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239.アジトの裏口 (白衣の男・操・斎藤・夢主・観柳)
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小一時間ぐらい経っただろうか。
操は最初【新型蜘蛛の巣】とやらをあの見たこともない器具で腕から入れられた男の様子をぼーっと見ていたが、逃げる手段を見つけようと部屋に残っている白衣を着た男に話しかけた。
「ねぇ、ここはどこなの?」
男は操の企みなどお見通しだとばかりに、
「ここか?ここは山の中だ。逃げようなんて考えないほうがいい、騒ぎさえしなければもう少しぐらい生きていられる。」
と言った。
やはり簡単に居場所なんて教えてくれないとは思ったけれど操にも分かったことが二つあった。
自分が気を失っている間に(この男の言っていることが正しければ)どこか別の場所に運ばれたということ。
それからこの男は京都弁じゃないという事。
「・・あなたお医者様なの?」
「何故そう思う?」
ふと出た操の質問は彼にとって意外だったらしい。
男は何やら作業中だったがその手を止めて操に答えた。
「医者と言えば医者だが・・。」
「ひ・・人を怪しい薬で殺すのがお医者様なの?!」
操が子供に見えたからだろうか。
操の言葉が男の心のどこかに残っていた良心を刺激したからだろうか。
白衣の男は今まで鉄仮面のように無表情だった顔から少し人間らしい目の光を取り戻して、
「私は・・医学の進歩には犠牲はやむを得ないと思っている。新しい薬の開発が成功すれば観柳の言葉ではないが多くの人が幸せになるんだよ。」
と言った。
「本当にこれは薬なの?」
「嗚呼、これは阿片を更に改良したもので心を落ち着け痛みを和らげる作用がある。」
「阿片って御禁制じゃなかったの!?」
「・・よく知っているな。子供と言えども御庭番衆というわけか。しかし毒と薬は紙一重とも言う。」
男にそう言われて操はもう一度ベッドの男に目をやった。
しかし確かに落ち着いているといえば落ち着いている。
しかしその男の様子は何か変だと感じる操だった。
落ち着いている、というよりは何か良い夢を見ているような表情であれから全く無言なのはかえって不気味なのだ。
あれだけ死にたくないと言っていたのなら少しは何か訴えてもよさそうなのに、と操が思っていると白衣の男が椅子からガタっと立ち上がり、
「ただ、まだ作用が固定化されていないというか、効き目が人それぞれなんだよ。それに・・」
とまだ話半分の時、操が心臓が止まるかと思ったぐらいに突然ベッドの男が部屋がビリビリと振動するぐらいの大きな叫び声をあげたのだ。
「うわああああああ!」
首を激しく左右に振り力の限りもがく男。
「苦しい!苦しい!助けてくれー!体がバラバラになりそうだぁー!」
しかし手足はベッドに張り付けにされているので身動きは出来ない。
その代わりに手首足首が縄で擦れて血が滲んでいる。
操は恐ろしい光景に度肝を抜かれただただその男を見ているなか、白衣の男は落ち着き払い慣れた様子で再び【新型蜘蛛の巣】を男の腕に打った。
ビクッ
【新型蜘蛛の巣】を打たれた男は体を大きく震わせると動かなくなった。
まさか・・と思いつつ操は白衣の男に声をかけた。
「ね、ねぇ、、まさか死んだの?」
「君、ちょっと黙って!」
白衣の男は操の質問を遮ると、ブツブツ言いながら紙に何かを書き始めたのだ。
操は最初【新型蜘蛛の巣】とやらをあの見たこともない器具で腕から入れられた男の様子をぼーっと見ていたが、逃げる手段を見つけようと部屋に残っている白衣を着た男に話しかけた。
「ねぇ、ここはどこなの?」
男は操の企みなどお見通しだとばかりに、
「ここか?ここは山の中だ。逃げようなんて考えないほうがいい、騒ぎさえしなければもう少しぐらい生きていられる。」
と言った。
やはり簡単に居場所なんて教えてくれないとは思ったけれど操にも分かったことが二つあった。
自分が気を失っている間に(この男の言っていることが正しければ)どこか別の場所に運ばれたということ。
それからこの男は京都弁じゃないという事。
「・・あなたお医者様なの?」
「何故そう思う?」
ふと出た操の質問は彼にとって意外だったらしい。
男は何やら作業中だったがその手を止めて操に答えた。
「医者と言えば医者だが・・。」
「ひ・・人を怪しい薬で殺すのがお医者様なの?!」
操が子供に見えたからだろうか。
操の言葉が男の心のどこかに残っていた良心を刺激したからだろうか。
白衣の男は今まで鉄仮面のように無表情だった顔から少し人間らしい目の光を取り戻して、
「私は・・医学の進歩には犠牲はやむを得ないと思っている。新しい薬の開発が成功すれば観柳の言葉ではないが多くの人が幸せになるんだよ。」
と言った。
「本当にこれは薬なの?」
「嗚呼、これは阿片を更に改良したもので心を落ち着け痛みを和らげる作用がある。」
「阿片って御禁制じゃなかったの!?」
「・・よく知っているな。子供と言えども御庭番衆というわけか。しかし毒と薬は紙一重とも言う。」
男にそう言われて操はもう一度ベッドの男に目をやった。
しかし確かに落ち着いているといえば落ち着いている。
しかしその男の様子は何か変だと感じる操だった。
落ち着いている、というよりは何か良い夢を見ているような表情であれから全く無言なのはかえって不気味なのだ。
あれだけ死にたくないと言っていたのなら少しは何か訴えてもよさそうなのに、と操が思っていると白衣の男が椅子からガタっと立ち上がり、
「ただ、まだ作用が固定化されていないというか、効き目が人それぞれなんだよ。それに・・」
とまだ話半分の時、操が心臓が止まるかと思ったぐらいに突然ベッドの男が部屋がビリビリと振動するぐらいの大きな叫び声をあげたのだ。
「うわああああああ!」
首を激しく左右に振り力の限りもがく男。
「苦しい!苦しい!助けてくれー!体がバラバラになりそうだぁー!」
しかし手足はベッドに張り付けにされているので身動きは出来ない。
その代わりに手首足首が縄で擦れて血が滲んでいる。
操は恐ろしい光景に度肝を抜かれただただその男を見ているなか、白衣の男は落ち着き払い慣れた様子で再び【新型蜘蛛の巣】を男の腕に打った。
ビクッ
【新型蜘蛛の巣】を打たれた男は体を大きく震わせると動かなくなった。
まさか・・と思いつつ操は白衣の男に声をかけた。
「ね、ねぇ、、まさか死んだの?」
「君、ちょっと黙って!」
白衣の男は操の質問を遮ると、ブツブツ言いながら紙に何かを書き始めたのだ。