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267.葵屋、夜の前哨戦 (蒼紫・夢主・翁・葵屋の皆)
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(ああ~、行っちゃった。)
有無を言わさずお膳を持って行かれ、武尊は部屋にポツンと残された感じだった。
(ま、こうなったらお風呂行くしかないんだけど。冷めたらもったいないもんね。)
と気を取り直して武尊は先にお風呂に行かせてもらうことにした。
「それにしても・・。」
湯船の中で独り言が口からもれる。
「やることってなんだろ?千枚漬けの仕込み?・・まさかね。それにそれは明日にするって言ったよね。」
湯気の中でふぅと息を吐き、武尊はもう少し身体を湯に沈めた。
「・・まあ一緒に入られても気が落ち着かないだけだからこうやって一人で入る方がいいんだけど。」
と、つぶやくも薪を足してくれたのか熱めのお湯で武尊は早くも茹で上がりそうだった。
「もう出ちゃおうかな。」
お風呂をあがり武尊は縁側伝いに部屋へ戻る途中に蒼紫に会った。
「お先にお風呂ありがとう、まだ熱かったよ。」
「そのようだな。」
赤らんだ武尊の顔はいかにも茹で上がってますといった感じで蒼紫は思わず笑みをこぼした。
「な、なに?」
武尊は蒼紫がいきなり笑う理由が分からなく、ちょっと警戒してわざと上目遣いで蒼紫を軽く睨んだ。
そうすると蒼紫は肩を揺らしてくくくと笑った。
「もう!何!」
武尊は何が蒼紫の笑いのツボなのかが分からず頬を膨らませた。
「いや・・、俺も存外馬鹿な男だと思ってな。」
と、武尊の腕を捕まえて自分の胸に閉じ込めた。
「え・・?蒼紫、意味が分からないよ。」
武尊が押し付けられた蒼紫の胸の中でそう言うと、
「いや、、他の女には可愛いなど思ったこともなかった俺が武尊が赤い顔をしてようが、すねた顔をしてようが愛らしくてたまらないと思う自分がおかしくてな。」
「蒼紫・・。」
武尊は顔を上げて蒼紫の目をのぞき込んだ。
そこには昨晩の底のない穴のような闇の瞳はどこにもなかった。
武尊はたまらなくなって自分の顔をぎゅっと蒼紫の胸に押し付けた。
なんだか泣きそうな気分になった。
「どうかしたか。」
「ううん。」
横を向いた武尊の顔に庭の端にあった柚子が視界に入った。
「・・柚子の皮を千枚漬けに入れてみたらいいと思う。」
蒼紫が武尊の顔の向いた方向に視線を移すと確かにそこに柚子があった。
「良いな、明日にでも試してみよう。さ、折角温まった身体が冷えてしまう。早く戻った方がいい。俺もすぐ戻る。」
と、武尊を解放した。
「そうだね、待ってるよ。」
何だかもやもやした気持ちのまま武尊が蒼紫の部屋の障子を開けると・・そこにはたたんでおいたはずの布団がもう一組の布団をしっかりくっつけて敷いてあった。
「・・ぅ!」
もやもやした気分から一転、武尊の心臓はドクドクと速さを増していく。
(なにこれ!まるで新婚初夜みたいじゃん!)
あからさまな室内の状況に武尊は思わず開いた障子をピシャっと一回閉めて固まったのだった。
布団を敷いたのはもちろん蒼紫。
散々武尊を犯したことは本人の中では今は別の次元の話になっていて、武尊の夫というシチュエーションに一人盛り上がっていた。
自室でしっぽりねっとり情事を・・武尊を可愛がる計画を遂行する為の準備を武尊が風呂に行っている間に行っていたのだった。
だがそんなに長い時間布団を敷いて妄想にいそしんでいたわけではない。
この葵屋には出歯亀がそろいもそろっていることを蒼紫は知っていた。
特に【翁】。
武尊と初夜の契りを交わすともなればどんな手段を使っても盗み見盗み聞きをし、後々も・・おそらく生きている間ずっと、事あるごとに蒼紫にネチネチとその事を言い続けることは明白。
「悪い芽は摘んでおくのが定石・・。」
布団を敷き終わるとすぐに蒼紫は部屋を出た。
勝手場での操捜索会議は神谷道場からの連絡を待つということでいったん解散となり、それぞれが持ち場に戻った。
翁は蒼紫の予想通り、こんな面白いことはないと忍び服をしっかり着込み準備を整えていた。
助平ジジイは武尊が蒼紫に如何に感じさせられ喘ぐのかと想像すし、目元口元がだらしなく緩む。
「さて、蒼紫の晴れの舞台を特等席で観覧じゃ。(ハート)」
翁はこの日の為に蒼紫不在時に天井裏の改造をしておいたのだ。
「ショータイムの始まりじゃ~!」
と、ウシシシと一人勝手な妄想が楽しく小躍りしてしまう。
いざ行かん、レッツゴーと部屋の障子を開けるとそこには仁王立ちの蒼紫の姿。
「ぎょっ!」
驚きのあまり変な声をあげた瞬間、翁は蒼紫の鉄拳で沈んだ。
「悪く思うなよ翁。」
蒼紫は絶対に縄抜け出来ないよう白目をむいた翁をガッツリ縛ると、
「朝まで寝てろ。」
と言い捨て踵を返したのだった。
有無を言わさずお膳を持って行かれ、武尊は部屋にポツンと残された感じだった。
(ま、こうなったらお風呂行くしかないんだけど。冷めたらもったいないもんね。)
と気を取り直して武尊は先にお風呂に行かせてもらうことにした。
「それにしても・・。」
湯船の中で独り言が口からもれる。
「やることってなんだろ?千枚漬けの仕込み?・・まさかね。それにそれは明日にするって言ったよね。」
湯気の中でふぅと息を吐き、武尊はもう少し身体を湯に沈めた。
「・・まあ一緒に入られても気が落ち着かないだけだからこうやって一人で入る方がいいんだけど。」
と、つぶやくも薪を足してくれたのか熱めのお湯で武尊は早くも茹で上がりそうだった。
「もう出ちゃおうかな。」
お風呂をあがり武尊は縁側伝いに部屋へ戻る途中に蒼紫に会った。
「お先にお風呂ありがとう、まだ熱かったよ。」
「そのようだな。」
赤らんだ武尊の顔はいかにも茹で上がってますといった感じで蒼紫は思わず笑みをこぼした。
「な、なに?」
武尊は蒼紫がいきなり笑う理由が分からなく、ちょっと警戒してわざと上目遣いで蒼紫を軽く睨んだ。
そうすると蒼紫は肩を揺らしてくくくと笑った。
「もう!何!」
武尊は何が蒼紫の笑いのツボなのかが分からず頬を膨らませた。
「いや・・、俺も存外馬鹿な男だと思ってな。」
と、武尊の腕を捕まえて自分の胸に閉じ込めた。
「え・・?蒼紫、意味が分からないよ。」
武尊が押し付けられた蒼紫の胸の中でそう言うと、
「いや、、他の女には可愛いなど思ったこともなかった俺が武尊が赤い顔をしてようが、すねた顔をしてようが愛らしくてたまらないと思う自分がおかしくてな。」
「蒼紫・・。」
武尊は顔を上げて蒼紫の目をのぞき込んだ。
そこには昨晩の底のない穴のような闇の瞳はどこにもなかった。
武尊はたまらなくなって自分の顔をぎゅっと蒼紫の胸に押し付けた。
なんだか泣きそうな気分になった。
「どうかしたか。」
「ううん。」
横を向いた武尊の顔に庭の端にあった柚子が視界に入った。
「・・柚子の皮を千枚漬けに入れてみたらいいと思う。」
蒼紫が武尊の顔の向いた方向に視線を移すと確かにそこに柚子があった。
「良いな、明日にでも試してみよう。さ、折角温まった身体が冷えてしまう。早く戻った方がいい。俺もすぐ戻る。」
と、武尊を解放した。
「そうだね、待ってるよ。」
何だかもやもやした気持ちのまま武尊が蒼紫の部屋の障子を開けると・・そこにはたたんでおいたはずの布団がもう一組の布団をしっかりくっつけて敷いてあった。
「・・ぅ!」
もやもやした気分から一転、武尊の心臓はドクドクと速さを増していく。
(なにこれ!まるで新婚初夜みたいじゃん!)
あからさまな室内の状況に武尊は思わず開いた障子をピシャっと一回閉めて固まったのだった。
布団を敷いたのはもちろん蒼紫。
散々武尊を犯したことは本人の中では今は別の次元の話になっていて、武尊の夫というシチュエーションに一人盛り上がっていた。
自室でしっぽりねっとり情事を・・武尊を可愛がる計画を遂行する為の準備を武尊が風呂に行っている間に行っていたのだった。
だがそんなに長い時間布団を敷いて妄想にいそしんでいたわけではない。
この葵屋には出歯亀がそろいもそろっていることを蒼紫は知っていた。
特に【翁】。
武尊と初夜の契りを交わすともなればどんな手段を使っても盗み見盗み聞きをし、後々も・・おそらく生きている間ずっと、事あるごとに蒼紫にネチネチとその事を言い続けることは明白。
「悪い芽は摘んでおくのが定石・・。」
布団を敷き終わるとすぐに蒼紫は部屋を出た。
勝手場での操捜索会議は神谷道場からの連絡を待つということでいったん解散となり、それぞれが持ち場に戻った。
翁は蒼紫の予想通り、こんな面白いことはないと忍び服をしっかり着込み準備を整えていた。
助平ジジイは武尊が蒼紫に如何に感じさせられ喘ぐのかと想像すし、目元口元がだらしなく緩む。
「さて、蒼紫の晴れの舞台を特等席で観覧じゃ。(ハート)」
翁はこの日の為に蒼紫不在時に天井裏の改造をしておいたのだ。
「ショータイムの始まりじゃ~!」
と、ウシシシと一人勝手な妄想が楽しく小躍りしてしまう。
いざ行かん、レッツゴーと部屋の障子を開けるとそこには仁王立ちの蒼紫の姿。
「ぎょっ!」
驚きのあまり変な声をあげた瞬間、翁は蒼紫の鉄拳で沈んだ。
「悪く思うなよ翁。」
蒼紫は絶対に縄抜け出来ないよう白目をむいた翁をガッツリ縛ると、
「朝まで寝てろ。」
と言い捨て踵を返したのだった。