夜丸は怒り狂った。
「ふざけた真似を・・!」
十六夜丸は武尊との同化を解き、離脱しようとした。
今度は身体から何かが絞り出ていくような感じで十六夜丸の上半身が武尊から出てきた。
見た目はまるで幽体脱離だ。
「放せ!」
「放すもんか!」
武尊もオーラ全開で十六夜丸を逃がすまいと歯を食いしばった。
しかし、力の差だろうか、徐々に十六夜丸の姿が出てくる。
(私の力じゃだめなの?もう少しなのに!)
私早く死ね!早くあの世へ・・・!
すると闇だった世界が段々薄紫色になり、見た事のある景色へと変化した。
チリーン・・
あの世へ渡る三途の川。そこに鳴り響く悲しい鈴の音。
武尊と十六夜丸はその上空に浮いていたのだった。