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236.或る人の名 (蒼紫・夢主・影宮・観柳・操)
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「どうか蒼紫が無事帰って来ますように・・。」
夜更けに出た蒼紫の身を案じ、自分の代わりに調べに行ってくれた蒼紫の事を武尊は起きて待っていようと廊下側で庭を眺めていたのだったが寒くなって布団をかぶったのがまずかった。
柱に寄りかかったままいつの間にか寝てしまった武尊を蒼紫は帰って来た時に発見し、優しく抱き上げ床に入れなおしたのだった。
深い眠りの中なのか武尊は抱き上げられても起きなかった。
星明りに浮かぶ武尊の寝顔を見て最初は微笑を浮かべた蒼紫だったが、ふと夕方操が言った『斎藤がいた』という言葉を思い出し眉をひそめた。
きっとあの時武尊は斎藤の事を思い出していたに違いない。
今こうして抱いているのに、抱いているのは自分なのに・・。
そう思うと悔しさが隠せない。
操が見たというのならそれは本当なのだろう。
何故斎藤が京都に現れたのか全く見当もつかない蒼紫だったが、できることなら武尊と斎藤を会せたくない。
幸いにも今は武尊が外へ出ないようにする口実はある。
こうして葵屋に・・自分の腕の中に武尊を閉じ込めておきたいと蒼紫は武尊を抱く手に少し力を込めた。
「布団は冷たかろう・・。」
蒼紫はそう呟くと、敷きっぱなしの敷布団に武尊を抱いたまま布団をかぶり横になった。
蒼紫はしばらく武尊を腕の中から離せなかった。
静かな武尊の寝息が蒼紫の胸元にかかるのを感じながら抱きしめていたのだった。
九条が屋敷へ戻って来たのは蒼紫が屋敷を調べ終わり葵屋へ戻ったすぐ後の事だった。
数多くある屋敷の窓が一斉に明るく灯り、そして・・しばらくして一斉に消えたのだった。
2016.9.18
夜更けに出た蒼紫の身を案じ、自分の代わりに調べに行ってくれた蒼紫の事を武尊は起きて待っていようと廊下側で庭を眺めていたのだったが寒くなって布団をかぶったのがまずかった。
柱に寄りかかったままいつの間にか寝てしまった武尊を蒼紫は帰って来た時に発見し、優しく抱き上げ床に入れなおしたのだった。
深い眠りの中なのか武尊は抱き上げられても起きなかった。
星明りに浮かぶ武尊の寝顔を見て最初は微笑を浮かべた蒼紫だったが、ふと夕方操が言った『斎藤がいた』という言葉を思い出し眉をひそめた。
きっとあの時武尊は斎藤の事を思い出していたに違いない。
今こうして抱いているのに、抱いているのは自分なのに・・。
そう思うと悔しさが隠せない。
操が見たというのならそれは本当なのだろう。
何故斎藤が京都に現れたのか全く見当もつかない蒼紫だったが、できることなら武尊と斎藤を会せたくない。
幸いにも今は武尊が外へ出ないようにする口実はある。
こうして葵屋に・・自分の腕の中に武尊を閉じ込めておきたいと蒼紫は武尊を抱く手に少し力を込めた。
「布団は冷たかろう・・。」
蒼紫はそう呟くと、敷きっぱなしの敷布団に武尊を抱いたまま布団をかぶり横になった。
蒼紫はしばらく武尊を腕の中から離せなかった。
静かな武尊の寝息が蒼紫の胸元にかかるのを感じながら抱きしめていたのだった。
九条が屋敷へ戻って来たのは蒼紫が屋敷を調べ終わり葵屋へ戻ったすぐ後の事だった。
数多くある屋敷の窓が一斉に明るく灯り、そして・・しばらくして一斉に消えたのだった。
2016.9.18