※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
273.『枷』の答え (蒼紫・夢主・お増・お近)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(やっぱりあれって・・私の寿命を暗に示しているとか・・?)
最近起こっている謎の体調不良も合わせて考えるといよいよ死ぬのかと怖くなり、武尊ハッと目を覚ました。
(やっと比古さんのところへ帰るの!まだ死ぬわけにいかない!)
比古から言われた武尊の『2つの枷』。
(私が人斬りをしたことの答えは見つけた・・。もう一つの枷・・私の出生については・・)
武尊は思う。
自分が蘭子のクローンから出来たのならその元の細胞は自分が土に還した。
130年後それを使用することができない、つまり生まれてくるはずなどないのに何故、今、自分は『存在』しているのか。
何故・・
何故、私は生まれたのか。
何故、比古さんと出会ったのか。
何故、一と出会ったのか。
何故、蒼紫と出会ったのか。
きっと今までに出会ったこと、過ごした時間、すべてに理由があるはず。
その答えは必ず見つかるはず、私が今生きてここにいるということは。
武尊は自分を奮い立たせて身体を起こすと、横に寝ていたはずの蒼紫はおらず、布団はすでにたたまれていた。
外は少し明るくなっていた。
もうそんな時間なのかと思っていたら障子が開いて忍び装束を着た蒼紫が戻ってきた。
「起こしに来たが起きたのか。」
「うん、丁度良く目が覚めたみたい。」
「簡単だが朝餉を持ってきた。食べたら出立する。」
と、蒼紫は炊き立てのご飯とお豆腐の味噌汁とかぼちゃの煮物がのったお膳を武尊に出した。
「蒼紫のは?」
「俺はもう済ませた。」
そういうと蒼紫は翁の所へ行ってくると言ってすぐに部屋を出たのだった。
蒼紫は翁に昨晩書いた手紙を神谷道場に出すように言付けし、荷を付けた背負子を背負った。
荷の中は、急に山に帰った武尊が不自由しないようにと正月用の野菜に蜜柑、魚の干物、餅に干菓子、器に入れた千枚漬けに味噌漬けにした肉、自分で作ったミニ門松・・などが入っていた。
出立時に、武尊に
「蒼紫はどうして荷物を持ってるの?」
と不思議がられたが、
「ついでに持って行くものがあるだけだ。」
とさり気なく答えたのだ。
武尊は葵屋の表口に立つと、深々と礼をし、蒼紫と帰路についたのだ。
2021.12.27
最近起こっている謎の体調不良も合わせて考えるといよいよ死ぬのかと怖くなり、武尊ハッと目を覚ました。
(やっと比古さんのところへ帰るの!まだ死ぬわけにいかない!)
比古から言われた武尊の『2つの枷』。
(私が人斬りをしたことの答えは見つけた・・。もう一つの枷・・私の出生については・・)
武尊は思う。
自分が蘭子のクローンから出来たのならその元の細胞は自分が土に還した。
130年後それを使用することができない、つまり生まれてくるはずなどないのに何故、今、自分は『存在』しているのか。
何故・・
何故、私は生まれたのか。
何故、比古さんと出会ったのか。
何故、一と出会ったのか。
何故、蒼紫と出会ったのか。
きっと今までに出会ったこと、過ごした時間、すべてに理由があるはず。
その答えは必ず見つかるはず、私が今生きてここにいるということは。
武尊は自分を奮い立たせて身体を起こすと、横に寝ていたはずの蒼紫はおらず、布団はすでにたたまれていた。
外は少し明るくなっていた。
もうそんな時間なのかと思っていたら障子が開いて忍び装束を着た蒼紫が戻ってきた。
「起こしに来たが起きたのか。」
「うん、丁度良く目が覚めたみたい。」
「簡単だが朝餉を持ってきた。食べたら出立する。」
と、蒼紫は炊き立てのご飯とお豆腐の味噌汁とかぼちゃの煮物がのったお膳を武尊に出した。
「蒼紫のは?」
「俺はもう済ませた。」
そういうと蒼紫は翁の所へ行ってくると言ってすぐに部屋を出たのだった。
蒼紫は翁に昨晩書いた手紙を神谷道場に出すように言付けし、荷を付けた背負子を背負った。
荷の中は、急に山に帰った武尊が不自由しないようにと正月用の野菜に蜜柑、魚の干物、餅に干菓子、器に入れた千枚漬けに味噌漬けにした肉、自分で作ったミニ門松・・などが入っていた。
出立時に、武尊に
「蒼紫はどうして荷物を持ってるの?」
と不思議がられたが、
「ついでに持って行くものがあるだけだ。」
とさり気なく答えたのだ。
武尊は葵屋の表口に立つと、深々と礼をし、蒼紫と帰路についたのだ。
2021.12.27