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265.夫婦(めおと)ごっこの始まり (蒼紫・夢主・翁・お増・操)
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*** 時は数刻前に戻る ***
翁は、蒼紫の投げ文を読むと『やれやれ』と立ち上がり帯を締め直すと部屋を出た。
冴え冴えとした月光の中、翁が向かったのは中庭の奥の蔵。
南京錠を開け、中で灯りを点けるとガサゴソと行李(こうり)を探る。
「おお、これじゃこれじゃ。」
取り出したのは蒔絵の美しい漆の箱。
「これを使う日が来るとは思わんかったがのぅ・・腕がなるわい。」
翁は箱を開け中身を確認するとカタンと閉じ・・目元口元を緩めた。
エロなじじいの分だけ女の値踏みは得意な翁は武尊の白いもち肌を想像し思わず涎を垂らしそうになった。
「おっと・・いかんいかん。」
慌ててコホンと小さく咳払いをし、武尊に諦めてくれと言わんばかりに
「本気の蒼紫には誰も勝てんわい。」
と肩をすくめた。
そして今頃蒼紫が行っているであろう行為を想像し盛大にため息をついた。
「人の部分が残っていればよいのじゃが・・。」
ともあれ事が終わって蒼紫と土岐が戻って来た時は一大事となることは明白。
「という事で飲むのは今日しかないのぅ。」
と、翁は勝手場へ行きこそっと上等な酒を持ち部屋へ戻るのだった。
「ともあれまずは祝い酒じゃな。」
冷徹非情の御庭番御頭として完璧な蒼紫だがその心根は不器用な優しさが隠されている。
その優しさ故、他人の事ばかり考え自己の欲求を押し殺していた蒼紫が遂に本能の牙をむいたのだ。
それが翁にとって可愛くて、嬉しくて仕方がない。
「操であればよかったんじゃがのぅ・・。」
愚痴の一つが口からポロリと漏れるが、止まった蒼紫の時間を未来へ向けたのは操ではなく武尊だった。
偶然の出会いの良し悪しは流石の翁にも判りかねる。
蒼紫が戻った時の操の事を考えると胸がチクチク痛む。
操が泣く姿、操が怒る姿、どう転んでもただではすまぬと翁は髭を撫でる。
「操、女は諦めが肝心じゃぞ~。」
感傷に浸る翁は久しぶりにぐいぐいと酒が進み一升瓶があっという間に空になった。
既に上機嫌に酔っぱらった翁は押し入れの奥にしまってあった鼓を取り出すと、
「いよ~~~ぉ」
と掛け声をかけ、いきなり鼓を持って舞いだした。
ポン ポン ポポン♪
深夜に響く鼓の音に翁の唄。
一ぉつ~~~、一突き まだ足らなぬぅ~~
二ぁつ~~~、二突き あらいやよ♪
三ぃつぅ~~、水音 あふれて~~ええ~~はぁ~~♪
四ぉつ~~、よいよい ここどうじゃ~~♪
五つぅ~~、いよいよ 良い声じゃ~~♪
六ぅつぅ~~、息子が あばれちょる♪
七ぁつ~~、中から 汁溢れぇ~~
八つ・・
「翁!うるさいっ!!いったい今何時だと思ってるですか!」
翁が上機嫌で舞っている最中、振り返れば鬼の形相で腕組みしたお増が立っていた。
「なんじゃい、お増か。いつ見てもべっぴんじゃのぅ~~。」
翁は酒臭い赤い顔をお増に近づけた。
・・瞬間お増のアッパーが翁の顎に命中し、翁は空を飛んで後ろの床柱にぶち当たった。
「夜中まで起きているのは勝手ですが静かにお願いします!しかも下品な唄厳禁!!ご近所迷惑です、いいですね!!」
仰け反り倒れた翁にお増はそう釘をさすとぷんすか怒って帰っていった。
しかしお増が行った後、酔いが回った翁は笑いが込み上げて仕方がない。
「遂に蒼紫が・・やりおったわい!むひょ、むひょひょひょひょ!」
少々酔っているため笑いが不自然なのは仕方がない。
だが頭を打ったショックで少し意識が朦朧となったところを酔いが追い打ちをかけ、翁はそのまま寝てしまったのだった。
翁は、蒼紫の投げ文を読むと『やれやれ』と立ち上がり帯を締め直すと部屋を出た。
冴え冴えとした月光の中、翁が向かったのは中庭の奥の蔵。
南京錠を開け、中で灯りを点けるとガサゴソと行李(こうり)を探る。
「おお、これじゃこれじゃ。」
取り出したのは蒔絵の美しい漆の箱。
「これを使う日が来るとは思わんかったがのぅ・・腕がなるわい。」
翁は箱を開け中身を確認するとカタンと閉じ・・目元口元を緩めた。
エロなじじいの分だけ女の値踏みは得意な翁は武尊の白いもち肌を想像し思わず涎を垂らしそうになった。
「おっと・・いかんいかん。」
慌ててコホンと小さく咳払いをし、武尊に諦めてくれと言わんばかりに
「本気の蒼紫には誰も勝てんわい。」
と肩をすくめた。
そして今頃蒼紫が行っているであろう行為を想像し盛大にため息をついた。
「人の部分が残っていればよいのじゃが・・。」
ともあれ事が終わって蒼紫と土岐が戻って来た時は一大事となることは明白。
「という事で飲むのは今日しかないのぅ。」
と、翁は勝手場へ行きこそっと上等な酒を持ち部屋へ戻るのだった。
「ともあれまずは祝い酒じゃな。」
冷徹非情の御庭番御頭として完璧な蒼紫だがその心根は不器用な優しさが隠されている。
その優しさ故、他人の事ばかり考え自己の欲求を押し殺していた蒼紫が遂に本能の牙をむいたのだ。
それが翁にとって可愛くて、嬉しくて仕方がない。
「操であればよかったんじゃがのぅ・・。」
愚痴の一つが口からポロリと漏れるが、止まった蒼紫の時間を未来へ向けたのは操ではなく武尊だった。
偶然の出会いの良し悪しは流石の翁にも判りかねる。
蒼紫が戻った時の操の事を考えると胸がチクチク痛む。
操が泣く姿、操が怒る姿、どう転んでもただではすまぬと翁は髭を撫でる。
「操、女は諦めが肝心じゃぞ~。」
感傷に浸る翁は久しぶりにぐいぐいと酒が進み一升瓶があっという間に空になった。
既に上機嫌に酔っぱらった翁は押し入れの奥にしまってあった鼓を取り出すと、
「いよ~~~ぉ」
と掛け声をかけ、いきなり鼓を持って舞いだした。
ポン ポン ポポン♪
深夜に響く鼓の音に翁の唄。
一ぉつ~~~、一突き まだ足らなぬぅ~~
二ぁつ~~~、二突き あらいやよ♪
三ぃつぅ~~、水音 あふれて~~ええ~~はぁ~~♪
四ぉつ~~、よいよい ここどうじゃ~~♪
五つぅ~~、いよいよ 良い声じゃ~~♪
六ぅつぅ~~、息子が あばれちょる♪
七ぁつ~~、中から 汁溢れぇ~~
八つ・・
「翁!うるさいっ!!いったい今何時だと思ってるですか!」
翁が上機嫌で舞っている最中、振り返れば鬼の形相で腕組みしたお増が立っていた。
「なんじゃい、お増か。いつ見てもべっぴんじゃのぅ~~。」
翁は酒臭い赤い顔をお増に近づけた。
・・瞬間お増のアッパーが翁の顎に命中し、翁は空を飛んで後ろの床柱にぶち当たった。
「夜中まで起きているのは勝手ですが静かにお願いします!しかも下品な唄厳禁!!ご近所迷惑です、いいですね!!」
仰け反り倒れた翁にお増はそう釘をさすとぷんすか怒って帰っていった。
しかしお増が行った後、酔いが回った翁は笑いが込み上げて仕方がない。
「遂に蒼紫が・・やりおったわい!むひょ、むひょひょひょひょ!」
少々酔っているため笑いが不自然なのは仕方がない。
だが頭を打ったショックで少し意識が朦朧となったところを酔いが追い打ちをかけ、翁はそのまま寝てしまったのだった。