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275.辿り着いた答え (比古・夢主・十六夜丸)
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(何で!?どうして?・・・もしかして今なの?)
武尊がハッと気が付けばいつものあの漆黒の闇の中。
やっと比古の元へ帰って来れた。
(確かに死ぬ前に一目でも比古さんの顔を見たいとは思ったけどこのまま死ぬの・・?)
武尊はこの闇の上も下も分からない空間をぐるりと見回した。
すると十六夜丸が目の前に現れ武尊に近づいて来て言った。
「お楽しみはこれまでだ。残念だったな。お前はもう死ぬ。」
予告されてたとはいえ、今『もう死ぬ』と言われても心の準備が出来ていなくて武尊はショックを受けた。
(やっぱりそうなの?ここで私は死ぬの?)
武尊は死が怖いわけではない。
ただ・・比古に何も伝えられていないことが心残りなのだ。
「それとも何か?俺との契約を果たせばその間は心の臓ぐらいは動いてるぞ。まあ時間稼ぎにぐらいにしかならないけどな。」
武尊が自分の人生に失望した顔をしているのが十六夜丸は楽しくて、
「お前の命の火はもはや温度を失う灰のようだ。・・そうだ、最後の望みぐらいお前の意識は奪わずにおいてやる。その霊力、俺に支配された身体をお前は見て感じることが出来るぞ。どうだ、楽しいだろう!」
と言った。
そして武尊の両手首をそれぞれ掴んだ。
「何だ!何をする!」
武尊が抗議の声をあげると十六夜丸は武尊に顔を近づけてニヤリと笑った。
「言っただろ。お前の身体を支配するのさ。」
と十六夜丸が言うと、信じられない事に十六夜丸に掴まれた自分の手首と武尊尊の手が一体となっていく。
というか、自分の身体に十六夜丸が吸い込まれて同化していく。
いくら精神世界の出来事とはいえ、自分の身体に誰かの身体がくっついて吸収されていく様は衝撃的だ。
その気持ちの悪さに武尊は、
「嫌っ!嫌~~ぁ!」
と叫んだ。
十六夜丸はそんな武尊を見るのが更に楽しく笑みを深くする。
そして顔を武尊に近づけて言ったのだ。
「お前は必ず俺に願う。さあ、何を願う?時間はもうないぞ。」
十六夜丸が顔を武尊に押し付ければそこから同化が始まった。
(うっ・・。)
気持ちの悪さに思わず目を閉じれば、逆に外の世界が目に映る。
(比古さんっ!)
あのいつも自信に満ちた顔がとても弱弱しく心配そうに自分の顔を見つめている。
(ああ・・・・・・どうしよう・・どうすれば・・・)
思わず目を開ければすでに十六夜丸はいなかった。
「あ・・。」
拘束がなくなった手を見ようと手のひらを自分に向ければ指が勝手にグーとパーを繰り返す。
自分の思う通りどころか何一つ思うように動かない身体。
そして身体の内側から直接脳に響くように
「いいな・・やはりなじむ、この身体は。」
と、声がする。
「そう言えば、いい物があったよな。」
(何?何のこと?)
十六夜丸の呟きに武尊は心当りをさがしていると、十六夜丸が
「お前が狼からもらった物だ。ご丁寧に他の男の魂とまで念が籠ったものを本命の男の処に持って帰ってくるとは面白過ぎて笑いがでるが・・久しぶりに楽しめそうだ。」
と言った。
(まさか・・一の刀で比古さんを殺すってこと!?待って待って待って・・!)
武尊の心は冷や水を浴びせられたように膠着した。。
自分はまだ何も願いを十六夜丸に言ってない。
だから実際の自分の身体を十六夜丸が使う事は出来ないはず。
とは思うものの武尊はまだ十六夜丸が自分の知らない秘密な力があって自分の願いとは関係なしに自分を動かすことが出来るのかもしれないという不安が急に持ち上がった。
(比古さんを殺すなんて絶対だめ!)
武尊は湧きあがってきた怒りでそれこそ細胞の一つ一つまで体温がグッと上がる感じがした。
と、同時に忘れていたがオーラが体内で爆発寸前まで怒りで膨れ上がったのを感じた。
(!)
その時、武尊はある考えが閃いた。
観柳を殺した時にオーラをぶっ放して以来、体内を満たすように指先の隅々までオーラが巡っていたこと。
そのオーラの力は十六夜丸を掴むことができる。
その時より更に今のオーラはその時よりも質もいいし、強いと感じる。
この世界がある意味精神世界なら今自分の身体の内側にある十六夜丸をオーラの力で逃げられないように捕まえる。
そして自分の命の火が消えてあの世に行く時、同化した十六夜丸を自分と共に連れていく。
・・もう二度と十六夜丸の為に犠牲者が出ないようにする為に。
そう思った時に武尊はハッと脳の中がすっきりした気がした。
この変な力(オーラ)。
時を超えたという事実。
クローン元を無くしても消えない自分。
世の中の常識がまるで通用しない現実がこうしてあるのは十六夜丸をこの世から消すためにある。
もしそうだとするのならすべてに納得がいくと武尊は思った。
(今分かった・・私が生まれて来た意味が・・。私は十六夜丸を終わらせるためにこの世に存在してるんだ。)
十六夜丸は今はこうなっているが元は古来よりの地方神だ。
その神に対抗する力・・十六夜丸本来の力には及ばなくても同化している今ならこのオーラの力で道連れにあの世に行けるかもしれないと武尊は思った。
(きっとそう、それしかない・・・・あ、やばい・・あれこれ考えている間に意識が塵のように拡散して考えることが希薄になっていく気がする
・・もう・・・死・・ぬ・・)
武尊は十六夜丸を確実にあの世へ連れていくためにはその一つの方法しか思いつかなかった。
その方法を実行するには同化したまま死ななければならない。
その目的の為、武尊は最後の気力を振り絞って十六夜丸に言った。
「いいわ、十六夜丸、契約を履行するわ。命令よ、比古さんを殺して!」
武尊がハッと気が付けばいつものあの漆黒の闇の中。
やっと比古の元へ帰って来れた。
(確かに死ぬ前に一目でも比古さんの顔を見たいとは思ったけどこのまま死ぬの・・?)
武尊はこの闇の上も下も分からない空間をぐるりと見回した。
すると十六夜丸が目の前に現れ武尊に近づいて来て言った。
「お楽しみはこれまでだ。残念だったな。お前はもう死ぬ。」
予告されてたとはいえ、今『もう死ぬ』と言われても心の準備が出来ていなくて武尊はショックを受けた。
(やっぱりそうなの?ここで私は死ぬの?)
武尊は死が怖いわけではない。
ただ・・比古に何も伝えられていないことが心残りなのだ。
「それとも何か?俺との契約を果たせばその間は心の臓ぐらいは動いてるぞ。まあ時間稼ぎにぐらいにしかならないけどな。」
武尊が自分の人生に失望した顔をしているのが十六夜丸は楽しくて、
「お前の命の火はもはや温度を失う灰のようだ。・・そうだ、最後の望みぐらいお前の意識は奪わずにおいてやる。その霊力、俺に支配された身体をお前は見て感じることが出来るぞ。どうだ、楽しいだろう!」
と言った。
そして武尊の両手首をそれぞれ掴んだ。
「何だ!何をする!」
武尊が抗議の声をあげると十六夜丸は武尊に顔を近づけてニヤリと笑った。
「言っただろ。お前の身体を支配するのさ。」
と十六夜丸が言うと、信じられない事に十六夜丸に掴まれた自分の手首と武尊尊の手が一体となっていく。
というか、自分の身体に十六夜丸が吸い込まれて同化していく。
いくら精神世界の出来事とはいえ、自分の身体に誰かの身体がくっついて吸収されていく様は衝撃的だ。
その気持ちの悪さに武尊は、
「嫌っ!嫌~~ぁ!」
と叫んだ。
十六夜丸はそんな武尊を見るのが更に楽しく笑みを深くする。
そして顔を武尊に近づけて言ったのだ。
「お前は必ず俺に願う。さあ、何を願う?時間はもうないぞ。」
十六夜丸が顔を武尊に押し付ければそこから同化が始まった。
(うっ・・。)
気持ちの悪さに思わず目を閉じれば、逆に外の世界が目に映る。
(比古さんっ!)
あのいつも自信に満ちた顔がとても弱弱しく心配そうに自分の顔を見つめている。
(ああ・・・・・・どうしよう・・どうすれば・・・)
思わず目を開ければすでに十六夜丸はいなかった。
「あ・・。」
拘束がなくなった手を見ようと手のひらを自分に向ければ指が勝手にグーとパーを繰り返す。
自分の思う通りどころか何一つ思うように動かない身体。
そして身体の内側から直接脳に響くように
「いいな・・やはりなじむ、この身体は。」
と、声がする。
「そう言えば、いい物があったよな。」
(何?何のこと?)
十六夜丸の呟きに武尊は心当りをさがしていると、十六夜丸が
「お前が狼からもらった物だ。ご丁寧に他の男の魂とまで念が籠ったものを本命の男の処に持って帰ってくるとは面白過ぎて笑いがでるが・・久しぶりに楽しめそうだ。」
と言った。
(まさか・・一の刀で比古さんを殺すってこと!?待って待って待って・・!)
武尊の心は冷や水を浴びせられたように膠着した。。
自分はまだ何も願いを十六夜丸に言ってない。
だから実際の自分の身体を十六夜丸が使う事は出来ないはず。
とは思うものの武尊はまだ十六夜丸が自分の知らない秘密な力があって自分の願いとは関係なしに自分を動かすことが出来るのかもしれないという不安が急に持ち上がった。
(比古さんを殺すなんて絶対だめ!)
武尊は湧きあがってきた怒りでそれこそ細胞の一つ一つまで体温がグッと上がる感じがした。
と、同時に忘れていたがオーラが体内で爆発寸前まで怒りで膨れ上がったのを感じた。
(!)
その時、武尊はある考えが閃いた。
観柳を殺した時にオーラをぶっ放して以来、体内を満たすように指先の隅々までオーラが巡っていたこと。
そのオーラの力は十六夜丸を掴むことができる。
その時より更に今のオーラはその時よりも質もいいし、強いと感じる。
この世界がある意味精神世界なら今自分の身体の内側にある十六夜丸をオーラの力で逃げられないように捕まえる。
そして自分の命の火が消えてあの世に行く時、同化した十六夜丸を自分と共に連れていく。
・・もう二度と十六夜丸の為に犠牲者が出ないようにする為に。
そう思った時に武尊はハッと脳の中がすっきりした気がした。
この変な力(オーラ)。
時を超えたという事実。
クローン元を無くしても消えない自分。
世の中の常識がまるで通用しない現実がこうしてあるのは十六夜丸をこの世から消すためにある。
もしそうだとするのならすべてに納得がいくと武尊は思った。
(今分かった・・私が生まれて来た意味が・・。私は十六夜丸を終わらせるためにこの世に存在してるんだ。)
十六夜丸は今はこうなっているが元は古来よりの地方神だ。
その神に対抗する力・・十六夜丸本来の力には及ばなくても同化している今ならこのオーラの力で道連れにあの世に行けるかもしれないと武尊は思った。
(きっとそう、それしかない・・・・あ、やばい・・あれこれ考えている間に意識が塵のように拡散して考えることが希薄になっていく気がする
・・もう・・・死・・ぬ・・)
武尊は十六夜丸を確実にあの世へ連れていくためにはその一つの方法しか思いつかなかった。
その方法を実行するには同化したまま死ななければならない。
その目的の為、武尊は最後の気力を振り絞って十六夜丸に言った。
「いいわ、十六夜丸、契約を履行するわ。命令よ、比古さんを殺して!」