「あ、蒼紫様！おかえりなさい！」



操は偶然廊下で禅寺から戻ってきた蒼紫の姿を見て喜びの声をあげた。


だがすぐに蒼紫の異変に気がついた。



「蒼紫様、左肩がずぶ濡れ・・どうしたんですか？」


「あ、嗚呼・・別に大したことではない。翁は何処だ。」



蒼紫は操の問いに答えず翁の行方を聞いた。



「爺や？爺やなら爺やの部屋だと思うけど、ねぇ聞いて蒼紫様。」



操は今日の吸血鬼事件の事を蒼紫に話したくて仕方がなかったのだ。



「すまない、後で聞く。」



そっけない態度はいつもの事・・にしても、少しぐらい自分の話を聞いてくれてもいいのではと操は不満だった。


そんな操の目の前を蒼紫は通り過ぎて蒼紫は翁の部屋へ向かった。



「蒼紫様ったら！」