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235.志々雄のアジトは今 (蒼紫・夢主)
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「志々雄の・・!?」
張から何度も聞いたその名。
斎藤の部下だった時にパラパラ見た調書の中にそのアジトは比叡山の麓にあった。と確かに記載されていたがまさかこれから自分が連れていかれるところがそこだとは。
武尊は驚いて蒼紫を見た。
武尊が驚くのは想定のうちだと蒼紫は落ち着いてその理由を説明する。
「志々雄の腹心に『百識』の方治と呼ばれる男がいた・・そいつは名の通り百識と言われるだけあり数々の精通した知識を持っていた。
その知識を支えたのは方治の持っていた多大な蔵書だ。
アジトは事件の後、警察連中がしばらく調べたはずだが志々雄が持っていたお宝は持ち去ってもあいつらでは蔵書の価値など分かるまい。
そのまま残っているはずだ。」
「それを拝借するからお土産なしっていうことなのね。」
「嗚呼・・だが。」
「うん・・。」
蒼紫と武尊は自分たちが通る道をもう一度にらみつける様に見た。
事件の後、夏、秋とかなり時間が経過した。
警察の調べなどとっくの昔に終わっているはずだ。
アジトというからには人気などがある場所ではないはず。
にも関わらず人の痕跡が残る道。
しかも轍(わだち)の後まで所々に見える。
これは・・馬車が通った後だ。
だれかがアジトに用事があり行き来しているというのか?
蒼紫も武尊もそう勘ぐった。
「志々雄一派の残党が京都で怪しい動きをしているとは・・京都探索型の耳には入ってない。」
蒼紫は武尊に聞こえるようにそう呟いた。
では何故?と言いたげな武尊の顔を見て蒼紫は、
「ともかく行ってみるしかあるまい・・本を借用するためにも、な。」
と言った。
武尊も蒼紫の意見に賛成だった。
わざわざこんなところまで来たのだ。
それが斉藤が行ったこともある志々雄のアジトだというのなら尚更だった。
(一と志々雄真実が戦った場所・・。)
本当を言うと、今は本よりそちらの方に興味がある、と武尊は思った。
そして自分の横の男もその闘いに参戦したのだという・・。
「どうした?」
いつの間にか蒼紫を見ていた武尊に蒼紫は言った。
武尊はそう問われて、
「・・どうして蒼紫は志々雄のアジトの事を知ってるの?」
と聞いた。
斎藤は事件調書に自分や四乃森蒼紫が志々雄と戦ったことは書いてはいない。
あくまでも抜刀斎と志々雄の決闘により志々雄は死したと記してあるに過ぎない。
裏の人間である斎藤自身のことや蒼紫の事はそれなりの記載しかしてないのだ。
蒼紫は武尊の問いかけに、
「話せば長くなる・・」
と呟き、一瞬目を伏せた。
もし、自分が【天翔龍閃】を喰らっていなければ志々雄真実とどう闘えたのか・・一瞬そんなことも思ったが、もしあの時にああだったなら。
そんな空言がいかに無意味な事はは身に染みて分かっていた。
【最強の称号】にまだ未練がないといえば嘘になる。
強き相手を目の前にすれば己の血が歓喜するであろうことが自分でも予測出来る。
蒼紫はやはり自分には闘いの道しかないと思うのだった。
急に張り詰めたような気を纏う蒼紫に武尊は無言で歩いた。
もちろん、蒼紫と同じように周囲を警戒しながら・・。
張から何度も聞いたその名。
斎藤の部下だった時にパラパラ見た調書の中にそのアジトは比叡山の麓にあった。と確かに記載されていたがまさかこれから自分が連れていかれるところがそこだとは。
武尊は驚いて蒼紫を見た。
武尊が驚くのは想定のうちだと蒼紫は落ち着いてその理由を説明する。
「志々雄の腹心に『百識』の方治と呼ばれる男がいた・・そいつは名の通り百識と言われるだけあり数々の精通した知識を持っていた。
その知識を支えたのは方治の持っていた多大な蔵書だ。
アジトは事件の後、警察連中がしばらく調べたはずだが志々雄が持っていたお宝は持ち去ってもあいつらでは蔵書の価値など分かるまい。
そのまま残っているはずだ。」
「それを拝借するからお土産なしっていうことなのね。」
「嗚呼・・だが。」
「うん・・。」
蒼紫と武尊は自分たちが通る道をもう一度にらみつける様に見た。
事件の後、夏、秋とかなり時間が経過した。
警察の調べなどとっくの昔に終わっているはずだ。
アジトというからには人気などがある場所ではないはず。
にも関わらず人の痕跡が残る道。
しかも轍(わだち)の後まで所々に見える。
これは・・馬車が通った後だ。
だれかがアジトに用事があり行き来しているというのか?
蒼紫も武尊もそう勘ぐった。
「志々雄一派の残党が京都で怪しい動きをしているとは・・京都探索型の耳には入ってない。」
蒼紫は武尊に聞こえるようにそう呟いた。
では何故?と言いたげな武尊の顔を見て蒼紫は、
「ともかく行ってみるしかあるまい・・本を借用するためにも、な。」
と言った。
武尊も蒼紫の意見に賛成だった。
わざわざこんなところまで来たのだ。
それが斉藤が行ったこともある志々雄のアジトだというのなら尚更だった。
(一と志々雄真実が戦った場所・・。)
本当を言うと、今は本よりそちらの方に興味がある、と武尊は思った。
そして自分の横の男もその闘いに参戦したのだという・・。
「どうした?」
いつの間にか蒼紫を見ていた武尊に蒼紫は言った。
武尊はそう問われて、
「・・どうして蒼紫は志々雄のアジトの事を知ってるの?」
と聞いた。
斎藤は事件調書に自分や四乃森蒼紫が志々雄と戦ったことは書いてはいない。
あくまでも抜刀斎と志々雄の決闘により志々雄は死したと記してあるに過ぎない。
裏の人間である斎藤自身のことや蒼紫の事はそれなりの記載しかしてないのだ。
蒼紫は武尊の問いかけに、
「話せば長くなる・・」
と呟き、一瞬目を伏せた。
もし、自分が【天翔龍閃】を喰らっていなければ志々雄真実とどう闘えたのか・・一瞬そんなことも思ったが、もしあの時にああだったなら。
そんな空言がいかに無意味な事はは身に染みて分かっていた。
【最強の称号】にまだ未練がないといえば嘘になる。
強き相手を目の前にすれば己の血が歓喜するであろうことが自分でも予測出来る。
蒼紫はやはり自分には闘いの道しかないと思うのだった。
急に張り詰めたような気を纏う蒼紫に武尊は無言で歩いた。
もちろん、蒼紫と同じように周囲を警戒しながら・・。