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215.おねだり (斎藤・夢主・蒼紫)
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「じゃ、始めるか。」
斎藤はそう言ってソファから立ち上がりベッドに腰掛けている武尊を見下ろした。
「え?」
「『え』じゃないだろ、昨晩言ったようにおねだりはどうした。」
武尊の脳裏に昨晩斎藤の胸に縮こまって言った言葉がさっと流れた。
「お・・おねだりはもうしたじゃん!」
二度もあんな恥ずかしい事が口走れるかと武尊も立ち上がって交戦の構えを見せた。
斎藤はツカツカと武尊の前に立つと人差し指で武尊のアゴをくいっと上向けた。
武尊は耳まで赤くしながら斎藤を上目づかいに見上げた。
「よく聞こえなかったんでな。いいじゃないか、俺は嬉しかったぞ。」
「くっ、ちゃんと聞こえてるんじゃん!」
「いいや、聞こえなかったな、減るもんじゃないし聞かせろよ。」
フフンと口角を上げる斎藤は明らかにこの状況を楽しんでいる。
それが分かるので武尊はちょっと悔しかった。
下船して永遠の別れとなるまでずっとやられっぱなしでたまるかと武尊の心のどこかにそんな気持ちがあったのだろう。
どうせ言わされるのなら、この際思いっきり言ってやろうか、聞いて驚けみたいな感情が突然武尊の胸に湧きあがってきた。
武尊も斎藤に負けじとフフンと空いばりして両手を腰に当てて胸を張り絶対聞き逃しようがない大声で言った。
「たくさんして!やめてって懇願してもやめないで!死ぬほど尽くして!」
武尊の言葉に斎藤は一瞬固まった。
もし煙草を咥えていたのならぽろっと落とすぐらいに口を半開きにしたまま目を見開いて武尊を見た。
(・・ほらみろ、一のポカンとした顔、してやったりー!)
武尊は嬉しくて内心小躍りしていた。
斎藤をへこましたんだと万歳三唱を唱えたいぐらいだった。
だが、武尊が得意気な気持ちでいられたのはほんの少しの間だった。
次に固まったのは武尊の方だった。
斎藤のただならぬ眼力に武尊は身の毛がよだった。
斎藤の眼はまるでウサギを目の前にして舌なめずりする狼のようだった。
斎藤は更に口角をあげ、心の喜びをあらわにした。
「望み通りにしてやろう。」
斎藤は武尊のアゴを武尊が爪先立ちになるかと思うぐらいに更にくいっと引き揚げた。
「ちょっ、待って!今のはちょっと言ってみただけ!普通に、で、いい!普通で!」
武尊はアハっ、っと可愛く笑ってごまかそうとしたが引きつった笑いにしかならなかった。
「往生際が悪いぞ、また縛るか?」
と斎藤が片手を腰のベルトにやった。
「やだ!縛るのはやだ!」
「じゃあどうするんだ。」
「ぬ・・脱ぎます。」
武尊は観念してコートのボタンに手をかけた。
斎藤はそれを見てようやく表情を和らげ武尊を解放した。
2016/2/27
斎藤はそう言ってソファから立ち上がりベッドに腰掛けている武尊を見下ろした。
「え?」
「『え』じゃないだろ、昨晩言ったようにおねだりはどうした。」
武尊の脳裏に昨晩斎藤の胸に縮こまって言った言葉がさっと流れた。
「お・・おねだりはもうしたじゃん!」
二度もあんな恥ずかしい事が口走れるかと武尊も立ち上がって交戦の構えを見せた。
斎藤はツカツカと武尊の前に立つと人差し指で武尊のアゴをくいっと上向けた。
武尊は耳まで赤くしながら斎藤を上目づかいに見上げた。
「よく聞こえなかったんでな。いいじゃないか、俺は嬉しかったぞ。」
「くっ、ちゃんと聞こえてるんじゃん!」
「いいや、聞こえなかったな、減るもんじゃないし聞かせろよ。」
フフンと口角を上げる斎藤は明らかにこの状況を楽しんでいる。
それが分かるので武尊はちょっと悔しかった。
下船して永遠の別れとなるまでずっとやられっぱなしでたまるかと武尊の心のどこかにそんな気持ちがあったのだろう。
どうせ言わされるのなら、この際思いっきり言ってやろうか、聞いて驚けみたいな感情が突然武尊の胸に湧きあがってきた。
武尊も斎藤に負けじとフフンと空いばりして両手を腰に当てて胸を張り絶対聞き逃しようがない大声で言った。
「たくさんして!やめてって懇願してもやめないで!死ぬほど尽くして!」
武尊の言葉に斎藤は一瞬固まった。
もし煙草を咥えていたのならぽろっと落とすぐらいに口を半開きにしたまま目を見開いて武尊を見た。
(・・ほらみろ、一のポカンとした顔、してやったりー!)
武尊は嬉しくて内心小躍りしていた。
斎藤をへこましたんだと万歳三唱を唱えたいぐらいだった。
だが、武尊が得意気な気持ちでいられたのはほんの少しの間だった。
次に固まったのは武尊の方だった。
斎藤のただならぬ眼力に武尊は身の毛がよだった。
斎藤の眼はまるでウサギを目の前にして舌なめずりする狼のようだった。
斎藤は更に口角をあげ、心の喜びをあらわにした。
「望み通りにしてやろう。」
斎藤は武尊のアゴを武尊が爪先立ちになるかと思うぐらいに更にくいっと引き揚げた。
「ちょっ、待って!今のはちょっと言ってみただけ!普通に、で、いい!普通で!」
武尊はアハっ、っと可愛く笑ってごまかそうとしたが引きつった笑いにしかならなかった。
「往生際が悪いぞ、また縛るか?」
と斎藤が片手を腰のベルトにやった。
「やだ!縛るのはやだ!」
「じゃあどうするんだ。」
「ぬ・・脱ぎます。」
武尊は観念してコートのボタンに手をかけた。
斎藤はそれを見てようやく表情を和らげ武尊を解放した。
2016/2/27