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215.おねだり (斎藤・夢主・蒼紫)
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翌日、斎藤と武尊は普通に起き、普通に朝食を頂き、ぶらりと甲板を散歩し海の風を十分吸いこんだ後で狭い部屋へ戻った。
腹に入れる物は入れ、気分一新したところで早速斎藤の目つきが変わった。
それを敏感に察知し思わず半歩後ずさりしたのを見て斎藤がまた余裕な含み笑いをする。
「一・・また何か企んでる?」
「別に。」
フンと笑いながら斎藤は楽しそうに返事をし煙草をふかした。
「まあ、待て。これを吸ってからな。」
「ちがーう!そうじゃないー!」
顔を真っ赤にする武尊に斎藤はふと思い出したように言った。
「そう言えば昨日の話だが、神戸に到着した後神谷道場に戻る必要はないぞ。」
「え?」
唐突に話を振られたというより話の内容に面食らった武尊だった。
「どうして?」
「四乃森が一緒だったんだろ。あいつのことだ、今頃慌てて武尊の荷物を持ってこっちに向かっているころだろう。」
まるで蒼紫の焦りが見えるかのように斎藤は愉快そうにクククと笑った。
「一が今何考えて笑っているのか何となく想像つくけどどうして蒼紫がそうするって分かるの?」
興味津々に聞いてくる武尊に斎藤は、
「分析力だな。」
「分析力?」
「そうだ、相手の性格から次の行動を読むんだが俺の場合はそれに勘が加わる。四乃森は間違いなくこちらへ向かっていると予感させられる。」
ふうん、と感心する武尊に斎藤は更に言った。
「神谷道場へは海軍の誰かが迎えに来たのか?」
「うん、例の山本少尉が。」
「ならばそのことを四乃森は抜刀斎か神谷薫から聞いたに違いない。それを聞いた四乃森はさぞかし血相を変えて海軍へ飛んで行った・・。」
と、斎藤はまたクククと笑った。
「一、笑いすぎ。」
「いいじゃないか、四乃森の性格からするとすぐさま武尊を探しに来るはずだ。むろん東京に戻るなんぞ二度手間三度手間などしないように武尊の荷もすべて持って来るはずだからな。こちらにしては好都合だ。」
「好都合じゃないよ、そうなったら私葵屋へ行かなくちゃいけないじゃない・・。」
と武尊は語尾に元気がなく言った。
「フ、葵屋が嫌なのか?」
「嫌じゃないけど蒼紫があの様子じゃ葵屋にいると何だかいろいろまずいことが起こりそうだから・・。」
「分かってるじゃないか、特にあのイタチ娘、四乃森の金魚のふんにとっては武尊は目の上のタンコブ、招かれざる客だからな。普通の女は怖いぞ、例えガキであってもな。」
「怖いとか問題じゃなくて私は操ちゃんのお邪魔虫になりたくないだけ!」
困っている武尊を横目に、
「上手くやるしかないな。」
と、斎藤は煙草を灰皿に押し付けた。
腹に入れる物は入れ、気分一新したところで早速斎藤の目つきが変わった。
それを敏感に察知し思わず半歩後ずさりしたのを見て斎藤がまた余裕な含み笑いをする。
「一・・また何か企んでる?」
「別に。」
フンと笑いながら斎藤は楽しそうに返事をし煙草をふかした。
「まあ、待て。これを吸ってからな。」
「ちがーう!そうじゃないー!」
顔を真っ赤にする武尊に斎藤はふと思い出したように言った。
「そう言えば昨日の話だが、神戸に到着した後神谷道場に戻る必要はないぞ。」
「え?」
唐突に話を振られたというより話の内容に面食らった武尊だった。
「どうして?」
「四乃森が一緒だったんだろ。あいつのことだ、今頃慌てて武尊の荷物を持ってこっちに向かっているころだろう。」
まるで蒼紫の焦りが見えるかのように斎藤は愉快そうにクククと笑った。
「一が今何考えて笑っているのか何となく想像つくけどどうして蒼紫がそうするって分かるの?」
興味津々に聞いてくる武尊に斎藤は、
「分析力だな。」
「分析力?」
「そうだ、相手の性格から次の行動を読むんだが俺の場合はそれに勘が加わる。四乃森は間違いなくこちらへ向かっていると予感させられる。」
ふうん、と感心する武尊に斎藤は更に言った。
「神谷道場へは海軍の誰かが迎えに来たのか?」
「うん、例の山本少尉が。」
「ならばそのことを四乃森は抜刀斎か神谷薫から聞いたに違いない。それを聞いた四乃森はさぞかし血相を変えて海軍へ飛んで行った・・。」
と、斎藤はまたクククと笑った。
「一、笑いすぎ。」
「いいじゃないか、四乃森の性格からするとすぐさま武尊を探しに来るはずだ。むろん東京に戻るなんぞ二度手間三度手間などしないように武尊の荷もすべて持って来るはずだからな。こちらにしては好都合だ。」
「好都合じゃないよ、そうなったら私葵屋へ行かなくちゃいけないじゃない・・。」
と武尊は語尾に元気がなく言った。
「フ、葵屋が嫌なのか?」
「嫌じゃないけど蒼紫があの様子じゃ葵屋にいると何だかいろいろまずいことが起こりそうだから・・。」
「分かってるじゃないか、特にあのイタチ娘、四乃森の金魚のふんにとっては武尊は目の上のタンコブ、招かれざる客だからな。普通の女は怖いぞ、例えガキであってもな。」
「怖いとか問題じゃなくて私は操ちゃんのお邪魔虫になりたくないだけ!」
困っている武尊を横目に、
「上手くやるしかないな。」
と、斎藤は煙草を灰皿に押し付けた。