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266.操の家出 (蒼紫・夢主・翁・操・葵屋の皆)
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蒼紫は風呂場へ行き薪をくべると翁を探した。
だが翁の部屋は空っぽで歩いているうちに勝手場の方で翁の声を聞きそちらへ向かった。
「だから操ちゃんがそこに向かったってどうして分かるんですか!」
「そうですよ、もしそこにいなかったらどうするんです。」
「早く探しにいかないと!」
勝手場に行ってみると翁は黒、白、お近、お増に取り囲まれている。
「・・何の騒ぎだ。」
「「「「!!」」」」
白熱するあまりに武尊に気が付かなかった四人は突然の蒼紫にギクリとして振り返った。
黒が気まずそうに、
「蒼紫様・・操ちゃんが家出したそうです。」
と言った。
するとお増が恐る恐る口を開いた。、
「蒼紫様の所為です!操ちゃんの気持ち・・知ってましたよね・・。」
「嗚呼・・。」
蒼紫は短く返事をすると翁に聞いた。
「翁、行先に心当たりがあるのか。」
「恋愛分析指南の儂の思う所はただ一つ!神谷道場じゃ。操が恋愛相談が出来るのは薫さんぐらいしかおらんじゃろ。なんせここでは儂にでさえ相談出来んかったんじゃからな。」
翁が腕を組んで自己満足的にうんうんと頷く。
「翁。」
蒼紫の呼びかけに翁は察しているとばかりに、
「このような事態をも推測して既に神谷道場には文を出しておいたわい。まあ、土岐君のことはそれとして操が落ち着いたころに迎えに行ってやればよいじゃろう。今は儂らが無理に連れて帰ろうとしても無理であろうからのぅ。」
とため息交じりに言った。
「そうね、今の操ちゃんはきっと私達が何を言っても聞いてもらえそうにないから・・。」
「薫さんに任せるしかないかもね・・。」
お近もお増もあんな操でも蒼紫に対する乙女心は人並み以上なのを知っているがゆえに操のことが心配で仕方がない。
蒼紫と操がくっつけば、いや、自然にくっつくとばかりに今までは思っていたのが冷静に考えればそれこそが根拠のない自分達に都合が良い願望だったことに気が付く。
四人が押し黙った今蒼紫が口を開いた。
「突然の話ですまない。だが暫くはこちらで世話になりたい。武尊の事、よろしく頼む。」
蒼紫はそう言って頭を下げた。
「御頭・・。」
「蒼紫・・。」
「蒼紫様・・。」
その場にいるものはすべて言葉を失って蒼紫を見た。
あのプライド高き蒼紫が目の前で頭を自分達に下げているのだ。
とても信じられなくて幻でも見ているのではないかと錯覚してしまうほどだ。
「はい・・。」
誰となくそう返事をすると蒼紫は勝手場を去って行った。
翁と他四人はそのまま暫く無言で動けなかった。
だが翁の部屋は空っぽで歩いているうちに勝手場の方で翁の声を聞きそちらへ向かった。
「だから操ちゃんがそこに向かったってどうして分かるんですか!」
「そうですよ、もしそこにいなかったらどうするんです。」
「早く探しにいかないと!」
勝手場に行ってみると翁は黒、白、お近、お増に取り囲まれている。
「・・何の騒ぎだ。」
「「「「!!」」」」
白熱するあまりに武尊に気が付かなかった四人は突然の蒼紫にギクリとして振り返った。
黒が気まずそうに、
「蒼紫様・・操ちゃんが家出したそうです。」
と言った。
するとお増が恐る恐る口を開いた。、
「蒼紫様の所為です!操ちゃんの気持ち・・知ってましたよね・・。」
「嗚呼・・。」
蒼紫は短く返事をすると翁に聞いた。
「翁、行先に心当たりがあるのか。」
「恋愛分析指南の儂の思う所はただ一つ!神谷道場じゃ。操が恋愛相談が出来るのは薫さんぐらいしかおらんじゃろ。なんせここでは儂にでさえ相談出来んかったんじゃからな。」
翁が腕を組んで自己満足的にうんうんと頷く。
「翁。」
蒼紫の呼びかけに翁は察しているとばかりに、
「このような事態をも推測して既に神谷道場には文を出しておいたわい。まあ、土岐君のことはそれとして操が落ち着いたころに迎えに行ってやればよいじゃろう。今は儂らが無理に連れて帰ろうとしても無理であろうからのぅ。」
とため息交じりに言った。
「そうね、今の操ちゃんはきっと私達が何を言っても聞いてもらえそうにないから・・。」
「薫さんに任せるしかないかもね・・。」
お近もお増もあんな操でも蒼紫に対する乙女心は人並み以上なのを知っているがゆえに操のことが心配で仕方がない。
蒼紫と操がくっつけば、いや、自然にくっつくとばかりに今までは思っていたのが冷静に考えればそれこそが根拠のない自分達に都合が良い願望だったことに気が付く。
四人が押し黙った今蒼紫が口を開いた。
「突然の話ですまない。だが暫くはこちらで世話になりたい。武尊の事、よろしく頼む。」
蒼紫はそう言って頭を下げた。
「御頭・・。」
「蒼紫・・。」
「蒼紫様・・。」
その場にいるものはすべて言葉を失って蒼紫を見た。
あのプライド高き蒼紫が目の前で頭を自分達に下げているのだ。
とても信じられなくて幻でも見ているのではないかと錯覚してしまうほどだ。
「はい・・。」
誰となくそう返事をすると蒼紫は勝手場を去って行った。
翁と他四人はそのまま暫く無言で動けなかった。