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206.イキサツ(3) (斎藤・夢主)
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武尊は斎藤の指の感触に思わず目を閉じた。
大好きな大きい手、長い指が独特の懐かしい癖で武尊の髪をかきまわす。
武尊は思わず気持ちよくて目を閉じ背を斎藤にゆだねた。
「どうした。急にしとやかになったな。」
もちろん斎藤は武尊が髪を指ですいてやることが大好きだという事を知っている。
知っていて聞くのだ、口角を上げながら。
「これ・・一にしてもらうの好きだもの・・。」
武尊はこれを斎藤にやられるとたまらなく気持ち良くてトロンとしてしまう。
もちろん斎藤以外にさせる気はさらっさらないが。
「暴れたり脱力したり忙しいな。」
斎藤が笑いながら皮肉ると武尊は、
「一がそうさせてるんじゃない。」
と微笑みながら答えた。
「気持ちがいいか。」
「うん、気持ちいい・・。」
「会津はどうだったんだ、時尾に会ったんだろ。」
「・・・うん。」
武尊は気持ち良くて閉じていた目を薄ら開けて壁を見た。
武尊は斎藤には会津に兄を探しに行くと言ってあった。
兄の手がかりを探しに行ったのも事実だがあの母成峠の戦の後、兄が比古のもとへ行ったことが分かった今は本当の目的は高荷恵に預けた薬の回収だった。
それは無駄足で結局東京(神谷道場)にあったっというオチだったけど自分が一包持っているという事を斎藤に知られるわけにはいかなかった。
知られれば多分取り上げられてしまうからだ。
逆に残りを返して欲しいと思うぐらいで武尊はあの薬は始末は誰の手でもない、自分でつけたいと思っていたからだった。
「・・時尾さんは元気だったよ。それから勉君に竹刀でお尻叩かれた。」
武尊は薬の事は隠し、藤田家を思い出し懐かしそうにそう言った。
「何だそれは。」
斎藤はその展開は想定していなかった。
自分の息子が竹刀で武尊を叩いただなんてどういう事なんだと眉間を寄せた。
「勉君を怒らないでよ、むしろ帰ったら誉めてあげて。」
武尊はそう言ってフフっと笑った。
「どういう意味だ。それとも武尊は叩かれて喜ぶのか。武尊のことだ、それも分からないではないが。」
斎藤が大真面目でそう言うと、
「ちょっ・・違うって!痛いのはいやだっていったじゃない!」
と、武尊は斎藤に尻叩きの刑にされた時の事を思い浮かべた。
「そうだったか?優しくすれば痛いのも恍惚な顔をして啼いていたのはどこの誰かさんだったかな。」
武尊はいくらすべてを見られているからと言っても思い出せば恥ずかしいあの日の姿を思い出し真っ赤になった。
「もっ・・・もう!話をそらさないっ!勉君が私を叩いたのは私が時尾さんに抱きついていたから。
きっと母上様にいやらしい事をする不届き者だと思ったんじゃない?いい息子さんじゃない。
ま・・もしかするとお正月帰った時でも私の話が出るかもしれないからこうして先に言っておくね。だから勉君を褒めてあげてよ。」
「そうだな。」
斎藤はしばらく会っていない息子の姿を思い出してフッと笑った。
武尊はそんな斎藤の一瞬見せた遠い眼を逃さなかった。
そして本来斎藤が歩むべき斎藤の未来を想像して目を細めた。
「・・いい子だもんね、勉君。」
「嗚呼、時尾に似て素直で優しい。」
そう答える斎藤の声は穏やかだ。
武尊はそれが嬉しかった。
きっと家に帰ったら家族で団らんをとるのだろう。
楽しそうな藤田一家を想像して心の中で微笑んだ。
もしかしたら自分の話題も出るかもしれない、その時はその時だと思うのだがこの場では時尾の弟盛之輔に会った事は黙っておこうと思う武尊だった。
ここで話すのは勉君の話題だと武尊は更に勉の話題を続けた。
「それに一に似て正義感強そうだし。将来は一と同じように警察官なんかいいんじゃない?」
斎藤の子孫がどう生きたかは武尊は知らない。
けれどもこの両親なら間違いなく立派になるだろうと武尊は思った。
「確かに正義感は人一倍以上に強いな。だが勉には好きにさせるさ。」
どうやら斎藤は息子の成長はまんざらでもないらしいと武尊は斎藤の表情からそう見てとった。
「すっかり一もお父さんだね。いいな・・未来に続く若い力・・か。」
武尊は親から子へと血によって受け継がれてゆく人の営みが少し羨ましかった。
斎藤が武尊の出生の秘密を知る由はない。
だから武尊のつぶやきを自分と別れた寂しさだと思った。
「何を言う、武尊だってまだまだいけるぞ。若作りだしな。」
「若作り!?どうせ私は子供みたいですよ!」
「まぁ心配するな。此処にいる間は武尊が家内だ。」
そういえばそうだった、そんな発言をこの男はイケシャアシャアと言い切ったのだったと武尊は改めて目を丸くした。
「何だ、家内では不服か。」
「だって、一には時尾さんがいるでしょ、時尾さんが聞いたら悲しむよ。」
「忘れたのか、この【斎藤一】の妻は武尊だと言っただろう。ここは異国の船でまして海の上だ。武尊を家内と言って何が悪い。それに赤の他人の女にこんなことをするのは何処の国でも許されんだろうからな。」
そう言って斎藤は武尊に覆いかぶさるように密着した。
「わっ、一!そんなに上から抑え込まれたら苦しいぃ・・。」
武尊は胸郭が膨らまなくて息が出来ないと斎藤に訴えた。
「そうか、ならば息を沢山吸えるようにしてやるか。」
斎藤はそう言うと、外側から武尊の両脚を絡め両サイドへ開き、片腕で武尊を自分側にしっかり引き寄せると今度は自分の身体どと背をぐっと逸らした。
2015.10.19
大好きな大きい手、長い指が独特の懐かしい癖で武尊の髪をかきまわす。
武尊は思わず気持ちよくて目を閉じ背を斎藤にゆだねた。
「どうした。急にしとやかになったな。」
もちろん斎藤は武尊が髪を指ですいてやることが大好きだという事を知っている。
知っていて聞くのだ、口角を上げながら。
「これ・・一にしてもらうの好きだもの・・。」
武尊はこれを斎藤にやられるとたまらなく気持ち良くてトロンとしてしまう。
もちろん斎藤以外にさせる気はさらっさらないが。
「暴れたり脱力したり忙しいな。」
斎藤が笑いながら皮肉ると武尊は、
「一がそうさせてるんじゃない。」
と微笑みながら答えた。
「気持ちがいいか。」
「うん、気持ちいい・・。」
「会津はどうだったんだ、時尾に会ったんだろ。」
「・・・うん。」
武尊は気持ち良くて閉じていた目を薄ら開けて壁を見た。
武尊は斎藤には会津に兄を探しに行くと言ってあった。
兄の手がかりを探しに行ったのも事実だがあの母成峠の戦の後、兄が比古のもとへ行ったことが分かった今は本当の目的は高荷恵に預けた薬の回収だった。
それは無駄足で結局東京(神谷道場)にあったっというオチだったけど自分が一包持っているという事を斎藤に知られるわけにはいかなかった。
知られれば多分取り上げられてしまうからだ。
逆に残りを返して欲しいと思うぐらいで武尊はあの薬は始末は誰の手でもない、自分でつけたいと思っていたからだった。
「・・時尾さんは元気だったよ。それから勉君に竹刀でお尻叩かれた。」
武尊は薬の事は隠し、藤田家を思い出し懐かしそうにそう言った。
「何だそれは。」
斎藤はその展開は想定していなかった。
自分の息子が竹刀で武尊を叩いただなんてどういう事なんだと眉間を寄せた。
「勉君を怒らないでよ、むしろ帰ったら誉めてあげて。」
武尊はそう言ってフフっと笑った。
「どういう意味だ。それとも武尊は叩かれて喜ぶのか。武尊のことだ、それも分からないではないが。」
斎藤が大真面目でそう言うと、
「ちょっ・・違うって!痛いのはいやだっていったじゃない!」
と、武尊は斎藤に尻叩きの刑にされた時の事を思い浮かべた。
「そうだったか?優しくすれば痛いのも恍惚な顔をして啼いていたのはどこの誰かさんだったかな。」
武尊はいくらすべてを見られているからと言っても思い出せば恥ずかしいあの日の姿を思い出し真っ赤になった。
「もっ・・・もう!話をそらさないっ!勉君が私を叩いたのは私が時尾さんに抱きついていたから。
きっと母上様にいやらしい事をする不届き者だと思ったんじゃない?いい息子さんじゃない。
ま・・もしかするとお正月帰った時でも私の話が出るかもしれないからこうして先に言っておくね。だから勉君を褒めてあげてよ。」
「そうだな。」
斎藤はしばらく会っていない息子の姿を思い出してフッと笑った。
武尊はそんな斎藤の一瞬見せた遠い眼を逃さなかった。
そして本来斎藤が歩むべき斎藤の未来を想像して目を細めた。
「・・いい子だもんね、勉君。」
「嗚呼、時尾に似て素直で優しい。」
そう答える斎藤の声は穏やかだ。
武尊はそれが嬉しかった。
きっと家に帰ったら家族で団らんをとるのだろう。
楽しそうな藤田一家を想像して心の中で微笑んだ。
もしかしたら自分の話題も出るかもしれない、その時はその時だと思うのだがこの場では時尾の弟盛之輔に会った事は黙っておこうと思う武尊だった。
ここで話すのは勉君の話題だと武尊は更に勉の話題を続けた。
「それに一に似て正義感強そうだし。将来は一と同じように警察官なんかいいんじゃない?」
斎藤の子孫がどう生きたかは武尊は知らない。
けれどもこの両親なら間違いなく立派になるだろうと武尊は思った。
「確かに正義感は人一倍以上に強いな。だが勉には好きにさせるさ。」
どうやら斎藤は息子の成長はまんざらでもないらしいと武尊は斎藤の表情からそう見てとった。
「すっかり一もお父さんだね。いいな・・未来に続く若い力・・か。」
武尊は親から子へと血によって受け継がれてゆく人の営みが少し羨ましかった。
斎藤が武尊の出生の秘密を知る由はない。
だから武尊のつぶやきを自分と別れた寂しさだと思った。
「何を言う、武尊だってまだまだいけるぞ。若作りだしな。」
「若作り!?どうせ私は子供みたいですよ!」
「まぁ心配するな。此処にいる間は武尊が家内だ。」
そういえばそうだった、そんな発言をこの男はイケシャアシャアと言い切ったのだったと武尊は改めて目を丸くした。
「何だ、家内では不服か。」
「だって、一には時尾さんがいるでしょ、時尾さんが聞いたら悲しむよ。」
「忘れたのか、この【斎藤一】の妻は武尊だと言っただろう。ここは異国の船でまして海の上だ。武尊を家内と言って何が悪い。それに赤の他人の女にこんなことをするのは何処の国でも許されんだろうからな。」
そう言って斎藤は武尊に覆いかぶさるように密着した。
「わっ、一!そんなに上から抑え込まれたら苦しいぃ・・。」
武尊は胸郭が膨らまなくて息が出来ないと斎藤に訴えた。
「そうか、ならば息を沢山吸えるようにしてやるか。」
斎藤はそう言うと、外側から武尊の両脚を絡め両サイドへ開き、片腕で武尊を自分側にしっかり引き寄せると今度は自分の身体どと背をぐっと逸らした。
2015.10.19