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240.身代わり (夢主・操・観柳・白衣の男)
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目の前の変形した顔の男が武田観柳だということはもちろん武尊の推測だ。
調書によれば観柳は東京のどこかの監獄署に入れられているはずなのに・・と武尊は思うが今この状況で考えられるのは信じられないが武田観柳ぐらいしか思いつかない。
(脱獄したのか?・・いつ?)
疑問は尽きないが、武尊のあてずっぽうはどうやら正解だったようで観柳はおちゃらけた顔から真面目な顔になってポケットから葉巻を出し火を付けた。
「ま・・この際ですからついでに教えてあげましょう。何故この小娘か、ということですがね、どの道こいつは始末されるんですよ。見てはいけないものを見てしまった、といったところでしょうかね。そんなわけで同じ死ぬのでしたら誰かの役に立って死んだ方がより効率的ってもんじゃないですかね。」
と言い観柳は葉巻の煙を吐き出した。
「万が一薬の効果がこちらの思う通りに出れば薬漬けにしたこいつを使ってちょいとやりたいことがありましてね・・。」
と、じろりと操を見下ろす観柳の目に恨みの色を見た武尊はすかさず、
「なんだ、やりたい事というのは。」
と聞いた。
すると観柳は楽しそうに、
「何、ちょっとしたお礼参りですよ。私は実業家ですからね、借りたものはきっちり返しておかないと気が済まないんですよ。だ・か・らこの小娘はその為の餌ですかね。そのくせこの小娘は御庭番衆だというんでね、ちょっとそっちの方も落とし前をつけてもらおうと思いましてねぇ。」
と言った。
「そうか・・。」
武尊には観柳の考えていることが分かった。
(何が青年実業家だ。阿片の製造だけではなく武器商人になろうとした馬鹿な男の悪事がバレた結果がこの現実だというのに反省の色なしの大馬鹿だな。)
いやいや斎藤流に言えば阿呆という事になるのだろうが、要するに仕返しに操を利用するという事なのだということが分かったのだった。
その阿呆な男から操を救う為にはどうすればいい?と武尊は考えた。
この状況をこのまま引き延ばすのは難しいし、ここから操のところまで飛び込むには一秒弱としてもその間に注射器を打たれる危険の方が高い。
何とかならないかと武尊は焦っていると観柳は、
「お分かり頂きましたところで、遅くなりましたがショーと行きましょうか。」
と言い、今度こそ操に注射をしようと合図を送ろうとした時・・
「待て!」
と武尊は再び観柳を制したのだった。
調書によれば観柳は東京のどこかの監獄署に入れられているはずなのに・・と武尊は思うが今この状況で考えられるのは信じられないが武田観柳ぐらいしか思いつかない。
(脱獄したのか?・・いつ?)
疑問は尽きないが、武尊のあてずっぽうはどうやら正解だったようで観柳はおちゃらけた顔から真面目な顔になってポケットから葉巻を出し火を付けた。
「ま・・この際ですからついでに教えてあげましょう。何故この小娘か、ということですがね、どの道こいつは始末されるんですよ。見てはいけないものを見てしまった、といったところでしょうかね。そんなわけで同じ死ぬのでしたら誰かの役に立って死んだ方がより効率的ってもんじゃないですかね。」
と言い観柳は葉巻の煙を吐き出した。
「万が一薬の効果がこちらの思う通りに出れば薬漬けにしたこいつを使ってちょいとやりたいことがありましてね・・。」
と、じろりと操を見下ろす観柳の目に恨みの色を見た武尊はすかさず、
「なんだ、やりたい事というのは。」
と聞いた。
すると観柳は楽しそうに、
「何、ちょっとしたお礼参りですよ。私は実業家ですからね、借りたものはきっちり返しておかないと気が済まないんですよ。だ・か・らこの小娘はその為の餌ですかね。そのくせこの小娘は御庭番衆だというんでね、ちょっとそっちの方も落とし前をつけてもらおうと思いましてねぇ。」
と言った。
「そうか・・。」
武尊には観柳の考えていることが分かった。
(何が青年実業家だ。阿片の製造だけではなく武器商人になろうとした馬鹿な男の悪事がバレた結果がこの現実だというのに反省の色なしの大馬鹿だな。)
いやいや斎藤流に言えば阿呆という事になるのだろうが、要するに仕返しに操を利用するという事なのだということが分かったのだった。
その阿呆な男から操を救う為にはどうすればいい?と武尊は考えた。
この状況をこのまま引き延ばすのは難しいし、ここから操のところまで飛び込むには一秒弱としてもその間に注射器を打たれる危険の方が高い。
何とかならないかと武尊は焦っていると観柳は、
「お分かり頂きましたところで、遅くなりましたがショーと行きましょうか。」
と言い、今度こそ操に注射をしようと合図を送ろうとした時・・
「待て!」
と武尊は再び観柳を制したのだった。