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236.或る人の名 (蒼紫・夢主・影宮・観柳・操)
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「少し急ごう、九条が戻って来るのと鉢合わせるわけにはいかぬからな。」
もちろん馬車が近づいて来れば音で分かるが、ここしばらくは山奥の一本道、触らぬ神にたたりなしではないが追いつかれないことにこしたことはない。
「いったいどこを根城にしているのか・・」
蒼紫は九条がアジトから戻るとそのまま家に向かうと考えたのだが、その際場所が分かれば自分たちが葵屋へ戻るまでにすれ違わない経路を取る事が可能だと考えた。
そしてそのことが思わず口からこぼれたのだった。
武尊はそれが聞こえ、そして意を決し、
「・・私、・・知ってる。」
と言った。
それは蒼紫が考えていること(住んでいる所おが分かれば帰路が重ならないようにするということ)が分かったからだけでなく、自分が九条の屋敷を知っているということを伝えるのは今がチャンスだと思ったからだった。
「何処だ。」
蒼紫は流石に驚いた表情をして武尊を見つめた。
武尊は蒼紫と一瞬だけ視線を合わせたのち前を見つめてあの洋館の場所を出来るだけ詳しく伝えた。
「分かった。」
行きの色美しく染まった木々を眺めるような空気は二人にはなく、ほぼ無言で葵屋へ着いたのは日が落ちる少し前の夕方だった。
もちろん馬車が近づいて来れば音で分かるが、ここしばらくは山奥の一本道、触らぬ神にたたりなしではないが追いつかれないことにこしたことはない。
「いったいどこを根城にしているのか・・」
蒼紫は九条がアジトから戻るとそのまま家に向かうと考えたのだが、その際場所が分かれば自分たちが葵屋へ戻るまでにすれ違わない経路を取る事が可能だと考えた。
そしてそのことが思わず口からこぼれたのだった。
武尊はそれが聞こえ、そして意を決し、
「・・私、・・知ってる。」
と言った。
それは蒼紫が考えていること(住んでいる所おが分かれば帰路が重ならないようにするということ)が分かったからだけでなく、自分が九条の屋敷を知っているということを伝えるのは今がチャンスだと思ったからだった。
「何処だ。」
蒼紫は流石に驚いた表情をして武尊を見つめた。
武尊は蒼紫と一瞬だけ視線を合わせたのち前を見つめてあの洋館の場所を出来るだけ詳しく伝えた。
「分かった。」
行きの色美しく染まった木々を眺めるような空気は二人にはなく、ほぼ無言で葵屋へ着いたのは日が落ちる少し前の夕方だった。