※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
270.カフスボタン (蒼紫・夢主・薫・剣心・弥彦・操)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時は少し戻り・・東京神谷道場。
師走を迎えた東京、神谷道場では平穏な日々を過ごす剣心と薫の姿があった。
「本当、今年はたくさんの出来事があったわ、お父さん。」
と薫が位牌の前で手を合わす。
「じゃ、これから剣心と買い出しに行ってくるわね。」
と、洗濯物を干している剣心の所に行くと
「お手紙でーす!」
となじみの郵便配達員が敷地に入って来た。
「御苦労でござるな。」
にこにこしながら剣心が手を出すと配達員は、
「いえ、此度は薫さんの方に。」
おろろ~とずっこけている剣心の横で薫に手紙を渡すと会釈して帰って行った。
「あら誰かしら。もしかして操ちゃん?」
と、薫は操から上手く言っていると連絡が来たのだと思い手紙を裏返すと『翁』と書いてあった。
「え!?翁さんから?」
何だろうと思っていると剣心が横から
「分かった!きっと蒼紫と操殿が祝言をあげるという連絡でござるよ。」
と、気楽な思いで言ったものの薫が手紙を開けて読むのを横で見ていた剣心は薫と共に、
「「ええ~~~!」」
と声を出して叫んだのだった。
「ななな、なんですって!」
薫は目を皿のようにしてもう一度手紙を読んだ。
『薫様、
此度、葵屋若旦那である四乃森蒼紫と土岐武尊が夫婦とあいなりて候。
操傷心にて家出し候。
十中八九、そちらへ参ると思われるが故暫く操の事、どうか御頼申しあげたし候。
翁 』
手紙を読み終わった薫は動揺した声で、
「けけけけ剣心!どどどどどうしよう!」
「薫殿、落ち着くでござるよ!」
「でも私っ・・なんて言っていいか・・。」
蒼紫様とみんなの元へ帰るんだ、そう笑顔で帰って行った操の姿が昨日のように瞼に浮かぶ。
まさか蒼紫があの武尊さんと結婚しただなんて薫は全く想像できなかった。
「でも・・以前四乃森さんと武尊さんがうちに泊まった時に気が付くべきだったのかもしれない。二人が同じ部屋に泊まった意味を。」
「そうでござるな・・拙者は武尊を十六夜丸だと思っていたでござるから蒼紫はその見張りだとばかり思っていたでござる。二人がそういう関係だったとは思いつかなかったでござるよ。ともかく操殿から詳しい話を聞くでござるよ。」
「そう、そうよね。」
薫はそう返事をするも操がどれだけ蒼紫の事を思っているかを想像すると胸が痛い。
「薫殿。」
不安そうな顔をする薫を剣心はぎゅっと抱きしめた。
「剣心・・。」
「操殿はきっと大丈夫でござる。さ、買い物を早く終わらせて操殿を迎える準備をするでござるよ。」
と、優しい笑みを薫に向けると薫はこくんと頷いた。
丁度その日の夕方、日も暮れる頃に操は神谷道場へ向かう途中の橋の上でたたずんでいた。
その表情は何かをこらえるように唇を噛みしめている。
と、その時
「お前何してんだこんな所で。」
と、声がして操が振り向いた。
そこに立っていたのは丁度赤べこ勤めが終わって帰宅途中の弥彦だった。
弥彦は操の顔を見て、そして操が一人なのを見て何かを察した。
「・・この前と逆だな。この前は俺が死にそうに悩んでて今はお前が死にそうな顔だぜ。蒼紫に何かあったってのなら今度は俺達剣心組が手を貸すぜ、だから京都から来たんだろ?」
と言った。
「行こうぜ、剣心のとこへ。」
「弥彦・・。」
優しい弥彦の言葉にこらえていた涙が操の目からぽろりとこぼれた。
「うっ、うっ、・・うわーん!」
一粒の涙が操の心の堰を壊して、ついに声をあげて操は泣き出した。
おいおい泣く操に通行人がジロジロと弥彦を見ていく。
「おいっ・・!何もここで泣かなくてもっ!」
泣かれて慌てた弥彦がおろおろすると操の動きが一瞬止まった。
と、次の瞬間操は全速力で駆け出した。
「なっ!?・・何だって、おいこらっ!待てったら、おいっ!」
訳も分からずとりあえず弥彦は操を追いかけた。
師走を迎えた東京、神谷道場では平穏な日々を過ごす剣心と薫の姿があった。
「本当、今年はたくさんの出来事があったわ、お父さん。」
と薫が位牌の前で手を合わす。
「じゃ、これから剣心と買い出しに行ってくるわね。」
と、洗濯物を干している剣心の所に行くと
「お手紙でーす!」
となじみの郵便配達員が敷地に入って来た。
「御苦労でござるな。」
にこにこしながら剣心が手を出すと配達員は、
「いえ、此度は薫さんの方に。」
おろろ~とずっこけている剣心の横で薫に手紙を渡すと会釈して帰って行った。
「あら誰かしら。もしかして操ちゃん?」
と、薫は操から上手く言っていると連絡が来たのだと思い手紙を裏返すと『翁』と書いてあった。
「え!?翁さんから?」
何だろうと思っていると剣心が横から
「分かった!きっと蒼紫と操殿が祝言をあげるという連絡でござるよ。」
と、気楽な思いで言ったものの薫が手紙を開けて読むのを横で見ていた剣心は薫と共に、
「「ええ~~~!」」
と声を出して叫んだのだった。
「ななな、なんですって!」
薫は目を皿のようにしてもう一度手紙を読んだ。
『薫様、
此度、葵屋若旦那である四乃森蒼紫と土岐武尊が夫婦とあいなりて候。
操傷心にて家出し候。
十中八九、そちらへ参ると思われるが故暫く操の事、どうか御頼申しあげたし候。
翁 』
手紙を読み終わった薫は動揺した声で、
「けけけけ剣心!どどどどどうしよう!」
「薫殿、落ち着くでござるよ!」
「でも私っ・・なんて言っていいか・・。」
蒼紫様とみんなの元へ帰るんだ、そう笑顔で帰って行った操の姿が昨日のように瞼に浮かぶ。
まさか蒼紫があの武尊さんと結婚しただなんて薫は全く想像できなかった。
「でも・・以前四乃森さんと武尊さんがうちに泊まった時に気が付くべきだったのかもしれない。二人が同じ部屋に泊まった意味を。」
「そうでござるな・・拙者は武尊を十六夜丸だと思っていたでござるから蒼紫はその見張りだとばかり思っていたでござる。二人がそういう関係だったとは思いつかなかったでござるよ。ともかく操殿から詳しい話を聞くでござるよ。」
「そう、そうよね。」
薫はそう返事をするも操がどれだけ蒼紫の事を思っているかを想像すると胸が痛い。
「薫殿。」
不安そうな顔をする薫を剣心はぎゅっと抱きしめた。
「剣心・・。」
「操殿はきっと大丈夫でござる。さ、買い物を早く終わらせて操殿を迎える準備をするでござるよ。」
と、優しい笑みを薫に向けると薫はこくんと頷いた。
丁度その日の夕方、日も暮れる頃に操は神谷道場へ向かう途中の橋の上でたたずんでいた。
その表情は何かをこらえるように唇を噛みしめている。
と、その時
「お前何してんだこんな所で。」
と、声がして操が振り向いた。
そこに立っていたのは丁度赤べこ勤めが終わって帰宅途中の弥彦だった。
弥彦は操の顔を見て、そして操が一人なのを見て何かを察した。
「・・この前と逆だな。この前は俺が死にそうに悩んでて今はお前が死にそうな顔だぜ。蒼紫に何かあったってのなら今度は俺達剣心組が手を貸すぜ、だから京都から来たんだろ?」
と言った。
「行こうぜ、剣心のとこへ。」
「弥彦・・。」
優しい弥彦の言葉にこらえていた涙が操の目からぽろりとこぼれた。
「うっ、うっ、・・うわーん!」
一粒の涙が操の心の堰を壊して、ついに声をあげて操は泣き出した。
おいおい泣く操に通行人がジロジロと弥彦を見ていく。
「おいっ・・!何もここで泣かなくてもっ!」
泣かれて慌てた弥彦がおろおろすると操の動きが一瞬止まった。
と、次の瞬間操は全速力で駆け出した。
「なっ!?・・何だって、おいこらっ!待てったら、おいっ!」
訳も分からずとりあえず弥彦は操を追いかけた。