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243.炎の壁 (操・蒼紫・斎藤・夢主)
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蒼紫に言われた・・というか武尊に言われた志々雄のアジトの事。
何故武尊が影宮、いや九条の事を知っているのか。
その疑問だけはどれだけ斎藤が考えても心当りがなかった。
そのことを何度も考えながら歩いているといつの間にかアジトの近くまで来ていた。
奇しくもその途中は武尊と同じ道だった。
そして斎藤も武尊と同じく滝のところで視線を感じた。
「出て来いよ。」
斎藤は、九条の手下、あの黒ずくめの誰かかもしれないと思い誘いをかけたが返事はなかった。
斎藤はしばらく待ってみたが何も返事どころかその気配さえもなくなったので怪しみながらも先へ進んだ。
日が傾くと山の谷間はすぐに暗くなる。
斎藤はかつてのアジトの裏口に向かうと、手頃な枝を林の中から拾いそれを松明替わりにして中へ入っていった。
薄暗い通路を斎藤は進む。
上層のきちんとした志々雄達がいた部屋に比べると、この辺りの下層は土が丸出しのトンネルそのもので迷路のように入り組んでいるのだ。
トンネルのその壁を良く見ると、新しく掘ったところもあればもう掘ってかなり経つと思われるところもある。
志々雄が死んだ後、一応このアジトの捜索はやってはいたのだがその後にこのように手が加えられて使われていたのは知らなかったと斎藤は眉間にしわを寄せながら進んでいった。
壁の新しい方へ新しい方へと進んでいくうちに松明はいらなくなった。
壁際にろうそく灯りが所々にあったからだ。
どうやら間違いなく誰かが使用しているらしいと斎藤が思った時、突然前方から数人の足音が近づいて来た。
斎藤は持っていた灯りを地面に落とすと両手をあけて隠れることなく通路の真ん中に立った。
「待て!誰かいるぞ!」
走ってきた男達は斎藤の姿を認識出来る所で止まってギョッとした。
「警官だ!」
全員娑婆でまともな仕事をしていなかった者ばかりなので斎藤の姿に慌てた。
折角死刑宣告の日々から抜け出せたのにここで捕まったら洒落にならないという思いが全員の頭にサッとよぎった。
だがその中でいち早く落ち着きを取り戻した者が鋭く自分たちを睨む斎藤に必死の思いで懇願した。
「見逃してくれ!折角逃がしてくれたんだ!」
斎藤からすると例え胡散臭そうな奴らだからと言って即捕縛などとは思っていなかったが、相手の方から『見逃してくれ』などと言われると逆に見逃せなくなるじゃないか阿呆どもめ、と思いたくなる。
それに『逃がしてくれたんだ』という言葉にひっかかった。
斎藤が理由を聞こうとしたその時、
「あんたもすぐ逃げた方がいい!」
と男の一人に言われたと同時にドーンという大きな音と同時にアジトが揺れた。
「何だ!」
この不意打ちに斎藤も音の方向に思わず目を見開いた。
逃げて来た男達はこの隙にと集団で斎藤の横をすり抜けていこうとした。
だが斎藤もそこまでお人よしではない。
そのうちの一人の腕を捕まえて、
「説明してもらおうか。」
「説明してる暇なんてねぇぜ!吹っ飛びたくなかったらあんたもここからすぐ出ることだ!」
男は斎藤にそう言ったが斎藤は更に男を睨んで手に力を入れた。
「痛てててて!って、火つけたんだよ!ここの武器庫に!観柳と此処をぶっぱなそうと思ってな!」
男は斎藤の睨みに気押されて慌てて喋った。
「武器庫だと・・阿呆が!」
こんな洞窟の中で火薬に火が付いたら洞窟すべてが崩れ落ちる危険があるじゃないかと斎藤はこめかみを引きつらせた。
「阿呆でも何でもいいから命が惜しけりゃあんたも早く逃げることだな!」
男は握られた腕を全力で振り払って裏口へと一目散に駆けて行った。
男を放してやった斎藤は、
「やれやれ・・。」
と、つぶやいた。
斎藤の頭の中にはこのアジトの概略の地図がすでに入っている。
恐らく武器庫であろうと思われる場所も、だ。
「武尊の話を聞いたのにこのまま帰るわけにはいかんだろうが。」
斎藤は新しい煙草に火をつけると、そのまま進み始めた。
何故武尊が影宮、いや九条の事を知っているのか。
その疑問だけはどれだけ斎藤が考えても心当りがなかった。
そのことを何度も考えながら歩いているといつの間にかアジトの近くまで来ていた。
奇しくもその途中は武尊と同じ道だった。
そして斎藤も武尊と同じく滝のところで視線を感じた。
「出て来いよ。」
斎藤は、九条の手下、あの黒ずくめの誰かかもしれないと思い誘いをかけたが返事はなかった。
斎藤はしばらく待ってみたが何も返事どころかその気配さえもなくなったので怪しみながらも先へ進んだ。
日が傾くと山の谷間はすぐに暗くなる。
斎藤はかつてのアジトの裏口に向かうと、手頃な枝を林の中から拾いそれを松明替わりにして中へ入っていった。
薄暗い通路を斎藤は進む。
上層のきちんとした志々雄達がいた部屋に比べると、この辺りの下層は土が丸出しのトンネルそのもので迷路のように入り組んでいるのだ。
トンネルのその壁を良く見ると、新しく掘ったところもあればもう掘ってかなり経つと思われるところもある。
志々雄が死んだ後、一応このアジトの捜索はやってはいたのだがその後にこのように手が加えられて使われていたのは知らなかったと斎藤は眉間にしわを寄せながら進んでいった。
壁の新しい方へ新しい方へと進んでいくうちに松明はいらなくなった。
壁際にろうそく灯りが所々にあったからだ。
どうやら間違いなく誰かが使用しているらしいと斎藤が思った時、突然前方から数人の足音が近づいて来た。
斎藤は持っていた灯りを地面に落とすと両手をあけて隠れることなく通路の真ん中に立った。
「待て!誰かいるぞ!」
走ってきた男達は斎藤の姿を認識出来る所で止まってギョッとした。
「警官だ!」
全員娑婆でまともな仕事をしていなかった者ばかりなので斎藤の姿に慌てた。
折角死刑宣告の日々から抜け出せたのにここで捕まったら洒落にならないという思いが全員の頭にサッとよぎった。
だがその中でいち早く落ち着きを取り戻した者が鋭く自分たちを睨む斎藤に必死の思いで懇願した。
「見逃してくれ!折角逃がしてくれたんだ!」
斎藤からすると例え胡散臭そうな奴らだからと言って即捕縛などとは思っていなかったが、相手の方から『見逃してくれ』などと言われると逆に見逃せなくなるじゃないか阿呆どもめ、と思いたくなる。
それに『逃がしてくれたんだ』という言葉にひっかかった。
斎藤が理由を聞こうとしたその時、
「あんたもすぐ逃げた方がいい!」
と男の一人に言われたと同時にドーンという大きな音と同時にアジトが揺れた。
「何だ!」
この不意打ちに斎藤も音の方向に思わず目を見開いた。
逃げて来た男達はこの隙にと集団で斎藤の横をすり抜けていこうとした。
だが斎藤もそこまでお人よしではない。
そのうちの一人の腕を捕まえて、
「説明してもらおうか。」
「説明してる暇なんてねぇぜ!吹っ飛びたくなかったらあんたもここからすぐ出ることだ!」
男は斎藤にそう言ったが斎藤は更に男を睨んで手に力を入れた。
「痛てててて!って、火つけたんだよ!ここの武器庫に!観柳と此処をぶっぱなそうと思ってな!」
男は斎藤の睨みに気押されて慌てて喋った。
「武器庫だと・・阿呆が!」
こんな洞窟の中で火薬に火が付いたら洞窟すべてが崩れ落ちる危険があるじゃないかと斎藤はこめかみを引きつらせた。
「阿呆でも何でもいいから命が惜しけりゃあんたも早く逃げることだな!」
男は握られた腕を全力で振り払って裏口へと一目散に駆けて行った。
男を放してやった斎藤は、
「やれやれ・・。」
と、つぶやいた。
斎藤の頭の中にはこのアジトの概略の地図がすでに入っている。
恐らく武器庫であろうと思われる場所も、だ。
「武尊の話を聞いたのにこのまま帰るわけにはいかんだろうが。」
斎藤は新しい煙草に火をつけると、そのまま進み始めた。