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267.葵屋、夜の前哨戦 (蒼紫・夢主・翁・葵屋の皆)
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廊下に抜き足差し足する影二つ。
「ちょっとお増・・何であなたまでいるのよ。」
「それはお近さんもでしょ。」
小声でこそこそ話すのはお近とお増。
「真面目なお増がのぞき見しようだなんて思わなかったわよ。」
「わ・・私は操ちゃんに話をする時のためにもちゃんと自分の目で見ておかないとと思ったのよ。」
理由はともかく、お近もお増も本当の所はあの【蒼紫様】が自ら妻を御指名するなどまだ信じられなかった。
「だって今までどんなに女衆にキャーキャー言われても愛想はないし興味も持たなかった蒼紫様が武尊さんと夫婦だなんて一体どういう風の吹き回しなのよ。」
多少なりとも・・いや、かなり自分では容姿に自信があるお近は普段から溜め込んでいた不満いっぱいだ。
「何か裏があるに違いないわ。」
と、お近がぐっと気合を入れたまさにその時、くノ一の二人にも聞こえないくらいの微かな風音がヒュ、ヒュと鳴った。
「「!」」
お増もお近も一瞬ビクっと身体を震わせその場に倒れた。
「裏などあるわけがないだろう。」
呟きと共に蒼紫が影の様に現れ、二人の首に刺さった吹き矢を回収した。
蒼紫は二人を左右の肩にかつぐと勝手場で翌日の仕込みをしている黒と白に引き渡した。
「御頭・・。」
「今宵邪魔は許さん、いいな。」
蒼紫のただならぬ殺気に黒も白も無言で首を縦に振る。
事前準備を終えた蒼紫はそそくさとお風呂へ向かうのだった。
2019.11.25