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209.ナターシャ (斎藤・夢主・オンナスキー・ナターシャ・マーティン)
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船員用の備え付けの二段簡易ベッドは露西亜人と比べると当然小さな武尊が急に起き上がっても頭を打つことはなかった。
だが掛けていた毛布がずり落ち、その毛布を取ろうと下をむいた武尊は、
「あ。」
と、思わず声をあげた。
自分の腹部に、そして視線をあげていくと胸にも無数の赤い花が咲いていたからだ。
いつの間に、と武尊が斉藤を見ると斉藤はフッと笑い、
「なんだ、不服か?」
と言った。
一瞬何と答えていいのか言葉に詰まった武尊だった。
嬉しいサプライズだと思う反面、斉藤のその唇を全身の皮膚で感じたかったという欲望をふつふつと心に感じていた。
自分の胸を見下ろして武尊は斉藤をもう一度見た。
「・・ここに・・ないよ、一。」
最初に斉藤につけてとねだった場所に花が咲いていないのに気が付いた武尊は両手を組むようにして自分の胸を持ち上げて斉藤を見つめた。
「いつからそんなに欲張りになった。が、まあいい。」
斎藤は煙草を落として踏みつけると武尊のいる簡易ベッドに半分腰をかけ、
「家内の欲求を満たすのは夫の務めだからな。」
「本当にそう思ってるの?」
武尊は再び『家内』と呼ばれて嬉しくて思わず笑みがこぼれた。
斎藤もそんな武尊に笑みを返し、
「嗚呼。」
と答えた。
『嗚呼』、たった二文字の言葉なのになんと甘く低い声で言うのだろう。
武尊はその言葉だけで心も身体もとろけた。
「ああっ!」
武尊は斉藤の唇が触れただけで案の定歓喜の声をあげた。
斎藤は黙って武尊を押し倒すとその一ヶ所だけでなく他にも数カ所武尊の乳房に花を増やした。
「ぁ・・ ん・・・ んぅん・・。」
鼻から甘い吐息を吐きながら武尊は夢見心地だった。
自分の刺激に武尊がすっかり気を良くしているのを確認した斉藤は武尊の胸の二つの突起を横目で見ながら毛布をかき分け腹部へ更なる花をつけ足しながら下降した。
斎藤の唇がへその下に来た時は気持ちの良いことは良いことなのだが下腹部の感覚はさらに敏感になってくるので武尊はもじもじと腰をくねらせた。
「一、そこまででいいよ。ありがと。」
一面の赤い花は斎藤に愛されているという証。
こんなに沢山つけてもらって、と武尊は満足だった。
「自分から欲しいと言っておいて何を言う。遠慮するな。」
「遠慮じゃないよ、もう十分だよ。しばらくすると消えちゃうのが少しもったいないけど、一が付けた消えない花もあるし・・。」
「これが花だというのか?」
斎藤は自分が武尊を牙突で突いたその傷痕を指でなぞった。
「うん・・私にとっては大事な花。・・かなり痛かったけど。」
武尊がそう言って笑った反面、斎藤は眉間に皺を寄せた。
「阿呆、誰が武尊に刀傷など・・。」
興が冷めたとばかりに斎藤が顔をあげると武尊はすかさず起き上がった。
「いいの、時々こうやって一との出会いが夢じゃなかったって思い出さないと・・・私・・。」
『寂しくてくじけそうになる』
そう言いかけて武尊は口をつぐんだ。
そんな弱音をここで吐いて何になる。
斎藤に余計な事を考えさせて仕事に支障が出てはいけないと前からそう決めてるはずではなかったのかと武尊は自分を叱咤した。
斎藤の眼を見つめるとそれを更に強く思う武尊だった。
閉じられた空間。
日本と隔離された外国船の中。
異国の物に囲まれて、思わず現実世界ではないと錯覚してしまいそうになる。
その中に斎藤と二人でいることが本当に不思議な感覚であると武尊は感じていた。
ランプの灯りが二人の刹那の沈黙を包む。
「阿呆が・・言ったはずだ、俺達はこの世での生が終われば再び出会うはずだと。人の世での時など日々精一杯生き抜けばそれほど長く思う事もなかろうが。・・・寂しいのか。」
斎藤の一言に武尊の目から大粒の涙がポロリ、ポロリと零れた。
寂しい、と言いたい。
言えればどんなに楽なのだろうか。
けれども武尊はそんな自分の一言が斎藤を縛ってはいけないと、ただ斎藤をじっと見つめたまま涙だけ零した。
斎藤は武尊を抱き寄せ、
「阿呆が・・構わん、言っていいぞ。言わずとも俺には分かるがな。」
と、武尊の髪を撫でた。
うっく、うっくと武尊が喉を鳴らす。
そして、
「一・・ごめん、本当にこれで最後にするから・・今だけ泣かせて・・うっ、、うっ・・。」
最初は声を殺すようにしていた武尊だったがとうとうワーっと斎藤の胸に飛び込んだ。
少しの間だったが武尊はワーワーと泣いた。
けれども、決して寂しいとは口にしなかった。
感情を爆発させてしまえば少し経てば武尊は落ち着きを取り戻した。
ヒック、ヒックと肩を震わせながら斎藤にずっと髪を撫でられていた。
斎藤の胸にもたれかかり呼吸ももう普通に戻ろうという時、
ぐううううぅぅ
と、妙な音がした。
武尊は固まった。
そして申し訳なさそうに斎藤に対して顔をあげた。
「・・ごめん。またこんな時にお腹が・・。」
いつもいい雰囲気を邪魔する腹の虫。
「まったくだ。だがいい時間だ。」
斎藤は少し呆れ顔になりながら懐中時計を取り出し時間を確認した。
「時間?何の?」
何かあったかなと武尊は斎藤に尋ねた。
「オンナスキーが言ってたのを忘れたのか、夕餉が六時だと。そろそろ迎えが来るころだろう。」
斎藤がそう言うと武尊はオンナスキーのあの好色に染まった顔を思いだし嫌悪して言った。
「行かないよ!あんな恥ずかしいところ見られて顔なんか出せるわけないじゃない!」
「そう言うな、どんなものであれ食事が与えられるという事は有り難い事だ。謹んで受けんとな。」
斎藤はポケットから煙草を探りながら真面目な顔で武尊にそう言った。
「それはそうだけど・・。」
武尊は戊辰戦争後の斎藤達旧幕府軍の扱いを少しだけ聞いていた。
本当に酷い仕打ち。
それを思うと食事がいただけるという事は本当に感謝して受けなければならないのはよく分かる。
分かるけれども言いつつも、納得いかない顔つきで武尊が斎藤のように眉間にしわを寄せていると、
「あんなのに構うことはない、何せここは言うなれば異国。俺達は堂々としていればいい。武尊には俺がついている。」
と、斎藤は武尊の眉間に人差し指を当てしわを伸ばすようにさすった。
斎藤にそうまで言われると武尊は唸りながら『うん・・』と言うしかなかった。
それにいつまでも恥ずかしがっているとオンナスキーにまた好色の目で見られたりするのも嫌だし悔しいと思った武尊はここはもう平然堂々とした態度を取るべきなのだとやっと意を固めた。
それに何より自分には斎藤が傍にいる、きっと堂々と振る舞える。
武尊はそう自分に言い聞かせると斎藤を見た。
斎藤がそんな武尊を横目で見る煙草を咥え、シュッとマッチを擦った。
そしてすぐにドアを叩く音がした。
だが掛けていた毛布がずり落ち、その毛布を取ろうと下をむいた武尊は、
「あ。」
と、思わず声をあげた。
自分の腹部に、そして視線をあげていくと胸にも無数の赤い花が咲いていたからだ。
いつの間に、と武尊が斉藤を見ると斉藤はフッと笑い、
「なんだ、不服か?」
と言った。
一瞬何と答えていいのか言葉に詰まった武尊だった。
嬉しいサプライズだと思う反面、斉藤のその唇を全身の皮膚で感じたかったという欲望をふつふつと心に感じていた。
自分の胸を見下ろして武尊は斉藤をもう一度見た。
「・・ここに・・ないよ、一。」
最初に斉藤につけてとねだった場所に花が咲いていないのに気が付いた武尊は両手を組むようにして自分の胸を持ち上げて斉藤を見つめた。
「いつからそんなに欲張りになった。が、まあいい。」
斎藤は煙草を落として踏みつけると武尊のいる簡易ベッドに半分腰をかけ、
「家内の欲求を満たすのは夫の務めだからな。」
「本当にそう思ってるの?」
武尊は再び『家内』と呼ばれて嬉しくて思わず笑みがこぼれた。
斎藤もそんな武尊に笑みを返し、
「嗚呼。」
と答えた。
『嗚呼』、たった二文字の言葉なのになんと甘く低い声で言うのだろう。
武尊はその言葉だけで心も身体もとろけた。
「ああっ!」
武尊は斉藤の唇が触れただけで案の定歓喜の声をあげた。
斎藤は黙って武尊を押し倒すとその一ヶ所だけでなく他にも数カ所武尊の乳房に花を増やした。
「ぁ・・ ん・・・ んぅん・・。」
鼻から甘い吐息を吐きながら武尊は夢見心地だった。
自分の刺激に武尊がすっかり気を良くしているのを確認した斉藤は武尊の胸の二つの突起を横目で見ながら毛布をかき分け腹部へ更なる花をつけ足しながら下降した。
斎藤の唇がへその下に来た時は気持ちの良いことは良いことなのだが下腹部の感覚はさらに敏感になってくるので武尊はもじもじと腰をくねらせた。
「一、そこまででいいよ。ありがと。」
一面の赤い花は斎藤に愛されているという証。
こんなに沢山つけてもらって、と武尊は満足だった。
「自分から欲しいと言っておいて何を言う。遠慮するな。」
「遠慮じゃないよ、もう十分だよ。しばらくすると消えちゃうのが少しもったいないけど、一が付けた消えない花もあるし・・。」
「これが花だというのか?」
斎藤は自分が武尊を牙突で突いたその傷痕を指でなぞった。
「うん・・私にとっては大事な花。・・かなり痛かったけど。」
武尊がそう言って笑った反面、斎藤は眉間に皺を寄せた。
「阿呆、誰が武尊に刀傷など・・。」
興が冷めたとばかりに斎藤が顔をあげると武尊はすかさず起き上がった。
「いいの、時々こうやって一との出会いが夢じゃなかったって思い出さないと・・・私・・。」
『寂しくてくじけそうになる』
そう言いかけて武尊は口をつぐんだ。
そんな弱音をここで吐いて何になる。
斎藤に余計な事を考えさせて仕事に支障が出てはいけないと前からそう決めてるはずではなかったのかと武尊は自分を叱咤した。
斎藤の眼を見つめるとそれを更に強く思う武尊だった。
閉じられた空間。
日本と隔離された外国船の中。
異国の物に囲まれて、思わず現実世界ではないと錯覚してしまいそうになる。
その中に斎藤と二人でいることが本当に不思議な感覚であると武尊は感じていた。
ランプの灯りが二人の刹那の沈黙を包む。
「阿呆が・・言ったはずだ、俺達はこの世での生が終われば再び出会うはずだと。人の世での時など日々精一杯生き抜けばそれほど長く思う事もなかろうが。・・・寂しいのか。」
斎藤の一言に武尊の目から大粒の涙がポロリ、ポロリと零れた。
寂しい、と言いたい。
言えればどんなに楽なのだろうか。
けれども武尊はそんな自分の一言が斎藤を縛ってはいけないと、ただ斎藤をじっと見つめたまま涙だけ零した。
斎藤は武尊を抱き寄せ、
「阿呆が・・構わん、言っていいぞ。言わずとも俺には分かるがな。」
と、武尊の髪を撫でた。
うっく、うっくと武尊が喉を鳴らす。
そして、
「一・・ごめん、本当にこれで最後にするから・・今だけ泣かせて・・うっ、、うっ・・。」
最初は声を殺すようにしていた武尊だったがとうとうワーっと斎藤の胸に飛び込んだ。
少しの間だったが武尊はワーワーと泣いた。
けれども、決して寂しいとは口にしなかった。
感情を爆発させてしまえば少し経てば武尊は落ち着きを取り戻した。
ヒック、ヒックと肩を震わせながら斎藤にずっと髪を撫でられていた。
斎藤の胸にもたれかかり呼吸ももう普通に戻ろうという時、
ぐううううぅぅ
と、妙な音がした。
武尊は固まった。
そして申し訳なさそうに斎藤に対して顔をあげた。
「・・ごめん。またこんな時にお腹が・・。」
いつもいい雰囲気を邪魔する腹の虫。
「まったくだ。だがいい時間だ。」
斎藤は少し呆れ顔になりながら懐中時計を取り出し時間を確認した。
「時間?何の?」
何かあったかなと武尊は斎藤に尋ねた。
「オンナスキーが言ってたのを忘れたのか、夕餉が六時だと。そろそろ迎えが来るころだろう。」
斎藤がそう言うと武尊はオンナスキーのあの好色に染まった顔を思いだし嫌悪して言った。
「行かないよ!あんな恥ずかしいところ見られて顔なんか出せるわけないじゃない!」
「そう言うな、どんなものであれ食事が与えられるという事は有り難い事だ。謹んで受けんとな。」
斎藤はポケットから煙草を探りながら真面目な顔で武尊にそう言った。
「それはそうだけど・・。」
武尊は戊辰戦争後の斎藤達旧幕府軍の扱いを少しだけ聞いていた。
本当に酷い仕打ち。
それを思うと食事がいただけるという事は本当に感謝して受けなければならないのはよく分かる。
分かるけれども言いつつも、納得いかない顔つきで武尊が斎藤のように眉間にしわを寄せていると、
「あんなのに構うことはない、何せここは言うなれば異国。俺達は堂々としていればいい。武尊には俺がついている。」
と、斎藤は武尊の眉間に人差し指を当てしわを伸ばすようにさすった。
斎藤にそうまで言われると武尊は唸りながら『うん・・』と言うしかなかった。
それにいつまでも恥ずかしがっているとオンナスキーにまた好色の目で見られたりするのも嫌だし悔しいと思った武尊はここはもう平然堂々とした態度を取るべきなのだとやっと意を固めた。
それに何より自分には斎藤が傍にいる、きっと堂々と振る舞える。
武尊はそう自分に言い聞かせると斎藤を見た。
斎藤がそんな武尊を横目で見る煙草を咥え、シュッとマッチを擦った。
そしてすぐにドアを叩く音がした。