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243.炎の壁 (操・蒼紫・斎藤・夢主)
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斎藤は九条がここで何をしていたのか、その証拠は何かないかと通路を進んでいった。
少しづつ煙の臭いが強くなって来るこの先から人が出てくることはなかった。
恐らくすでにこの火事から逃げようとして表の方へ逃げたからなのだろうと斎藤は思った。
そして歩きながら先ほどの男が口走った『観柳』という名前を考えた。
斎藤が北海道赴任前に横浜署で聞いた情報、それは武田観柳が脱獄したという話。
まだ捕まっていなかったかと思うと同時にこんな所に観柳がいるのかと呆れながらも感心した。
「まさか廃墟となった穴倉に住み着くとはな、どうりで見つからないわけだ。」
だが組織すべてを潰された観柳がこんな所へ一人で見つからずに来れる訳がない。
ならばやはり観柳は影宮とつながっているとみるべきか、などと独り言を呟きながら斎藤が歩いているとふと開いていた扉があり、思わずその中を見ると何やら見覚えのあるコートが無造作に脱ぎ捨てられてあったのが見えた。
「!」
斎藤はコートに駆け寄った。
文明開化で洋服を着る人間が増えたとはいえまだ地方ではそう多くない。
しかも武尊のコートはあのじいさんからもらったという海外製のもの。
生地も特殊で普通には見ない代物だ。
間違いなく武尊のコートだと確信した斎藤はそのポケットに手を突っ込んだ。
中には武尊に以前見せてもらったチューリップのペンダントという物も入っていた。
「武尊!」
思わず武尊の名を呼んだ斎藤の目に次に入ったのが散らばっているロープと血が少し付いた床。
・・そして見覚えのある古臭い紙の薬包。
しかも中身はない。
「・・・。」
斎藤の頭の中から影宮のことも観柳の事も吹っ飛んだ瞬間だった。
「武尊!」
斎藤は武尊の名を怒鳴るような大きな声で呼んだが返事はない。
煙臭さで我を取り戻した斎藤は武尊のコートを取り、更に奥へと駆けだした。
少しづつ煙の臭いが強くなって来るこの先から人が出てくることはなかった。
恐らくすでにこの火事から逃げようとして表の方へ逃げたからなのだろうと斎藤は思った。
そして歩きながら先ほどの男が口走った『観柳』という名前を考えた。
斎藤が北海道赴任前に横浜署で聞いた情報、それは武田観柳が脱獄したという話。
まだ捕まっていなかったかと思うと同時にこんな所に観柳がいるのかと呆れながらも感心した。
「まさか廃墟となった穴倉に住み着くとはな、どうりで見つからないわけだ。」
だが組織すべてを潰された観柳がこんな所へ一人で見つからずに来れる訳がない。
ならばやはり観柳は影宮とつながっているとみるべきか、などと独り言を呟きながら斎藤が歩いているとふと開いていた扉があり、思わずその中を見ると何やら見覚えのあるコートが無造作に脱ぎ捨てられてあったのが見えた。
「!」
斎藤はコートに駆け寄った。
文明開化で洋服を着る人間が増えたとはいえまだ地方ではそう多くない。
しかも武尊のコートはあのじいさんからもらったという海外製のもの。
生地も特殊で普通には見ない代物だ。
間違いなく武尊のコートだと確信した斎藤はそのポケットに手を突っ込んだ。
中には武尊に以前見せてもらったチューリップのペンダントという物も入っていた。
「武尊!」
思わず武尊の名を呼んだ斎藤の目に次に入ったのが散らばっているロープと血が少し付いた床。
・・そして見覚えのある古臭い紙の薬包。
しかも中身はない。
「・・・。」
斎藤の頭の中から影宮のことも観柳の事も吹っ飛んだ瞬間だった。
「武尊!」
斎藤は武尊の名を怒鳴るような大きな声で呼んだが返事はない。
煙臭さで我を取り戻した斎藤は武尊のコートを取り、更に奥へと駆けだした。