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209.ナターシャ (斎藤・夢主・オンナスキー・ナターシャ・マーティン)
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武尊は夢を見た。
斎藤とあの横浜別荘地で激しく熱い行為を繰り返す夢。
「ん・・。」
久しぶりのお腹の鈍痛、股関節と腰のきしみ。
寝返りを打とうとして身体の違和感で目が覚めたのだった。
久しぶりの完全脱力に武尊は一瞬自分が何処にいるのか分からなかったが、壁のランプの灯りに斎藤があの椅子に座って煙草を吸っている姿を見てハッと自分の状況を思い出した。
武尊は斎藤と目が合ったが不敵に笑う斎藤を見てぷいっと反対を向き、掛けてもらっていた毛布を頭まで被った。
斎藤はやれやれと立ち上がると武尊の寝ている簡易ベッドに腰をかけ、
「御機嫌斜めだな。」
と毛布の上から武尊の頭をなでた。
「・・一のばか。」
人前で、しかも結合部を見せつけるという辱めを受けて武尊はかなり不機嫌だった。
しかし武尊は斎藤が相手だと腹ただしい気はするのものの怒る気にはなれなかった。
斎藤から大好きな【なでなで】をされるとその腹ただしいながらもそんな気持ちは小さくなっていく。
そしてついにゴソゴソと斎藤に向き直し顔を出した。
武尊の目は一応斎藤に抗議したものの、斎藤の口元が優しいのを見るとハァとため息をつくしかなかった。
斎藤はそんな武尊を再びよしよしなでた。
この大きな手だけで満足する自分も自分だと武尊は少々自分が恨めしかった。
だからただ、
「・・もうあんな恥ずかしいことはやめてね。」
と、小さく斎藤にお願いし武尊と頬をぷぅと膨らませてそれで終わらせようと思った。
「嗚呼、できるだけな。」
「は?!」
反省の色のない斎藤の返事に思わず疑問符を即答返しした武尊だったが斎藤はそのまま言葉を続けた。
「武尊の背中の傷をあいつに見られたくなかったからな。」
斎藤がそう言うと武尊はうっ、と言葉を詰まらせた。
「そうだったの?・・ありがとう。」
斎藤の気遣いも知らずに斎藤の事を酷いと思った自分を武尊は反省した。
(でも・・。)
本当にその気持ち100%なんだろうかと、斎藤をじっと見つめた。
すると、斎藤はフッとわずかに口角をあげた。
「あっ、笑った!やっぱり変な下心あったでしょ!」
「何だ、わかってしまったか。」
「もう!」
武尊が顔を真っ赤にすると斎藤は一瞬だけ何かを見つめて、
「あんな奴に武尊の傷を見せたくなかったというのは本当だ。それに武尊を辱めていいのは俺だけだ。武尊の心を伴わずして武尊を抱いた阿呆がどこのどいつかは知らんが武尊をあれほど感じさせることは出来ん。俺達だからこそああいう趣向もたまにはいいだろう。」
素直に喜んでいいのか分からない返事に武尊は即答できなかった。
だが武尊は自分をあれほど感じさせることは出来ないと言いきった斎藤の言葉は本当で、変な話だがまさにその通りだと思った。
あんな酷いと思うことをされても斎藤と繋がっているならばそんなに腹も立っていない自分に驚きつつも、だ。
そして斎藤に阿呆呼ばわりされた・・蒼紫の事を思いだした。
蒼紫とのあの夜、状況が状況だったにしろ気が狂うのではないかと思うほど感じさせられたが心の充実感は当然と言えば当然なのだが全くなかった。
と、同時に相手が斎藤なら先程のような辱めを受けても嬉しがっている自分に気づいた。
(わ、私ったら・・。)
そんな自分の気持ちを打ち消すように武尊は、
「いいわけない!あんな恥ずかしいのはダメダメダメダメ~!」
と、ムキになった。
そんな武尊に斎藤は目を細めると、
「そうだな、お気に召さないなら違うのを考えるか。」
と、余裕しゃくしゃくに答えた。
「!!
・・違うのもダメー!」
いったい何を考えだすのか恐ろしくて考えたくもない武尊は必死な気持ちで抗議しガバッと上半身を起こした。