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219.うさぎ (張・夢主・斎藤)
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「なんや、さっきから元気あらへんけどまた具合でも悪いんか。」
「そ、そんなことないよ。」
武尊はまさか張からそんな事言われると思ってなくて慌てて取り繕った。
「そんなことあらへんかったらそんなに難しい顔せーへんやろ。」
そうか、そんなに難しい顔をしていたのか、と武尊は自分に突っ込んだが今は自分突っ込みなどしている場合ではない。
「うーん。」
と、武尊は唸った。
まさか十六夜丸の事を言うわけにいかないので思いつきで、
「あのさ、志々雄の部下って十本刀だけじゃなかったんでしょ?」
と切り出した。
張は驚いた顔をして、
「今更なんの話や。そんなん当たり前やないけ、そりゃ志々雄様を慕って数千の兵がおったわ。前にも言うたやろ、志々雄様にはいろんな意味でえらい人望があったちゅうて。」
張はまさか武尊の口からここで志々雄の名前が出てくるとは思ってなかった。
「せやけど強さで言えば雑魚数千集まりよってもわいら十本刀の足元にも及ばへんで。」
と、張はさりげなく自分達の強さをアピールした。
武尊はそこは全然反応しなかった。
「でもいくら都が東京に移ったからってあの人の多い京都に数千もの部下を人知れず囲うって無理なんじゃないの?」
と疑問を口にした。
張はチッチッと指を振り、
「普通はそないに思うやろ?せやけど志々雄様が国取りを決行するゆうて抜刀斎呼ぶまでアホな新政府の連中は誰一人志々雄のアジト知らへんかったんや。」
と、自慢気に武尊に言った。
「へー!そんなに沢山の人が隠れられる所が京都にあったんだ!」
武尊は素直に驚いた。
張は武尊の驚く顔に気を良くして、
「せや、これも志々雄様のお考えと方治さんの知恵のお陰なんやけどな。ほんま、えー所があってんねん。まあ、今ではだんなの所為ですっかり隅の隅まで調べられてもうたけどな。」
「ふーん。」
思い起こせば初めて蒸気船で横浜に着き、その後自分と斎藤、蒼紫が顔を合わせた時どうしてお互い知っているのだろうかと不思議に思ったがその原因がこの志々雄の事件なのだ。
奇妙と言えば奇妙な縁だと武尊は思った。
張は武尊の相槌に言葉を続けた。
「そのアジトちゅうのがな比叡山のふもとにあるんやけど最初は方治さんが見つけてきたんや。もともと信長に対抗しようとしていた比叡山の僧侶が密かに作っとったちゅう曰くがあったゆうて聞いたんやねんけど、そりゃなかなかええアジトやったで。知らんで入ったら二度と出れへんかもわからんで。」
「つまり、迷路みたいってこと?」
「せや、まあ今は警察が管理しよるらしいねんからどうなったか分からへんけどな。」
「ふーん。」
信長の時代にそんな秘密基地のようなものがあったなんて聞いたことがない、意外な新事実だと武尊は思った。
SF小説でよくタイムスリップをする話が出てくるが過去にしろ未来にしろ次元軸がずれていて元の世界とずれている、という話があるが今自分がこうして歩いている世界は元の歴史軸と違う世界なのではないかと武尊は思ってしまう。
西郷隆盛の西南戦争後、明治政府に反乱を起こしたという歴史は武尊の世界にはないこともあり、志々雄真実という人物も武尊には未だ半信半疑なのだから。
日本書紀に書かれた事が当時の権力者の藤原氏によって都合のいい話が書かれたという大昔と違ってたかだか約130年ぐらいの昔の話を権力の力で抹消出来るのかも武尊にとって気になる所だった。
(でも幕末の頃なんて謎だらけだし、メディアがない時代だから情報操作なんてなんとでもなるのかな・・。葵屋へ戻ると色々面倒な事になりそうだから、やっぱり先にうろうろしとこう。)
武尊はそう思った。
「そ、そんなことないよ。」
武尊はまさか張からそんな事言われると思ってなくて慌てて取り繕った。
「そんなことあらへんかったらそんなに難しい顔せーへんやろ。」
そうか、そんなに難しい顔をしていたのか、と武尊は自分に突っ込んだが今は自分突っ込みなどしている場合ではない。
「うーん。」
と、武尊は唸った。
まさか十六夜丸の事を言うわけにいかないので思いつきで、
「あのさ、志々雄の部下って十本刀だけじゃなかったんでしょ?」
と切り出した。
張は驚いた顔をして、
「今更なんの話や。そんなん当たり前やないけ、そりゃ志々雄様を慕って数千の兵がおったわ。前にも言うたやろ、志々雄様にはいろんな意味でえらい人望があったちゅうて。」
張はまさか武尊の口からここで志々雄の名前が出てくるとは思ってなかった。
「せやけど強さで言えば雑魚数千集まりよってもわいら十本刀の足元にも及ばへんで。」
と、張はさりげなく自分達の強さをアピールした。
武尊はそこは全然反応しなかった。
「でもいくら都が東京に移ったからってあの人の多い京都に数千もの部下を人知れず囲うって無理なんじゃないの?」
と疑問を口にした。
張はチッチッと指を振り、
「普通はそないに思うやろ?せやけど志々雄様が国取りを決行するゆうて抜刀斎呼ぶまでアホな新政府の連中は誰一人志々雄のアジト知らへんかったんや。」
と、自慢気に武尊に言った。
「へー!そんなに沢山の人が隠れられる所が京都にあったんだ!」
武尊は素直に驚いた。
張は武尊の驚く顔に気を良くして、
「せや、これも志々雄様のお考えと方治さんの知恵のお陰なんやけどな。ほんま、えー所があってんねん。まあ、今ではだんなの所為ですっかり隅の隅まで調べられてもうたけどな。」
「ふーん。」
思い起こせば初めて蒸気船で横浜に着き、その後自分と斎藤、蒼紫が顔を合わせた時どうしてお互い知っているのだろうかと不思議に思ったがその原因がこの志々雄の事件なのだ。
奇妙と言えば奇妙な縁だと武尊は思った。
張は武尊の相槌に言葉を続けた。
「そのアジトちゅうのがな比叡山のふもとにあるんやけど最初は方治さんが見つけてきたんや。もともと信長に対抗しようとしていた比叡山の僧侶が密かに作っとったちゅう曰くがあったゆうて聞いたんやねんけど、そりゃなかなかええアジトやったで。知らんで入ったら二度と出れへんかもわからんで。」
「つまり、迷路みたいってこと?」
「せや、まあ今は警察が管理しよるらしいねんからどうなったか分からへんけどな。」
「ふーん。」
信長の時代にそんな秘密基地のようなものがあったなんて聞いたことがない、意外な新事実だと武尊は思った。
SF小説でよくタイムスリップをする話が出てくるが過去にしろ未来にしろ次元軸がずれていて元の世界とずれている、という話があるが今自分がこうして歩いている世界は元の歴史軸と違う世界なのではないかと武尊は思ってしまう。
西郷隆盛の西南戦争後、明治政府に反乱を起こしたという歴史は武尊の世界にはないこともあり、志々雄真実という人物も武尊には未だ半信半疑なのだから。
日本書紀に書かれた事が当時の権力者の藤原氏によって都合のいい話が書かれたという大昔と違ってたかだか約130年ぐらいの昔の話を権力の力で抹消出来るのかも武尊にとって気になる所だった。
(でも幕末の頃なんて謎だらけだし、メディアがない時代だから情報操作なんてなんとでもなるのかな・・。葵屋へ戻ると色々面倒な事になりそうだから、やっぱり先にうろうろしとこう。)
武尊はそう思った。