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274.再会、そして・・ (蒼紫・夢主・比古・葵屋一同)
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「比古さん。」
比古を見上げたその笑顔がまた眩しくて、比古は笑みを浮かべながら言った。
「身体が冷える。早く中に入れ。」
と、武尊を山小屋に入るように促した。
「うん。」
武尊は入り口のすだれを開けて中に入った。
蒼紫は比古に、
「連絡もなく急に連れて帰って来ては不便なこともあろうかと・・多少なりの物を持って来た。」
と、背負子を肩から外して比古に差し出した。
「武尊の為か?」
「そうだ。」
蒼紫は比古の目をじっと見てそう言った。
その時入り口のすだれから顔だけひょいと出した。
「蒼紫、帰る前にお茶でも飲んでいかない?疲れたでしょ。」
と、声をかけた。
が、
「あれ?そう言えばお茶ってどこにあったっけ?」
お酒の徳利しか見えない殺風景な小屋の中を探しにもう一度中に入って行った。
「・・話でもしていったらどうだ。」
と、背負子を受け取った比古が蒼紫に声をかけるが、
「・・遠慮しておこう。俺の役目はただ武尊を送り届けることだからな。」
そう言うと蒼紫はくるりと向きを変えそのまま山を下りて行った。
「比古さん、お茶はどこ?」
と、お茶が見当たらない武尊がもう一度顔を出すが、そこには比古しかいなかった。
「あれ?蒼紫は?」
と、武尊が聞くと
「今帰って行ったぞ。」
と、比古は小屋に向かって歩いて来る。
「え?!」
慌てて武尊は外へ出て、来た道を見てみると、すでに蒼紫は走り去って遥か遠くに見えるだけだった。
蒼紫と出会って今までに出来た沢山の記憶。
良い事も悪いことも瞬時には言えないくらい。
でもこんなに突然に帰るなんて。
そう思った武尊だったが蒼紫がとった態度が分かるような気がした。
それでもお礼の一言も言えずにさよならなんて、そんなのは嫌だと、せめて声だけでも届けと武尊は両手を口に当てて有らん限りの声を出して叫んだ。
「蒼紫ー!ありがとうーー!」
その声は雪山に響いて消えた。
二時間で葵屋に戻った蒼紫は皆を集めて武尊とは『夫婦ごっこ』だったと説明した。
翁以外の四人はそんな蒼紫の言葉に納得なんて出来る訳がない。
何よりその目で蒼紫の変化を見てきたからだ。(濡れ場も含めて)
だけどここに武尊はいない。
「このことは操ちゃんにも知らせるべきなんじゃない?」
「うむ。であるからにして緋村君の処にはすでに手紙を出しておる。間もなく新年じゃ。いつまでも不貞腐れたお邪魔虫をあちらに置いておくのも迷惑じゃろう。お近、お増。年始を迎える前に操を迎えに行ってくれ。」
お増の提案に翁は操の迎えの指示を出し、黒も白もお近も安堵した。
明治十一年は葵屋にとって大きく動いた年だった。
志々雄真実勢力に店を半壊させられたという損害は被ったものの、行方知れずだった御頭蒼紫が心を取り戻し戻って来た。
蒼紫追っかけ命の操も葵屋に居る。
性格に難ありな蒼紫の心を客人の武尊が鷲掴みという葵屋一同予測不可能な事案勃発。
結果、操が家出をするというハプニングがあったものの、彼女は比古清十郎の処へ戻り操も戻って来る。
御庭番衆全員で年越しを迎えることが出来る安堵・喜び。
蒼紫は皆のそんな表情を読み、静かに自室へ向かったのだった。
比古を見上げたその笑顔がまた眩しくて、比古は笑みを浮かべながら言った。
「身体が冷える。早く中に入れ。」
と、武尊を山小屋に入るように促した。
「うん。」
武尊は入り口のすだれを開けて中に入った。
蒼紫は比古に、
「連絡もなく急に連れて帰って来ては不便なこともあろうかと・・多少なりの物を持って来た。」
と、背負子を肩から外して比古に差し出した。
「武尊の為か?」
「そうだ。」
蒼紫は比古の目をじっと見てそう言った。
その時入り口のすだれから顔だけひょいと出した。
「蒼紫、帰る前にお茶でも飲んでいかない?疲れたでしょ。」
と、声をかけた。
が、
「あれ?そう言えばお茶ってどこにあったっけ?」
お酒の徳利しか見えない殺風景な小屋の中を探しにもう一度中に入って行った。
「・・話でもしていったらどうだ。」
と、背負子を受け取った比古が蒼紫に声をかけるが、
「・・遠慮しておこう。俺の役目はただ武尊を送り届けることだからな。」
そう言うと蒼紫はくるりと向きを変えそのまま山を下りて行った。
「比古さん、お茶はどこ?」
と、お茶が見当たらない武尊がもう一度顔を出すが、そこには比古しかいなかった。
「あれ?蒼紫は?」
と、武尊が聞くと
「今帰って行ったぞ。」
と、比古は小屋に向かって歩いて来る。
「え?!」
慌てて武尊は外へ出て、来た道を見てみると、すでに蒼紫は走り去って遥か遠くに見えるだけだった。
蒼紫と出会って今までに出来た沢山の記憶。
良い事も悪いことも瞬時には言えないくらい。
でもこんなに突然に帰るなんて。
そう思った武尊だったが蒼紫がとった態度が分かるような気がした。
それでもお礼の一言も言えずにさよならなんて、そんなのは嫌だと、せめて声だけでも届けと武尊は両手を口に当てて有らん限りの声を出して叫んだ。
「蒼紫ー!ありがとうーー!」
その声は雪山に響いて消えた。
二時間で葵屋に戻った蒼紫は皆を集めて武尊とは『夫婦ごっこ』だったと説明した。
翁以外の四人はそんな蒼紫の言葉に納得なんて出来る訳がない。
何よりその目で蒼紫の変化を見てきたからだ。(濡れ場も含めて)
だけどここに武尊はいない。
「このことは操ちゃんにも知らせるべきなんじゃない?」
「うむ。であるからにして緋村君の処にはすでに手紙を出しておる。間もなく新年じゃ。いつまでも不貞腐れたお邪魔虫をあちらに置いておくのも迷惑じゃろう。お近、お増。年始を迎える前に操を迎えに行ってくれ。」
お増の提案に翁は操の迎えの指示を出し、黒も白もお近も安堵した。
明治十一年は葵屋にとって大きく動いた年だった。
志々雄真実勢力に店を半壊させられたという損害は被ったものの、行方知れずだった御頭蒼紫が心を取り戻し戻って来た。
蒼紫追っかけ命の操も葵屋に居る。
性格に難ありな蒼紫の心を客人の武尊が鷲掴みという葵屋一同予測不可能な事案勃発。
結果、操が家出をするというハプニングがあったものの、彼女は比古清十郎の処へ戻り操も戻って来る。
御庭番衆全員で年越しを迎えることが出来る安堵・喜び。
蒼紫は皆のそんな表情を読み、静かに自室へ向かったのだった。