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223.流れてきた死体 (操・斎藤・署長)
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「蒼紫様の馬鹿!蒼紫様の馬鹿!」
蒼紫が禅寺へ出かけた事を操は念仏でも唱える様にぶつぶつと不満を言っていたが、それでは溜まったフラストレーションは発散出来ず葵屋を飛び出した。
途中で大福を五つも買い込んでそれをやけ食いのように食べながら鴨川へ向かったのだった。
すると河原に人だかりが出来ていた。
「・・何だろ。」
操が単なる好奇心で近づいてみると、どうやら水死体が上がったようだった。
見たくないよりも見たい興味が操の足をその方向へ近寄らせた。
死体はむしろを被せられていたが足が出ていてその足から死体はその男だという事が分かる。
操は集まっている大勢の野次馬の隙間を縫うように前に行った。
その間にもその野次馬のする噂が操の頭上を飛び交う。
「どうせ酔っぱらいちゃいますのか。このところえろぅ夜が冷えますやろ、ようさん飲みはったんやろ。」
「そないなことありますかいな。あの仏さん、腕に入れ墨ありましたさかい、ありゃ何処かの組の者ですやろ。きっと喧嘩でもしはったんちゃいますか。鴨川に落ちたんが運の尽きやったんやで、きっと。」
「ちゃうちゃう、そないなことやあらしまへんで。何かな、さっき学生はんがいうてはったんやけど・・・ありゃ、【吸血鬼】ちゅう物の怪のせいや、ちゅうていいはりましたんやで。」
「何や、その【キュウケツキ】ちゅうのは。そないな物の怪聞いた事なんかありゃしまへんで。」
「それがな、どうやら西洋の物の怪らしゅうて牙で首に噛み付いて血吸いはります、ちゅう話や。」
「そりゃ恐ろしはりますな!そないなもんが西洋にはおりはりますんか・・ああ~だから儂ぁあ開国はあかん言うたんや。えらいこっちゃ、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・。」
(まさかそんな物の怪なんているわけないじゃないの、私が正体を見極めてやるわ。)
操はそんな噂話を聞いてフフンと笑って野次馬の最前列へ出た。
丁度その時、検分に来ていた警官が死体のむしろを取ったところだった。
操は思わず死体の首を見た。
そこには確かにかまれたような跡が二ヶ所くっきり残っていた。
「ひっ!」
操の引きつった声と共に周りはどよめいた。
周りではしきりに妖怪だの物の怪だのと騒がしくなった。
操は突然怖くなって、
「じ、、爺や~~!」
と叫びながら慌てて葵屋へ戻っていったのだった。
蒼紫が禅寺へ出かけた事を操は念仏でも唱える様にぶつぶつと不満を言っていたが、それでは溜まったフラストレーションは発散出来ず葵屋を飛び出した。
途中で大福を五つも買い込んでそれをやけ食いのように食べながら鴨川へ向かったのだった。
すると河原に人だかりが出来ていた。
「・・何だろ。」
操が単なる好奇心で近づいてみると、どうやら水死体が上がったようだった。
見たくないよりも見たい興味が操の足をその方向へ近寄らせた。
死体はむしろを被せられていたが足が出ていてその足から死体はその男だという事が分かる。
操は集まっている大勢の野次馬の隙間を縫うように前に行った。
その間にもその野次馬のする噂が操の頭上を飛び交う。
「どうせ酔っぱらいちゃいますのか。このところえろぅ夜が冷えますやろ、ようさん飲みはったんやろ。」
「そないなことありますかいな。あの仏さん、腕に入れ墨ありましたさかい、ありゃ何処かの組の者ですやろ。きっと喧嘩でもしはったんちゃいますか。鴨川に落ちたんが運の尽きやったんやで、きっと。」
「ちゃうちゃう、そないなことやあらしまへんで。何かな、さっき学生はんがいうてはったんやけど・・・ありゃ、【吸血鬼】ちゅう物の怪のせいや、ちゅうていいはりましたんやで。」
「何や、その【キュウケツキ】ちゅうのは。そないな物の怪聞いた事なんかありゃしまへんで。」
「それがな、どうやら西洋の物の怪らしゅうて牙で首に噛み付いて血吸いはります、ちゅう話や。」
「そりゃ恐ろしはりますな!そないなもんが西洋にはおりはりますんか・・ああ~だから儂ぁあ開国はあかん言うたんや。えらいこっちゃ、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・。」
(まさかそんな物の怪なんているわけないじゃないの、私が正体を見極めてやるわ。)
操はそんな噂話を聞いてフフンと笑って野次馬の最前列へ出た。
丁度その時、検分に来ていた警官が死体のむしろを取ったところだった。
操は思わず死体の首を見た。
そこには確かにかまれたような跡が二ヶ所くっきり残っていた。
「ひっ!」
操の引きつった声と共に周りはどよめいた。
周りではしきりに妖怪だの物の怪だのと騒がしくなった。
操は突然怖くなって、
「じ、、爺や~~!」
と叫びながら慌てて葵屋へ戻っていったのだった。