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243.炎の壁 (操・蒼紫・斎藤・夢主)
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京の都は見知った道。
故に洛中に馬車がいる間は見失うことはなかった蒼紫だったが馬車が郊外に出て更にスピードを上げるとついていけなくなった。
だがそれでこそ相手が何処に向かおうとしているのか見当がついた蒼紫だった。
(この方角で行くと十中八九、志々雄のアジトか!)
蒼紫が再びその馬車を見つけたのはアジトより少し手前だった。
しかし何故ここに馬車が置いてあるのだろうかと蒼紫は疑問に思った。
九条が乗っていたならば、この間と同じように直接中へ入って行ったはずだ。
これは何かの罠なのか・・
それとも操をここで下したからなのか・・
と、蒼紫は注意深く馬車の周りを見廻った。
しかし特に変わったことはなくしばらく蒼紫はアジト入り口に戻り見張りに目を光らせた。
その間にも日は傾いてくる。
蒼紫は操の身を案ずるといつまでもこうしているわけにはいかぬと中へ入る決意をした。
この間は武尊がいたが今日は一人。
武尊の実力を疑うわけではないがこのような場合は一人の方が都合が良いと、蒼紫はアジトの入り口へ向かった。
「ん?何だあの野郎は?」
見張りに立っていた二人が正々堂々道の真ん中を歩いて来た蒼紫を見つけた。
「誰だお前は・・
一人が蒼紫に何者かを尋ねようとした時、御庭番式拳法を喰らった二人は一瞬のうちに倒れた。
蒼紫は、
「今日は物見遊山で来たわけではない。しばらくの間そうしていろ。」
と呟くと影のように奥へと向かった。
勝手知ったるアジト・・とは言えその様子は少し変わっていた。
安慈の間を抜けた向こうには小さな鉢に植えられた植物が沢山置いてある広い部屋があった。
(ケシ・・阿片か!)
薬草に詳しい蒼紫は一目瞭然にその植物の正体を見破った。
誰が、いつ、ここにそのような物を栽培しているのか。
問うまでもなく九条が絡んでいるのは間違いないと蒼紫は思った。
しかし突然侵入してきた蒼紫に対し、その部屋にいた作業員約三十人が次々に蒼紫へ襲い掛かってきた。
不法侵入者は生きて帰すなと言われていたからだ。
蒼紫は相手が問答無用というのならと小太刀二刀流になると峰打ちですべて倒した。
蒼紫にとっては大したことなどない人数だったが、次の部屋も同じようにケシが栽培されており同じように相手を倒した。
が、そのまた次も同じような部屋で蒼紫は絶句した。
いったいどれ程の阿片を作っているのかと思いながら更に進むとまたケシの部屋だった。
結局ケシの間は全部で四つ。
それでも阿片はかなりの量が作れるのではないかと蒼紫は考えた。
九条とケシ栽培・・とんだ大きな秘密を握ったと蒼紫は表情険しく更に奥へ進んだ。
その後はしばらく長い通路が続いたが敵らしい敵は所々に見回りがいたぐらいで蒼紫はそれらを瞬時に倒し先へ進んだ。
そしてついに、蒼紫は翌見覚えのある部屋の前に立った。
・・方治の間だった。
蒼紫は静かにその扉を開けると、そこは剣心を闘った時の状態のままだった。
乱れた本棚、そして散乱している本、本、本。
蒼紫は思わず落ちている横文字の本を一冊
拾い上げ、パンパンと誇りを叩くとそれを懐に入れたその時・・・・
・・ガガガガガガガガガガ!
その音はかなり遠くで小さかったが蒼紫にははっきりと聞き取れた。
それは蒼紫にとって忘れられない忌まわしい音だった。
(・・この音はガトリングガン!)
何故今ここでその音を聞かなければならないのか。
その時蒼紫の脳内であの観柳邸の記憶と操の顔が重なった。
(まさか!)
ハッとした蒼紫は無意識のうちにその音がする階下の方へ全速力で駆けだしていた。
その間ガトリングガンの連射の音は何度か聞こえた。
そしてその音がしなくなったなと思ったら今度はズーンという重たい音と同時にアジト全体がグラグラと揺れた。
一体何が起こっているのかと蒼紫も想像しがたく思った矢先正面に見える閉まった重厚な鉄扉からドンドンドンドンと扉を叩く音が聞こえた。
そして数人の男の声に交じって、
「バカ!何で開かないのよ!」
と紛れもなく操の声がした。
そうやらこの扉が開かないらしいのは蒼紫にもすぐ分かり、
「扉の前から離れろ!」
と蒼紫は叫んだ。
そして少し間を置いて、
「回転剣舞六連!」
の声と共に鉄扉が粉砕された。
通れるようになった通路を炎と煙から逃げる数人の男達が出て行く中に操が蒼紫をじっと見つめて立っていた。
「蒼紫様!」
操は蒼紫の名を叫ぶと蒼紫に向かって駆けだしていた。
そして蒼紫の胸に飛び込んだ。
「蒼紫様、蒼紫様!」
操は張り詰めていた緊張の糸が切れたのか涙声で蒼紫の名を呼んでいた。
蒼紫は操の両肩に手をそっと置きながらも、
「何があったんだ、どうした。状況を説明しろ。」
と言った。
扉を破ってから流れて来た煙の臭い。
蒼紫はどこかで火事が起こっているのは間違いないと思いながらもあのガトリングガンの音やアジトを揺るがした地響きが気になり操に状況を聞いた。
操は何より蒼紫や般若達の誇りを汚した観柳の罪を暴きたくて、そして蒼紫を火事の危険から遠ざけたくて武尊の言葉を思い出し、
「蒼紫様、馬小屋はどこ?急いで探さなくっちゃ!」
と、蒼紫が来た方向へ駆けだした。
「操!」
蒼紫は操はやはり此処に居た、操が無事ならそれでいいと思いながらマントを翻した。
だが一瞬、操がいた扉の奥の通路に何かが引っかかるような気がして振り返った。
だが操から目を離すとまた何処かへ勝手に行ってしまいそうだったので操と共に一先ずここから出ることにしたのだった。
故に洛中に馬車がいる間は見失うことはなかった蒼紫だったが馬車が郊外に出て更にスピードを上げるとついていけなくなった。
だがそれでこそ相手が何処に向かおうとしているのか見当がついた蒼紫だった。
(この方角で行くと十中八九、志々雄のアジトか!)
蒼紫が再びその馬車を見つけたのはアジトより少し手前だった。
しかし何故ここに馬車が置いてあるのだろうかと蒼紫は疑問に思った。
九条が乗っていたならば、この間と同じように直接中へ入って行ったはずだ。
これは何かの罠なのか・・
それとも操をここで下したからなのか・・
と、蒼紫は注意深く馬車の周りを見廻った。
しかし特に変わったことはなくしばらく蒼紫はアジト入り口に戻り見張りに目を光らせた。
その間にも日は傾いてくる。
蒼紫は操の身を案ずるといつまでもこうしているわけにはいかぬと中へ入る決意をした。
この間は武尊がいたが今日は一人。
武尊の実力を疑うわけではないがこのような場合は一人の方が都合が良いと、蒼紫はアジトの入り口へ向かった。
「ん?何だあの野郎は?」
見張りに立っていた二人が正々堂々道の真ん中を歩いて来た蒼紫を見つけた。
「誰だお前は・・
一人が蒼紫に何者かを尋ねようとした時、御庭番式拳法を喰らった二人は一瞬のうちに倒れた。
蒼紫は、
「今日は物見遊山で来たわけではない。しばらくの間そうしていろ。」
と呟くと影のように奥へと向かった。
勝手知ったるアジト・・とは言えその様子は少し変わっていた。
安慈の間を抜けた向こうには小さな鉢に植えられた植物が沢山置いてある広い部屋があった。
(ケシ・・阿片か!)
薬草に詳しい蒼紫は一目瞭然にその植物の正体を見破った。
誰が、いつ、ここにそのような物を栽培しているのか。
問うまでもなく九条が絡んでいるのは間違いないと蒼紫は思った。
しかし突然侵入してきた蒼紫に対し、その部屋にいた作業員約三十人が次々に蒼紫へ襲い掛かってきた。
不法侵入者は生きて帰すなと言われていたからだ。
蒼紫は相手が問答無用というのならと小太刀二刀流になると峰打ちですべて倒した。
蒼紫にとっては大したことなどない人数だったが、次の部屋も同じようにケシが栽培されており同じように相手を倒した。
が、そのまた次も同じような部屋で蒼紫は絶句した。
いったいどれ程の阿片を作っているのかと思いながら更に進むとまたケシの部屋だった。
結局ケシの間は全部で四つ。
それでも阿片はかなりの量が作れるのではないかと蒼紫は考えた。
九条とケシ栽培・・とんだ大きな秘密を握ったと蒼紫は表情険しく更に奥へ進んだ。
その後はしばらく長い通路が続いたが敵らしい敵は所々に見回りがいたぐらいで蒼紫はそれらを瞬時に倒し先へ進んだ。
そしてついに、蒼紫は翌見覚えのある部屋の前に立った。
・・方治の間だった。
蒼紫は静かにその扉を開けると、そこは剣心を闘った時の状態のままだった。
乱れた本棚、そして散乱している本、本、本。
蒼紫は思わず落ちている横文字の本を一冊
拾い上げ、パンパンと誇りを叩くとそれを懐に入れたその時・・・・
・・ガガガガガガガガガガ!
その音はかなり遠くで小さかったが蒼紫にははっきりと聞き取れた。
それは蒼紫にとって忘れられない忌まわしい音だった。
(・・この音はガトリングガン!)
何故今ここでその音を聞かなければならないのか。
その時蒼紫の脳内であの観柳邸の記憶と操の顔が重なった。
(まさか!)
ハッとした蒼紫は無意識のうちにその音がする階下の方へ全速力で駆けだしていた。
その間ガトリングガンの連射の音は何度か聞こえた。
そしてその音がしなくなったなと思ったら今度はズーンという重たい音と同時にアジト全体がグラグラと揺れた。
一体何が起こっているのかと蒼紫も想像しがたく思った矢先正面に見える閉まった重厚な鉄扉からドンドンドンドンと扉を叩く音が聞こえた。
そして数人の男の声に交じって、
「バカ!何で開かないのよ!」
と紛れもなく操の声がした。
そうやらこの扉が開かないらしいのは蒼紫にもすぐ分かり、
「扉の前から離れろ!」
と蒼紫は叫んだ。
そして少し間を置いて、
「回転剣舞六連!」
の声と共に鉄扉が粉砕された。
通れるようになった通路を炎と煙から逃げる数人の男達が出て行く中に操が蒼紫をじっと見つめて立っていた。
「蒼紫様!」
操は蒼紫の名を叫ぶと蒼紫に向かって駆けだしていた。
そして蒼紫の胸に飛び込んだ。
「蒼紫様、蒼紫様!」
操は張り詰めていた緊張の糸が切れたのか涙声で蒼紫の名を呼んでいた。
蒼紫は操の両肩に手をそっと置きながらも、
「何があったんだ、どうした。状況を説明しろ。」
と言った。
扉を破ってから流れて来た煙の臭い。
蒼紫はどこかで火事が起こっているのは間違いないと思いながらもあのガトリングガンの音やアジトを揺るがした地響きが気になり操に状況を聞いた。
操は何より蒼紫や般若達の誇りを汚した観柳の罪を暴きたくて、そして蒼紫を火事の危険から遠ざけたくて武尊の言葉を思い出し、
「蒼紫様、馬小屋はどこ?急いで探さなくっちゃ!」
と、蒼紫が来た方向へ駆けだした。
「操!」
蒼紫は操はやはり此処に居た、操が無事ならそれでいいと思いながらマントを翻した。
だが一瞬、操がいた扉の奥の通路に何かが引っかかるような気がして振り返った。
だが操から目を離すとまた何処かへ勝手に行ってしまいそうだったので操と共に一先ずここから出ることにしたのだった。