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225.雨のなかにわ (操・黒・白・お近・お増・師匠・般若)
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「あーあ、雨だわ。雨が降ると憂鬱だわ~。せっかく蒼紫様と見に行こうと思った紅葉も散っちゃうじゃないのよ。こんな時はお風呂に入って気分転換ね!」
操はちゃっちゃと風呂に入ると自分の部屋に戻り大の字に寝転んで天井を見つめた。
そして楽しかった東京生活を思い返していた。
(いや・・楽しかったって言っちゃうと酷い目にあった薫さん達に悪いかな。でも私にとってはやっぱり蒼紫様と一緒に全力で緋村の力になれたこと・・やっぱり楽しかったと思う。)
そう思うと操は雨音のする庭に首を回し、屋根から伝って落ちる雨を見た。
(ここは私の家、【葵屋】・・大好きな蒼紫様と大好きなみんなのいる【葵屋】。でもどうしてこんなに面白くないんだろ?)
どこにいるのか分からない蒼紫を探し回った日々の方がまだ充実感があった。
こんな雨の日も雪の日も、噂を聞けば即飛び出したものだった。
(蒼紫様・・。)
操は小さい時の事、そしてこの前東京から帰って来るときの事を思い出していた。
ずっと蒼紫の傍を歩いていた時の気持ち。
般若達の遺骨を抱えている時でさえ、悲しいよりも蒼紫の傍にいられる事が内心嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
(蒼紫様・・蒼紫様・・蒼紫様・・。)
操は蒼紫の姿を思い描いているうちに、ついうとうとしてしまった。
『操様!』
どこかで聞いた声に操は声の方に振り向いた。
すると雨降る庭に般若がたたずんでいるではないか。
『般若君、どうしたの?』
操は立ち上がって縁側に行った。
般若も操に近寄った。
きょとんとした操に般若は恭しく頭をさげると、般若はいきなり説教を垂れた。
『どうしたもこうしたもございません!蒼紫様の御心を掴むためには、いえ、葵屋の面々から蒼紫様の嫁には操様でなくては、と思われるためにも、どうか、御真面目に働き下さい!
操様は我等、外法の者と同じではなりません!真面目に新時代を生きるのです!
・・操様・・!・・』
「・・くしょん!」
操はくしゃみで目を覚ました。
こんなに冷たい雨の降る季節、風呂上りだったとはいえ、そのまま睡眠を貪るとあっという間に体が冷えてしまう。
「んー、夢の中に般若君が出てきて、しかも怒られたような気がした~。」
操はしかめっ面をしながらムズムズした鼻をこすった。
「昔の事思い出してたからかな?般若君には小さいころいろいろ怒られたもんね。・・あ、爺やがそろそろ帰って来たかもしれないし、爺やの所へ行ってみよ。」
操が翁の部屋へ向かったところ、丁度禅寺から戻ってきた蒼紫と鉢合わせたのであった。
2016.5.30
操はちゃっちゃと風呂に入ると自分の部屋に戻り大の字に寝転んで天井を見つめた。
そして楽しかった東京生活を思い返していた。
(いや・・楽しかったって言っちゃうと酷い目にあった薫さん達に悪いかな。でも私にとってはやっぱり蒼紫様と一緒に全力で緋村の力になれたこと・・やっぱり楽しかったと思う。)
そう思うと操は雨音のする庭に首を回し、屋根から伝って落ちる雨を見た。
(ここは私の家、【葵屋】・・大好きな蒼紫様と大好きなみんなのいる【葵屋】。でもどうしてこんなに面白くないんだろ?)
どこにいるのか分からない蒼紫を探し回った日々の方がまだ充実感があった。
こんな雨の日も雪の日も、噂を聞けば即飛び出したものだった。
(蒼紫様・・。)
操は小さい時の事、そしてこの前東京から帰って来るときの事を思い出していた。
ずっと蒼紫の傍を歩いていた時の気持ち。
般若達の遺骨を抱えている時でさえ、悲しいよりも蒼紫の傍にいられる事が内心嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
(蒼紫様・・蒼紫様・・蒼紫様・・。)
操は蒼紫の姿を思い描いているうちに、ついうとうとしてしまった。
『操様!』
どこかで聞いた声に操は声の方に振り向いた。
すると雨降る庭に般若がたたずんでいるではないか。
『般若君、どうしたの?』
操は立ち上がって縁側に行った。
般若も操に近寄った。
きょとんとした操に般若は恭しく頭をさげると、般若はいきなり説教を垂れた。
『どうしたもこうしたもございません!蒼紫様の御心を掴むためには、いえ、葵屋の面々から蒼紫様の嫁には操様でなくては、と思われるためにも、どうか、御真面目に働き下さい!
操様は我等、外法の者と同じではなりません!真面目に新時代を生きるのです!
・・操様・・!・・』
「・・くしょん!」
操はくしゃみで目を覚ました。
こんなに冷たい雨の降る季節、風呂上りだったとはいえ、そのまま睡眠を貪るとあっという間に体が冷えてしまう。
「んー、夢の中に般若君が出てきて、しかも怒られたような気がした~。」
操はしかめっ面をしながらムズムズした鼻をこすった。
「昔の事思い出してたからかな?般若君には小さいころいろいろ怒られたもんね。・・あ、爺やがそろそろ帰って来たかもしれないし、爺やの所へ行ってみよ。」
操が翁の部屋へ向かったところ、丁度禅寺から戻ってきた蒼紫と鉢合わせたのであった。
2016.5.30