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220.悩める翁の妙案 (夢主・操・翁・お近・お増・白・黒・蒼紫)
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十本刀との戦いや雪代縁の件で少しは大人になったと思っていたが自分が少し葵屋を空けただけでまた子供に戻ったようだ、と操の去って行く足音に蒼紫は少しため息を吐き、走り続けて汚れた服を脱いだ。
掛け湯をし、一息つくとその湯煙にふと会津の温泉を思い出す蒼紫だった。
まぶたを閉じればそこには湯船で笑う武尊の顔。
(何故いないのだ・・武尊。)
ザザツと流れる湯。
だが蒼紫の頭の中は湯の音も聞こえないくらいに武尊のことでいっぱいになっていた。
考えるまでもなく、確かに船のほうが早く着く。
なのに葵屋に戻ってない武尊に蒼紫の胸の内が騒ぐ。
斎藤の刀は武尊にとってなにより大事なはず。
二人で京都へ戻る寸前だったことを考えれば自分が武尊の荷物を持って京都に戻って来ることは少しは心通じたと感じる武尊ならば分かるはずだと蒼紫は自分に言い聞かせた。
そして湯船へ入った蒼紫は湯をかきまぜながら、もう一度この腕で武尊を抱きしめたい・・と眉をよせた。
自分の何処にこんな感情があったのだろうかと今の状況に自分でも驚く蒼紫だが胸の奥底から湧いてくるどうにもならない感情に吐息が熱くなる。
(あの時右近の謀(はかりごと)に乗っていれば今頃は・・。)
更には武尊の両脚の腱を斬り、あのまま会津山奥に閉じ込めてしまえばよかったと・・一瞬蒼紫はそう思った。
武尊と共に居られるのであれば今なら手段んを選ばずに行う事が出来る気がした。
(右近に俺の心の闇を見透かされていたのか・・。)
流石だと思いつつも蒼紫は湯をチャプンと音をたて、
「・・何を馬鹿な事を。」
とその手をぐっと握った。
自分が望むのは武尊の幸せだ、武尊の笑顔なのだと蒼紫は何度も繰り返した。
(武尊、早く戻って来い・・でないと俺は・・。)
蒼紫は自分の迷いを消すように何度もお湯をすくっては顔をゴシゴシとこすった。
2016.4.11
掛け湯をし、一息つくとその湯煙にふと会津の温泉を思い出す蒼紫だった。
まぶたを閉じればそこには湯船で笑う武尊の顔。
(何故いないのだ・・武尊。)
ザザツと流れる湯。
だが蒼紫の頭の中は湯の音も聞こえないくらいに武尊のことでいっぱいになっていた。
考えるまでもなく、確かに船のほうが早く着く。
なのに葵屋に戻ってない武尊に蒼紫の胸の内が騒ぐ。
斎藤の刀は武尊にとってなにより大事なはず。
二人で京都へ戻る寸前だったことを考えれば自分が武尊の荷物を持って京都に戻って来ることは少しは心通じたと感じる武尊ならば分かるはずだと蒼紫は自分に言い聞かせた。
そして湯船へ入った蒼紫は湯をかきまぜながら、もう一度この腕で武尊を抱きしめたい・・と眉をよせた。
自分の何処にこんな感情があったのだろうかと今の状況に自分でも驚く蒼紫だが胸の奥底から湧いてくるどうにもならない感情に吐息が熱くなる。
(あの時右近の謀(はかりごと)に乗っていれば今頃は・・。)
更には武尊の両脚の腱を斬り、あのまま会津山奥に閉じ込めてしまえばよかったと・・一瞬蒼紫はそう思った。
武尊と共に居られるのであれば今なら手段んを選ばずに行う事が出来る気がした。
(右近に俺の心の闇を見透かされていたのか・・。)
流石だと思いつつも蒼紫は湯をチャプンと音をたて、
「・・何を馬鹿な事を。」
とその手をぐっと握った。
自分が望むのは武尊の幸せだ、武尊の笑顔なのだと蒼紫は何度も繰り返した。
(武尊、早く戻って来い・・でないと俺は・・。)
蒼紫は自分の迷いを消すように何度もお湯をすくっては顔をゴシゴシとこすった。
2016.4.11