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273.『枷』の答え (蒼紫・夢主・お増・お近)
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お風呂で悪戯されることもなく、(武尊は蒼紫の気づかいだと思った。夏場で道に慣れた健脚の者で約半日以上、冬場、まして雪が積もっていることが予測される明日は日が昇ってから出かけたとして日が沈む前に付けばいいくらいだと言われた。)、そして夕餉も食べ終わり、、武尊はお膳を返しに行って洗い、片付けた。
蒼紫から明日の出立のことは内密に、と、言われたので武尊は心の中で感謝を述べて翁、黒、白、お近、お増と他愛もない話題を振り、その後蒼紫の部屋へ戻った。
しっかり布団は二つ並べて敷いてあった。
『もう夫婦ではないのにどうして布団がくっついてるの?』などど口にすれば、こうして並んで寝ることなど出来ない気がして、でも一人で寝た方がいいのか分からなくて、武尊が障子際に立っていると、書き物をしていた蒼紫が、
「冷えないうちに休め。明日は体力勝負だからな。]
その言い方があまりにも自然だったため、武尊はするすると布団に入った。
「蒼紫はまだ寝ないの?」
「・・丁度書き終えたところだ。」
と、筆を置いて行燈を消し、武尊の隣に滑り込んだ。
「もうこんなに冷えているのか。」
と、蒼紫は武尊を抱き寄せた。
蒼紫の身体の温かさが気持ちよく、武尊も大人しく蒼紫の腕の中にいた。
「一つ聞いていいか?」
「ん?なぁに?」
「武尊が斎藤と別れた後、九条の心配を全くしなくなったな・・。俺は変わらず今日まで葵屋の周りを警戒していたが九条の手下と思われる輩は皆無だった。何かあったのか。」
「えっ!?(九条?)・・あっ・・。(そう言えば九条を斎藤さんが斬ってからすっかり安心して、その後蒼紫はああだったし、、言う機会を失ってそのまま言うの忘れてたっ!)
・・ごめん、言いそびれてた。・・・ええと・・」
一瞬何か適当に説明しようかと思ったが武尊は思い直して正直に言った。
「斎藤さんが本物の九条を殺したから・・。もう薬のことを知ってる人はいないから・・大丈夫だって・・。」
「本物だと?」
「うん、九条には影武者がいて今ごろは東京にいるって・・。」
「そうだったのか。良かったな、これで安心できるな。」
「うん・・。」
蒼紫はそう言ったものの、またしても一番の手柄を自らの手でたてられなかったことに黒い靄が蒼紫の心に渦巻きをそうになったその時、
「蒼紫・・いつも守ってくれてありがとう。」
と武尊の声がした。
「とても感謝しているよ・・なんて伝えていいのか分からないくらいに・・。」
武尊の感謝の気持ちは蒼紫のどす黒く渦巻きかけた気持ちを瞬時に晴れ渡らせた。
春の日差しのように蒼紫の心を温かくするのだった。
「分かっている・・嗚呼、眠たいのか・・(今は俺の腕の中で眠れ・・)」
蒼紫が優しく武尊の髪を撫でると武尊は少しだけ体温を高くし、引き込まれるように、夢の世界へと落ちていった・・
夢の中で武尊が見たものは・・
あの漆黒の闇の世界、遠くに見える僅かな光。
今にも消えそうな炭がパチリと爆ぜて火の粉を小さく巻き上げているような・・
火の粉の代わりに月のような光の粉に包まれながら
ゆっくりと闇に沈んでゆく十六夜丸の姿だった・・
蒼紫から明日の出立のことは内密に、と、言われたので武尊は心の中で感謝を述べて翁、黒、白、お近、お増と他愛もない話題を振り、その後蒼紫の部屋へ戻った。
しっかり布団は二つ並べて敷いてあった。
『もう夫婦ではないのにどうして布団がくっついてるの?』などど口にすれば、こうして並んで寝ることなど出来ない気がして、でも一人で寝た方がいいのか分からなくて、武尊が障子際に立っていると、書き物をしていた蒼紫が、
「冷えないうちに休め。明日は体力勝負だからな。]
その言い方があまりにも自然だったため、武尊はするすると布団に入った。
「蒼紫はまだ寝ないの?」
「・・丁度書き終えたところだ。」
と、筆を置いて行燈を消し、武尊の隣に滑り込んだ。
「もうこんなに冷えているのか。」
と、蒼紫は武尊を抱き寄せた。
蒼紫の身体の温かさが気持ちよく、武尊も大人しく蒼紫の腕の中にいた。
「一つ聞いていいか?」
「ん?なぁに?」
「武尊が斎藤と別れた後、九条の心配を全くしなくなったな・・。俺は変わらず今日まで葵屋の周りを警戒していたが九条の手下と思われる輩は皆無だった。何かあったのか。」
「えっ!?(九条?)・・あっ・・。(そう言えば九条を斎藤さんが斬ってからすっかり安心して、その後蒼紫はああだったし、、言う機会を失ってそのまま言うの忘れてたっ!)
・・ごめん、言いそびれてた。・・・ええと・・」
一瞬何か適当に説明しようかと思ったが武尊は思い直して正直に言った。
「斎藤さんが本物の九条を殺したから・・。もう薬のことを知ってる人はいないから・・大丈夫だって・・。」
「本物だと?」
「うん、九条には影武者がいて今ごろは東京にいるって・・。」
「そうだったのか。良かったな、これで安心できるな。」
「うん・・。」
蒼紫はそう言ったものの、またしても一番の手柄を自らの手でたてられなかったことに黒い靄が蒼紫の心に渦巻きをそうになったその時、
「蒼紫・・いつも守ってくれてありがとう。」
と武尊の声がした。
「とても感謝しているよ・・なんて伝えていいのか分からないくらいに・・。」
武尊の感謝の気持ちは蒼紫のどす黒く渦巻きかけた気持ちを瞬時に晴れ渡らせた。
春の日差しのように蒼紫の心を温かくするのだった。
「分かっている・・嗚呼、眠たいのか・・(今は俺の腕の中で眠れ・・)」
蒼紫が優しく武尊の髪を撫でると武尊は少しだけ体温を高くし、引き込まれるように、夢の世界へと落ちていった・・
夢の中で武尊が見たものは・・
あの漆黒の闇の世界、遠くに見える僅かな光。
今にも消えそうな炭がパチリと爆ぜて火の粉を小さく巻き上げているような・・
火の粉の代わりに月のような光の粉に包まれながら
ゆっくりと闇に沈んでゆく十六夜丸の姿だった・・