※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
272.蒼紫の選択 (蒼紫・夢主・白・黒・翁・お増)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
はっと武尊が気が付いたのは翌日も昼を過ぎた頃だった。
目を開けたと同時に身を乗り出して自分の名前を呼ぶ蒼紫が視界いっぱいに入った。
「どうしたの蒼紫?そんなに心配そうな顔をして・・。」
もしかしてまたやっちゃった寝坊助の常習犯みたいな・・とも武尊は思ったがそれにしては蒼紫の表情が暗すぎたのだった。
「あ・・氷室どうだった?」
そう言えば牛肉はどうなった?蒼紫の顔の暗さは保管に何か問題でもあったのか?
武尊は心配になって上半身を起こした。
「氷室は問題ない。」
蒼紫は立ち上がろうとする武尊の手を押さえてそれをとどめた。
「蒼紫?」
武尊が蒼紫の挙動に疑問を覚えて蒼紫の顔を見ると、
「本当に具合は悪くないのか?」
と蒼紫は訊ねた。
特に吐き気や頭痛もなく体調自体に変わりはないと思った武尊は、
「ん?別に悪くないよ。」
武尊が首を傾げながらそう答えると蒼紫は、
「武尊は一昼夜目を覚まさなかったんだ。正直に言ってくれ。」
と、答えた。
「え?一昼夜?」
少し昼寝をしたぐらいだと思っていたのに一昼夜とは。
(具合なんて悪くはないのに起きられないって・・普通ではない・・?)
やはり寿命が尽きる前の兆候なのかと武尊は不安な気持ちに覆われた。
「本当に具合は悪くない。ごめん・・心配かけた。でも大丈夫だから・・。」
大丈夫だと、武尊は自分の片手を押さえるその手をもう片方の手で優しく包んで「ね。」っと笑みを浮かべた。
蒼紫はようやくその笑みに硬い表情を和らげた。
「それにしても冷えるね・・外暗いし。もう日が落ちたのかな?」
眠りにつく前まで陽射しもあり、明るい外だったのに。
そう武尊が言うと、
「いや、昨日の夕方から雪だ・・。」
と蒼紫は言った。
「雪!」
武尊は声を弾ませて立ち上がった。
蒼紫も片手は武尊の手を掴んだまま、障子の所まで連れていき、障子を開けた。
「うわっ・・綺麗・・。」
中庭は薄っすらと雪で覆われ、はらりひらりと雪が舞っている。
武尊は思わず縁側へ歩み出し、もう片方の手を雪に伸ばすが軒で武尊の所までは雪は来ない。
「外へ出るなら先ず上着を着ろ。身体を冷やすな。」
と、蒼紫は武尊の手をひっぱり部屋へ入れると障子をピシャリと閉めた。
「そうだね、風邪でも引いて寝込んだらまた皆の迷惑になるもんね。ごめん。」
武尊はまた迂闊な自分の行動が迷惑をかけてはいけないと着替えを目で探していると、ぐっと腕を引かれ蒼紫の胸に引き寄せられた。
「蒼紫・・んぅ・・。」
武尊が蒼紫を見上げると蒼紫は切なそうな目で武尊に口づけをした。
蒼紫にもどうしていいのか分からない。
腕を引いた武尊は・・生身の人間と思えない引きの軽さだった。
舌を武尊の口内に捻じり入れるとその熱を貪る為に目を閉じた。
絡め合う感覚に集中するも、目を開ければ武尊が消えて居なくなりそうだと時々薄目を開けて武尊が感じている顔を確認した。
「んんっ!・・はぁ・・っ。」
一瞬身を震わせてふっと力が抜ける武尊を蒼紫はそのまま胸に閉じ込めた。
はぁはぁと息をあげ上目遣いで自分を見上げる愛しい武尊を蒼紫はぎゅっと抱きしめた。
「・・だめだよ蒼紫・・まずみんなのところに顔ださなくちゃ・・きっと心配かけてる。」
「嗚呼、そうだな・・皆武尊を待っている・・。」
蒼紫にしては珍しく諦めがいいなと思うぐらい蒼紫は武尊をその腕から解放した。
そして着替えたら勝手場へ来いと言って部屋を出たのだった。
目を開けたと同時に身を乗り出して自分の名前を呼ぶ蒼紫が視界いっぱいに入った。
「どうしたの蒼紫?そんなに心配そうな顔をして・・。」
もしかしてまたやっちゃった寝坊助の常習犯みたいな・・とも武尊は思ったがそれにしては蒼紫の表情が暗すぎたのだった。
「あ・・氷室どうだった?」
そう言えば牛肉はどうなった?蒼紫の顔の暗さは保管に何か問題でもあったのか?
武尊は心配になって上半身を起こした。
「氷室は問題ない。」
蒼紫は立ち上がろうとする武尊の手を押さえてそれをとどめた。
「蒼紫?」
武尊が蒼紫の挙動に疑問を覚えて蒼紫の顔を見ると、
「本当に具合は悪くないのか?」
と蒼紫は訊ねた。
特に吐き気や頭痛もなく体調自体に変わりはないと思った武尊は、
「ん?別に悪くないよ。」
武尊が首を傾げながらそう答えると蒼紫は、
「武尊は一昼夜目を覚まさなかったんだ。正直に言ってくれ。」
と、答えた。
「え?一昼夜?」
少し昼寝をしたぐらいだと思っていたのに一昼夜とは。
(具合なんて悪くはないのに起きられないって・・普通ではない・・?)
やはり寿命が尽きる前の兆候なのかと武尊は不安な気持ちに覆われた。
「本当に具合は悪くない。ごめん・・心配かけた。でも大丈夫だから・・。」
大丈夫だと、武尊は自分の片手を押さえるその手をもう片方の手で優しく包んで「ね。」っと笑みを浮かべた。
蒼紫はようやくその笑みに硬い表情を和らげた。
「それにしても冷えるね・・外暗いし。もう日が落ちたのかな?」
眠りにつく前まで陽射しもあり、明るい外だったのに。
そう武尊が言うと、
「いや、昨日の夕方から雪だ・・。」
と蒼紫は言った。
「雪!」
武尊は声を弾ませて立ち上がった。
蒼紫も片手は武尊の手を掴んだまま、障子の所まで連れていき、障子を開けた。
「うわっ・・綺麗・・。」
中庭は薄っすらと雪で覆われ、はらりひらりと雪が舞っている。
武尊は思わず縁側へ歩み出し、もう片方の手を雪に伸ばすが軒で武尊の所までは雪は来ない。
「外へ出るなら先ず上着を着ろ。身体を冷やすな。」
と、蒼紫は武尊の手をひっぱり部屋へ入れると障子をピシャリと閉めた。
「そうだね、風邪でも引いて寝込んだらまた皆の迷惑になるもんね。ごめん。」
武尊はまた迂闊な自分の行動が迷惑をかけてはいけないと着替えを目で探していると、ぐっと腕を引かれ蒼紫の胸に引き寄せられた。
「蒼紫・・んぅ・・。」
武尊が蒼紫を見上げると蒼紫は切なそうな目で武尊に口づけをした。
蒼紫にもどうしていいのか分からない。
腕を引いた武尊は・・生身の人間と思えない引きの軽さだった。
舌を武尊の口内に捻じり入れるとその熱を貪る為に目を閉じた。
絡め合う感覚に集中するも、目を開ければ武尊が消えて居なくなりそうだと時々薄目を開けて武尊が感じている顔を確認した。
「んんっ!・・はぁ・・っ。」
一瞬身を震わせてふっと力が抜ける武尊を蒼紫はそのまま胸に閉じ込めた。
はぁはぁと息をあげ上目遣いで自分を見上げる愛しい武尊を蒼紫はぎゅっと抱きしめた。
「・・だめだよ蒼紫・・まずみんなのところに顔ださなくちゃ・・きっと心配かけてる。」
「嗚呼、そうだな・・皆武尊を待っている・・。」
蒼紫にしては珍しく諦めがいいなと思うぐらい蒼紫は武尊をその腕から解放した。
そして着替えたら勝手場へ来いと言って部屋を出たのだった。