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270.カフスボタン (蒼紫・夢主・薫・剣心・弥彦・操)
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陸蒸気で神戸に着いた蒼紫と武尊。
武尊の提案で街を観光がてらに歩くことにした。
「横浜よりは小さいが舶来品扱いの店が多く賑わいがあるのだな。」
じっくり周囲を見ることは今までなかった、と蒼紫は少し感心したように言った。
つい癖で武器屋はないのかと見ていると武尊に袖を引っ張られた。
「ねぇ、ちょっとここに入っていい?」
そう言われて武尊の方に視線を向けるとその向こうに洋服屋があった。
「男物の洋服しか置いてなさそうだが。」
思わず蒼紫は疑念を持って武尊に聞いた。
「うん、でもちょっと見たいものがあって。」
と武尊はその店を見る。
蒼紫は思う。
武尊は今日もいつもの洋服を着ているが、この短い髪と頬の傷さえなければ可愛らしい女子に見えるのに・・そして洋服ではなく武尊に見合う着物を送ってやるのに・・と、無意識に武尊の傷にそっと手を伸ばす。
「蒼紫?」
武尊は急に優しく頬に触れてくる蒼紫にドキっとしながら目を泳がせ小声で訴えた。
「ちょっと・・いきなり恥ずかしいよ。」
「いや、、、つい、、。」
「え?」
「いや、何でもない。武尊が見たいというなら行ってみるか。」
「うん、、ありがと。」
武尊は頬にのこる蒼紫の指先の感触に照れつつ店に入って行った。
「いらっしゃい。何か御用で。」
若い綺麗な顔立ちの、でも顔に傷がある武尊を見て店主は変わった客が来たと思ったが武尊の着ているコートの生地が上質なのを見抜き営業営業と接客する。
武尊はくるりと店内を見回し紳士服一式がありそうだと確認すると、
「カフリンクスありますか?」
と聞いた。
まだ洋服も浸透してない明治にその言葉を知っているとはただの一般客ではないと分かった店主は驚きつつも、
「カフスですか?それでしたらございますが。」
と答えるといくつか出して武尊に見せてくれた。
「うん、これがいい。」
武尊は持ってる全財産でも買える金額にほっとしながらそれを買うことにした。
「それをどうするんだ。」
と横で蒼紫が武尊に聞いた。
武尊が持っているシャツにカフスボタンが合うものはない。
だからと言って蒼紫自身はいわゆる普通の洋服というのは持っていない。
仮にも自分と武尊はごっこといえども今は夫婦。
誰かへの贈り物だとするならば、と蒼紫は心穏やかでなかった。
すると武尊が蒼紫の気持ちを見越したように、
「違うよ、・・これは蒼紫に。」
と蒼紫を見上げた。
「これを・・俺にか?」
嫉妬心は何処やらと思うと同時に蒼紫は思わぬサプライズに気持ちが高ぶった。
「うん、蒼紫は洋服持ってないでしょ?(忍び装束は洋服っぽいけどあんまり着て歩くわけにいかないし・・)でもそのうち着る機会があると思うからその時にでも使ってくれたら嬉しいな、っと思って。」
それを聞いた店主が、
「それでしたら当店にスーツの見本がありますから是非ご試着なさってください!旦那に丁度いい寸法のがあるんですよ、いやね、見本で英国から仕入れたのですがね、股下とか私どもにはどうも丈が合わなくて、はっはっはっ。」
最後の笑いは武尊も何となく理解出来るきがしてつられて笑いそうになりつつも蒼紫の洋服姿に興味がありありの武尊は
「今日の和服もとても似合ってるけど一度洋服も着てみる?」
と蒼紫に試着をすすめた。
そして手にのっているカフスを見つめた。
淵を銀で飾った白い象牙の下地に青い石の入った四角いカフス。
知的な蒼紫の印象にぴったりだと見た瞬間武尊はそれを選んでいた。
(形見にしてっていったら怒るかな?・・それと妻に徹するといいながらずるい私のお詫びだから。)
そう思ったら涙が出そうになったので武尊は慌てて蒼紫の手にそれを握らせた。
「ね、これもつけてみてよ!」
蒼紫も武尊にここまでお願いされると断りきれずに試着を承諾した。
洋服なら観柳が毎日来ていたので着方は分かる。
手際よく着替えると蒼紫は店内を見ていた武尊を呼んだ。
「・・こんなもんか。」
「うん、いいよ!とっても!」
と武尊が思ったよりも似合うスーツ姿の蒼紫に目を輝かせて言った。
恐らく英国人サイズで作られたであろうスーツは足の長い蒼紫にぴったりだった。
「うーん、でもタイがないね。これとかどうかな。」
と武尊は近くにあった濃い紺色にカフスと同じ青いストライプラインが入ったタイを手に取ると蒼紫に緩めに結び、
「これでよし。」と頷いて見せた。
鏡を見せられ自分の洋服姿に少し固まった蒼紫だったが上着を脱いで、
「カフスの付け方が分からぬ。つけてみてくれないか。」
と武尊に再度カフスを手渡した。
「うん、いいよ。」
蒼紫は武尊に付けてもらったカフスボタンが腕にキラリと主張する洋服姿の自分を見つめていた。
そこへすかさず店主が、
「もしよかったらその御姿で少し歩いてみてはどうでしょう。」
と蒼紫に勧めた。
蒼紫は横の武尊を見ると武尊は微笑んで頷くので、
「では少しだけだが・・。」
と、帽子と靴まで借りて(着て来た和服はお店に置いて)店の外に出たのだった。
武尊の提案で街を観光がてらに歩くことにした。
「横浜よりは小さいが舶来品扱いの店が多く賑わいがあるのだな。」
じっくり周囲を見ることは今までなかった、と蒼紫は少し感心したように言った。
つい癖で武器屋はないのかと見ていると武尊に袖を引っ張られた。
「ねぇ、ちょっとここに入っていい?」
そう言われて武尊の方に視線を向けるとその向こうに洋服屋があった。
「男物の洋服しか置いてなさそうだが。」
思わず蒼紫は疑念を持って武尊に聞いた。
「うん、でもちょっと見たいものがあって。」
と武尊はその店を見る。
蒼紫は思う。
武尊は今日もいつもの洋服を着ているが、この短い髪と頬の傷さえなければ可愛らしい女子に見えるのに・・そして洋服ではなく武尊に見合う着物を送ってやるのに・・と、無意識に武尊の傷にそっと手を伸ばす。
「蒼紫?」
武尊は急に優しく頬に触れてくる蒼紫にドキっとしながら目を泳がせ小声で訴えた。
「ちょっと・・いきなり恥ずかしいよ。」
「いや、、、つい、、。」
「え?」
「いや、何でもない。武尊が見たいというなら行ってみるか。」
「うん、、ありがと。」
武尊は頬にのこる蒼紫の指先の感触に照れつつ店に入って行った。
「いらっしゃい。何か御用で。」
若い綺麗な顔立ちの、でも顔に傷がある武尊を見て店主は変わった客が来たと思ったが武尊の着ているコートの生地が上質なのを見抜き営業営業と接客する。
武尊はくるりと店内を見回し紳士服一式がありそうだと確認すると、
「カフリンクスありますか?」
と聞いた。
まだ洋服も浸透してない明治にその言葉を知っているとはただの一般客ではないと分かった店主は驚きつつも、
「カフスですか?それでしたらございますが。」
と答えるといくつか出して武尊に見せてくれた。
「うん、これがいい。」
武尊は持ってる全財産でも買える金額にほっとしながらそれを買うことにした。
「それをどうするんだ。」
と横で蒼紫が武尊に聞いた。
武尊が持っているシャツにカフスボタンが合うものはない。
だからと言って蒼紫自身はいわゆる普通の洋服というのは持っていない。
仮にも自分と武尊はごっこといえども今は夫婦。
誰かへの贈り物だとするならば、と蒼紫は心穏やかでなかった。
すると武尊が蒼紫の気持ちを見越したように、
「違うよ、・・これは蒼紫に。」
と蒼紫を見上げた。
「これを・・俺にか?」
嫉妬心は何処やらと思うと同時に蒼紫は思わぬサプライズに気持ちが高ぶった。
「うん、蒼紫は洋服持ってないでしょ?(忍び装束は洋服っぽいけどあんまり着て歩くわけにいかないし・・)でもそのうち着る機会があると思うからその時にでも使ってくれたら嬉しいな、っと思って。」
それを聞いた店主が、
「それでしたら当店にスーツの見本がありますから是非ご試着なさってください!旦那に丁度いい寸法のがあるんですよ、いやね、見本で英国から仕入れたのですがね、股下とか私どもにはどうも丈が合わなくて、はっはっはっ。」
最後の笑いは武尊も何となく理解出来るきがしてつられて笑いそうになりつつも蒼紫の洋服姿に興味がありありの武尊は
「今日の和服もとても似合ってるけど一度洋服も着てみる?」
と蒼紫に試着をすすめた。
そして手にのっているカフスを見つめた。
淵を銀で飾った白い象牙の下地に青い石の入った四角いカフス。
知的な蒼紫の印象にぴったりだと見た瞬間武尊はそれを選んでいた。
(形見にしてっていったら怒るかな?・・それと妻に徹するといいながらずるい私のお詫びだから。)
そう思ったら涙が出そうになったので武尊は慌てて蒼紫の手にそれを握らせた。
「ね、これもつけてみてよ!」
蒼紫も武尊にここまでお願いされると断りきれずに試着を承諾した。
洋服なら観柳が毎日来ていたので着方は分かる。
手際よく着替えると蒼紫は店内を見ていた武尊を呼んだ。
「・・こんなもんか。」
「うん、いいよ!とっても!」
と武尊が思ったよりも似合うスーツ姿の蒼紫に目を輝かせて言った。
恐らく英国人サイズで作られたであろうスーツは足の長い蒼紫にぴったりだった。
「うーん、でもタイがないね。これとかどうかな。」
と武尊は近くにあった濃い紺色にカフスと同じ青いストライプラインが入ったタイを手に取ると蒼紫に緩めに結び、
「これでよし。」と頷いて見せた。
鏡を見せられ自分の洋服姿に少し固まった蒼紫だったが上着を脱いで、
「カフスの付け方が分からぬ。つけてみてくれないか。」
と武尊に再度カフスを手渡した。
「うん、いいよ。」
蒼紫は武尊に付けてもらったカフスボタンが腕にキラリと主張する洋服姿の自分を見つめていた。
そこへすかさず店主が、
「もしよかったらその御姿で少し歩いてみてはどうでしょう。」
と蒼紫に勧めた。
蒼紫は横の武尊を見ると武尊は微笑んで頷くので、
「では少しだけだが・・。」
と、帽子と靴まで借りて(着て来た和服はお店に置いて)店の外に出たのだった。